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オランダ式環境制御を日本のハウスへ:飽差・CO2・光の数値と夏冬の切り替え

    オランダの施設トマトの収量は、1980年代の10a当たり年約30tから、2000年代には60t以上に伸びました。

    同じ頃の日本の平均は冬春作で9.6t、夏秋作で4.1tと、30年近くほとんど変わっていません。

    この差を埋めようと、日本でも飽差管理・CO2施用・複合環境制御が「オランダ式」として広まり、環境制御機器を入れるハウスが増えています。

    ところが、オランダの資料にある数値をそのまま設定しても、日本の真夏の暑さや、冬の晴天日の乾いた外気の前ではうまく合いません。

    設定値だけを輸入し、その数値が「なぜその値なのか」という考え方を持ち込まないと、機器に投資しても効果が出ないまま終わります。

    たとえば飽差(空気があとどれだけ水蒸気を含めるかを示す値)の目安ひとつをとっても、資料によって単位がg/m³だったりkPaだったりhPaだったりで、同じ値に見えて中身が違うことがあります。CO2も「何ppmにするか」より先に、「換気中に外気より下がっていないか」を確かめる方が効く場面が日本には多くあります。

    この記事では、オランダ(ワーヘニンゲン大学研究センターと同国の省エネ栽培プログラム)の一次資料と、日本の公的な試験研究を突き合わせ、日本の季節と地域に置き換えた運用の判断手順までを数値で整理します。対象は主にトマトですが、考え方はキュウリやパプリカなどの果菜類にも共通します。

    この記事で分かること

    • オランダの「次世代型栽培(Het Nieuwe Telen)」の芯にある3つのバランスと、「光と温度の釣り合い」の考え方

    • 飽差(g/m³)とVPD(kPa)の換算と、海外総説・オランダ・日本の県の試験の湿度の目安を並べた比較表

    • 「光が1%増えると収量は何%増えるか」の定量値と、日本のハウスの光透過率の実態

    • CO2濃度ごとの効き方(オランダの研究の「CO2法則」で計算した光合成の伸び)と、換気中の施用の考え方

    • 日本の夏(外気だけで飽差10g/m³超)と冬で、オランダの数値がずれる理由を気象庁の平年値で確認

    • 寒冷地・中間地・暖地の重点と、中間地の長期どりトマトの月別運用表

    • 症状から原因を切り分ける判断表と、機器を入れる前のチェックリスト

    先に結論

    • オランダ式の本質は個々の設定値ではありません。「光で作る量」と「温度で使う量」の釣り合いを、湿度とCO2で支えるという考え方です。数値はその結果として決まります。

    • 日本はオランダより日射が多く、夏はオランダの解説書が「よく晴れた夏の日」の例に挙げる外気(24℃・湿度40%)より、はるかに暑く湿っています。真夏は湿度を上げて換気を絞る前に冷やすことが先で、冬は光を一切無駄にしないことが最も効きます。日本のハウスは骨材や被覆で光の4割以上を失っているという測定例があり、被覆の汚れや劣化など、機器を買う前に点検できる伸びしろがあります。

    • 投資と管理の順番は「測る→光を逃がさない→換気中のCO2を外気より下げない→飽差を上限で抑える→温度を光に合わせる」です。有料部分では、この順に数値と判断基準を示します。

    有料部分の目次

    • オランダ式の芯:3つのバランスと光と温度の釣り合い(作る量と使う量をそろえる考え方)

    • 物差しをそろえる:飽差とVPD(海外総説・オランダ・日本の県の湿度の目安を比較表に)

    • 光:1%の光は果菜で0.7〜1%の収量(日本のハウスの光透過率54〜60%の意味)

    • CO2:濃度ごとの効きを数字で(計算表と、岐阜県・神奈川県・栃木県での試験結果)

    • 温度:光に合わせて上げ下げする(換気開始温度を上げてよい日、いけない日)

    • 日本の気候で何が違うか(寒冷地・中間地・暖地を気象庁平年値で比較)

    • 月別の運用表(中間地・長期どりトマトの例)

    • 判断表:症状から原因を切り分ける

    • 導入の順番:測る→光→CO2→湿度→温度

    • まとめ(チェックリスト付き)

     
     
    土壌診断の実務経験をもとに、農業・家庭菜園・塊根植物の肥料・資材・道具を「成分表示」と「測った数字」から読み解きます。盛らない・断定しない・条件を分ける。 著書『直売所で儲かる心理設計』 Amazonのアソシエイトとして、ライゼンは適格販売により収入を得ています。

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