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🎡 第一夜|観覧車が一周した夜

    10月のある夜。

    森には、

    何もありませんでした。

    木。

    木。

    木。

    それから、

    少しだけ開けた場所。

    昼間にここを通ったとしても、

    きっと誰も立ち止まりません。

    ただの森です。

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    ところが――

    夜になると、

    森にはときどき、

    昼間には聞こえなかった音がします。

    カサ。

    落ち葉。

    カサカサ。

    小さな動物。

    ヒュウ。

    木々の間を抜ける風。

    どれも、

    よくある秋の夜の音です。

    その夜も、

    そうでした。

    カサ。

    カサカサ。

    ヒュウ。

    そして。

    ――カチン。

    森には似合わない音が、

    ひとつ混じりました。

    しばらくして。

    ――カチン。

    もう一度。

    誰もいない森の奥で、

    小さな電球がひとつ、

    灯りました。

    黄色い灯りでした。

    その隣に。

    パッ。

    もうひとつ。

    パッ。

    またひとつ。

    黄色。

    紫。

    赤。

    青。

    灯りは、

    森の奥へ向かって、

    ひとつずつ増えていきました。

    まるで、

    長いあいだ眠っていた何かが、

    目を開けていくように。

    やがて。

    木々の向こうに、

    大きな丸い影が浮かびました。

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    観覧車でした。

    昼間には、

    なかったはずの観覧車。

    ゴンドラには、

    誰も乗っていません。

    入口にも、

    誰もいません。

    そもそも、

    まだ入口すら見当たりません。

    なのに。

    ――カチン。

    観覧車のてっぺんに、

    ひとつ、

    灯りがつきました。

    すると。

    ギ……。

    観覧車が、

    少しだけ動きました。

    止まりました。

    森は、

    また静かになりました。

    ヒュウ。

    風。

    カサカサ。

    落ち葉。

    何も起こらない。

    そう思ったころ。

    ギ……。

    また、

    観覧車が動きました。

    ゆっくり。

    ゆっくり。

    誰も乗せないまま、

    夜空の中を回っていきます。

    一周。

    本当に、

    一周だけ。

    そして。

    最初のゴンドラが、

    元の場所へ戻ってきました。

    ピタリ。

    観覧車は止まりました。

    灯りも消えました。

    森は、

    また暗くなりました。

    まるで、

    何もなかったみたいに。

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    ただ。

    一本の木の根元に。

    小さなものが、

    ひとつ落ちていました。

    赤い包み紙の、

    キャンディ。

    もちろん。

    この夜はまだ、

    誰も来ていません。

    ――10月31日まで、

    あと少し。

    いや、まだまだあるか💦

    To be continued🐾

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・

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    しれです🐾 絵本やエッセイを書いたり、AIと遊んだり。 思いついたら、みんなで楽しめる遊び場まで作ってしまいます🎡🎠🎮 しれネコと仲間たちと一緒に、笑ったり、ほっとしたり、ちょっと考えたり。 日常に小さなワクワクをお届けします🐈✨

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