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香りの聞き重ねで表現できることとは

    先日、サントリー美術館で『幕末土佐の天才絵師 絵金』展(11月3日まで)を鑑賞してきました。絵金とは、幕末から明治初期にかけて数多くの芝居絵屏風をのこし、地元高知では「絵金(えきん)さん」の愛称で長年親しまれてきた、絵師・金蔵(きんぞう / 1812~76)のこと。『狂おしいほど美しい』という副題がつけられていますが、主に歌舞伎の名場面を、歌舞伎の舞台ではあり得ないほどリアルに描いています。

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    サントリー美術館エントランスにて

    絵金は「血まみれ絵金」とも呼ばれるほど血赤(ちあか)と呼ばれる赤色を多用します。会場に並ぶ撮影NGの屏風絵には、刀傷から迸る血、悪巧みの卑劣な笑い、苦悶に歪んだ表情などが続きます。素晴らしいと思いつつもグロテスクな表現に少しずつ気持ちが滅入ってきますが、地面に転がる首や腕を見慣れてくると、どこか滑稽みを感じられるようになるのが不思議。多用される赤色も実は疫病や悪霊払いの意味を持ち、お祭りの際に絵金の絵屏風を家の外側へ向けて見せるのは邪気を家に入れない意味もあると知ると、恐ろしいと感じさせるほど意味があるのだと思ったり。

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    7月に行われる土佐赤岡絵金祭りでのゆらめく提灯の明かりの下での鑑賞が再現されています

    ゆっくりと鑑賞しながら、今年4月にデビューした日本の香水ブランド《破天荒》のことと、先日フランス人の香水の付け方について聞いたことを思い出しました。《破天荒》は日本の職人たちの卓越した技術や挑戦を取り入れ、日本の伝統と技術を後世につなぐ新しい価値観を込めた香りを創造しています。香水瓶はそれぞれが美しい浮世絵に包まれています。YouTubeでご覧いただけますので、宜しければぜひ。

    《破天荒》の香水は素晴らしい世界観と共にそれぞれがきちんと完成しているのですが、例えば絵金の世界観を香りで表すとなると、屏風絵の血赤の色と受ける衝撃は《花火》で。背筋がひんやりとする凄絶な場面は《おどろおどろ》で。今も昔も人が持つラディカルなエネルギーは数量限定の《歌舞伎町》で、といくつかの香りを重ね合わせたくなります。

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    《破天荒》の《おどろおどろ》《歌舞伎町》《花火》※向かって左から

    《破天荒》の総合プロデューサーであり調香師 / 旅香人 である清水篤(しみず あつし)氏は、一つの香りでは描ききれないより深い世界を表現するために香りの『聞き重ね』を提唱されています。「香りを聞く」という日本古来の芸道である香道の行い方に敬意を表したこの『聞き重ね』という楽しみ方は、2種類以上の《破天荒》の香りを重ね付けすることで新しい世界を生み出します。

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    《聞き重ね》にもそれぞれ美しいタイトルがついています

    今年の春にデビューしたばかりの《破天荒》は、今とても注目されていて、10月には伊勢丹新宿店にてPOP UP とサロンドパルファンでのワークショップを行いました。11月は12⽇(⽔)〜18⽇(⽕) まで、銀座三越 本館地下1階 GINZAステージにて体験型POP UPを開催し、会期中の11⽉12⽇(⽔)・14⽇(⾦)・15⽇(⼟)・16⽇(⽇)は清水篤氏による「香りの聞き重ね」体験会が行われます。詳細はプレスリリースをご覧くださいね。

    今年のサロンドパルファンで行われた『フランス人と香水』というセミナーで「フランス人は香水のレイヤリングはしない」ということをお聞きしました。これは伝統的な香水との向き合い方で、素晴らしい香りの愛し方です。そしてすでに完成された一つの香りを自分に乗せるだけでなく、重ねることで新しい香りが生まれてそれがオンリーワンの世界観の表現になるのであれば、それもまたとても楽しいことですよね。香りを通して『自分』というものを深く掘り下げていく体験にもなります。

    私は11月18日(火)の15:00〜19:00 まで銀座三越 本館地下1階 GINZAステージ会場にて、皆さまに「香りの聞き重ね」体験をご提案させて頂きます。《破天荒》の香りが未体験の方も、すでにご愛用の香りがある方も、ぜひいらしてくださいね。ご一緒に新しい香りの世界を発見しましょう。

     
     
    私の香りは私自身。あなたの香りはあなた自身。今この瞬間に、ご自身がどのような香りをさせているかご存知ですか?人生の一瞬一瞬が素晴らしい香りに満ちている、そんな日々を過ごすために思ったこと、感じたことをこれからこちらで綴っていこうと思います。

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