
助っ人倶楽部|#シロクマ文芸部(約800字)
借りた本橋は、万年初戦敗退チームの初勝利に大きく貢献してくれた。
「やっぱ、すげ〜わ。助っ人倶楽部は!」
高校卒業するまでに一度でいいから試合に勝ち、廃部の危機も無くしたいと藁をもつかむ思いで、恥を忍んで助っ人倶楽部に声をかけた。
助っ人倶楽部… それは非公認の、知る人ぞ知る隠された課外活動団体…であった。人に知られては困るような悩みごと等があった時に、そっと相談にのり手助けしてくれるという。片想いの彼女に好きな人がいるかどうかの調査、先生に没収されてしまったけど大切な友達からの誕プレだったピアスの回収、読んだはいいが全く印象に残らなかった本の読書感想文作成…etc。コンタクトを取るには、生徒会ご意見箱に「助っ人倶楽部様」と宛先&要望を書いて投函し、後日携帯に連絡が入る。
「で… 今度の地区卓球大会に、助っ人で入って欲しいというわけか。卓球なら… 本橋!お前、ルールとか知ってるし、けっこう上手いんだろ?手伝ってやれ」
そんなわけで急遽、本橋という人に卓球部員(半年契約)となってもらい試合に出てもらった。シングルではストレートで、ダブルスでもなんとか勝って… その場で主将も本橋に代わってもらい勝った。本橋様様である。
本橋は卓球も上手かったが、顔も良かった。彼が入ったことで、卓球の見学者が増えたし入会希望者も出てきた。たったの六ヶ月であったが、卓球部は廃部の気配を拭い去った。
「受験の準備をしたいので」という理由で本橋は退部した。元々半年の約束だったし。でも彼のお陰で技術が向上したことは否めない。ずっと卓球してきた部員より強い助っ人って何だろう?
後日、助っ人倶楽部から連絡が来た。
「君は確か似顔絵とか描くのが得意だろう?
その腕を漫研に貸してやってくれないか?ベタ塗りの手伝いだけでもいいらしい。どうだ、助っ人倶楽部の仲間にならないか?」
一体いつの間に、自分の秘密にしていた特技を知られたんだろう。でも、なんか悪い気はしなかった。
また被り逃れの技を使いました。
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#借りた本