
看護師という資格は便利すぎるのかもしれない|いつから私たちは何でも屋になったのだろう
最近、求人票を見ていて思わず二度見しました。
「看護師+ITスキルのある方歓迎」という求人。
また別の日には、
「介護士+SNS運用できる方歓迎」
実際、現場では「理学療法士の所長は、SNS運用や事務業務あり」になっているという話もちらほら聞きます。
小規模な事業所では、一人が複数の役割を担うのは珍しいことではないのでどれも間違っているとは思いません。
ただ、その時ふと思ったのです。
・看護師は看護だけ。
・理学療法士はリハビリだけ。
・事務は事務だけ。
そんな時代は、いつ終わったのだろうと。
私が看護師になった頃
私が看護師になったのは199▲年です。
当時は今ほど理学療法士や作業療法士はいませんでした。病棟では可動域訓練や歩行訓練を看護師が行うことも珍しくありません。
・薬のセットも看護師
・血沈も看護師
血沈(けっちん)とは、採取した血液を専用の試験管に入れ、1時間で赤血球がどれくらい沈むかを測定する血液検査
私の時代のさらにその昔…
細いガラス管(ピペット)に血液を入れる際、ピペットをストローのように口で吸って吸い上げていた時代です。うっかり吸い込みすぎて口に血液が入る…なんて事故も当時は笑い事(?)で済んでいたような時代でした。
今思うと感染対策の観点からゾッとしますが、それくらい当時の看護師は何から何まで自分たちでやっていたのです。
話がそれましたが…
今振り返ると、看護師はかなりの「何でも屋」でした。
そんな時代だったように思います。
その後、2000年介護保険制度が始まり、リハビリ職は増えました。認定看護師や専門看護師という制度もできました。
私は医療や介護は、専門職ごとの役割分担が進んでいくものだと思っていました。
でも、現場は本当にそうなったのでしょうか
最近、私は少し違う景色を見ています。
訪問看護師は看護だけではありません。訪問看護の現場だけではなく
・記録
・他職種連携
・営業(認知活動)
・SNS更新
・DX担当になっている人
など多岐にわたります。
施設内訪問看護ステーションによっては、訪問看護と訪問介護の境界が曖昧な働き方をしているケースもあります。
理学療法士が所長になれば、リハビリだけではなく、採用や事務や営業も担当することになります。
介護士さんも同じです。
介護だけではなく、レクリエーション担当になったり、SNS担当になったりします。
気が付けば、
資格の後ろにどんどん仕事が増えている。
そんな気がするのです。
一番の何でも屋は私だった
偉そうなことを書いていますが、実は私自身もそうでした。
訪問看護ステーションを立ち上げた時、私は訪問看護師であり、看護管理者。
そして、営業・経理・労務・DX担当
勤怠システム・給与・他職種連携ツールの担当
そして、SNS運用やホームページ管理もしていました。
今思うと、
一番便利に使われていたのは私自身なのかもしれませんが、何でもやってみたいタイプなので、営業もDXも労務も全部自分でやりました。
自業自得と言われればその通りです(笑)。
DXで仕事は減ったのか
私はDX化が嫌いではありません。むしろ積極的に取り組んできましたし、できる限りデジタル化、ペーパレスを進めてきました。
でも不思議なことがあります。
便利になったはずなのに、仕事がなくなるわけではない。
今度はシステム管理者が必要になる。
アカウント管理やスタッフへの説明が必要になる。そして、トラブル対応が必要になる。
結局、誰かがやることになります。
そしてその「誰か」は、看護師だったり管理者だったりするのです。
専門職は増えたのに、なぜだろう
私が看護師になった頃より、2000年以降は理学療法士や専門資格も増えました。そして、最近では、システムやAIも含め便利なツールも増えました。
それなのに現場では、
「人が足りない」
という声をよく聞きます。
看護師だから。
PTだから。
介護士だから。
ではなく、
結局は誰かがやらなければ回らない。
そういう現実があるのかもしれません。ただ、30年近く現場を見てきた私には、どうしても不思議に思うことがあります。
専門職は増えたはずなのに、なぜ私たちは昔と同じように何でも屋に戻っているのだろう。
これは私だけの感覚でしょうか。
皆さんの職場ではどうですか?
気が付けば、資格の後ろにいくつ仕事が増えていますか?
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