
【毎週ショートショートnote】未確認飛行パンプキン
男は、株式会社パンプキンの前に立ち尽くしていた。シャッターには「都合により、しばらくお休みします」と張り紙がある。社長の自宅を訪ねても応答はなく、電話もつながらない。
男は社長に三百万円を貸していた。
「飛んだのか……?」
そう落胆していると、一人の女性が現れた。
「社長にお金を返しに来たんですけど」
その後も、債権者や債務者が次々と店の前に現れた。
男は困惑した。債務者までいるのなら、夜逃げしたとは考えにくい。自分への返済期限も、まだ数日先だった。
隣の店主に尋ねると、「飛行機で旅行に行く」と聞いたという。その隣は「遠方の法事でしばらく休む」と聞いていた。さらにその隣は、「娘の海外挙式に出席する」とのことだった。
男は悩んだ。社長を捜すべきか、帰りを待つべきか。そもそも、どこへ行ったのかさえ分からない。
──未確認。
飛行機に乗ったという社長の行き先も、株式会社パンプキンの未来も、謎に包まれたまま。ただ、時だけが過ぎていった。
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