月を見る【シロクマ文芸部】
月を見る。
深夜の繁華街は眩い光に溢れ、北極星しか見えない寂しい夜空をひっそりと照らしていた。
(月って太陽の光が無いと、輝けないんだよなぁ)
人類の飽くなき探究の結果、昔より出番が少なくなったのではないかと思う。暦は太陽に代わり、夜道も電気があれば迷わない。I love youの意味は誰もが知っているし、餅をつく兎もいない。
(あなたはスポットライトにすら当たらないじゃない)
(それにわたしはこの子(地球)を支える仕事もあるから)
空から脳に語りかけられる。今夜の彼女は威勢がいいようだ。
臍を曲げる前にわたしは自分の役割に集中しよう。これから約2週間は彼女と共に仕事をするのだから。
(何事も程々がいいわ。人も月も夜も)
東の空が曙色に変わっていく。これが交代の合図だ。
僅かな時間で引き継ぎ、無事に交代を確認すると、わたしは今日も彼女と一緒に西へ向かうのだ。
今回も素敵の企画に参加させていただきました。
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。