
『霜降の風と仏の訓え』京都・嵐山72通りの散歩道・・霎時施
霜降の次候:第53候「霎時施」(こさめときどきほどこす)
話題:時雨に煙る渡月橋と、立ち止まることの愛おしさ
秋の深まりとともに、天気が気まぐれに変わりやすくなる頃。晴れていたかと思うと、さーッと通り雨が通り過ぎ、また穏やかな青空が顔を出す -そんな移り気な空が京の街を包み込む季節です。
朝霧や時雨に煙る嵐山の「渡月橋」を渡っていると、川面に映る山々の景色が雨粒によって幾重にも揺らめき、まるで水墨画の世界に迷い込んだかのような静けさに包まれます。人生の中でも、突然の予測できない出来事に足止めを食らうことは少なくありません。
けれど、そんな思いがけない「立ち止まり」こそが、普段は見落としていた風景や、自分の心の奥にある本当の願いに気づかせてくれる時間だったりします。 慌てて傘をさす道すがら、雨に濡れる木々の鮮やかさにふと目を向けてみる。そんな心の余裕を持った歩き方をしたいですね。
今日の自分探しノート
予定通りにいかないことがあっても、「これも一息つくための時間」と優しく受け入れてみる。
雨音や風の音に耳を澄まし、自分の心がどんな状態にあるのか静かに感じてみる。
今日見つけた小さな美しさ(雨粒に濡れた葉、しっとりとした空気)を心の中にメモしておく。
おまけ
急な時雨に降られて、渡月橋と渡月小橋の近くにある土産屋とカフェの“大市”さん。 雨が止むまでのほんの十数分、軒先から白く霞む桂川や山々をぼんやりと眺めながら、温かいお茶とチーズケーキをいただいた小さなひととき。特別な予定のないその空白の時間が思いのほか心地よくて……。「そんなに急ぎすぎなくても、ちゃんと思いがけない美しさに出会えるよ」と、自然に教えられたような気がする、忘れられない一服です。