
汁物・煮込みが全部うまくなる|味噌汁・豚汁・煮物・鍋に共通する「だしと火加減」の科学
味噌汁、豚汁、煮物、鍋。毎日のように作る料理なのに、「なんだか味がぼやける」「お店や実家の味にならない」と感じやすい料理でもあります。
汁物と煮込みの味を決めているのは、だしのうまみと、火加減(温度)の2つです。どちらも、感覚ではなく理論で説明できます。
まずは無料部分で、いちばん身近な疑問を一つ、完全に解決します。
疑問① 味噌汁は、なぜ沸騰させてはいけないのか?
「味噌を入れたら沸騰させない」。よく聞くコツですが、理由まで知っている人は多くありません。理由は、味噌の香りが、熱でとても飛びやすいからです。
味噌は、大豆を麹と塩で発酵・熟成させてつくります。その過程で、アルコールや、果物のような香りの成分(エステル類)、香ばしい香りの成分など、たくさんの香りが生まれます。味噌汁を口に近づけたときに感じる、あのふわっとした香りです。
この香りの成分の多くは、沸点が低く、温度が上がると空気中へ逃げていきます(揮発)。ぐらぐら沸騰させると、湯気と一緒に香りがどんどん飛んでしまい、残るのは塩味とうまみだけ。これが「沸騰させた味噌汁は、味が平べったくなる」理由です。
さらに、長く煮立てると、味噌のたんぱく質が固まって、口当たりがざらつくこともあります。温め直しをくり返した味噌汁がおいしくないのも、同じ理由です。
だから、味噌汁の手順はこうなります。
具は、だしで先に煮て火を通しておく(味噌を入れてから具を煮ない)
火を止めるか、ごく弱火にしてから味噌を溶き入れる
味噌が溶けたら、鍋のふちがふつふつしてくる直前(「煮えばな」)で火を止める
この「煮えばな」が、香りがいちばん立っていて、味噌汁がもっともおいしい瞬間です。お椀に注ぐ直前に、もう一度温めるくらいでちょうどいい。
味噌をこし器やおたまの中で溶かしてから鍋に入れると、短い時間で均一に溶けるので、加熱しすぎを防げます。
ここから先の有料部分では、汁物・煮込みの残りの悩みを解決していきます。
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