
人と事業の可能性を解放する、3つの挑戦。
きざしデザイン第二創業 Vol.6|事業構想
第二創業について書き始めて、今回で6回目になる。
これまで、経営哲学や自分自身のWill、きざしデザインの存在意義、そしてMission・Vision・Valuesについて言葉にしてきた。
最後は、それらをどう事業として実現するのかについて書いてみたい。
きざしデザインがこれから取り組むのは、大きく3つの挑戦だ。
経営者のチェンジエージェント、次世代経営者の輩出、そして事業承継支援。
その実現手段となるビジネスモデルは、ハンズオンコンサルティングと、人材紹介・コーチングだ。
一見すると異なる取り組みだが、私の中ではすべてつながっている。
目指すのは、人と事業の可能性を解放し、日本が誇る価値を次世代へつなぐことだ。
きざしデザインは、何が違うのか。
経営変革、事業開発・再生、人材・組織開発。
それぞれの領域には、私より優秀な専門家がたくさんいる。
では、きざしデザインは何を強みとするのか。
それは、これらの領域を横断し、シームレスに伴走できることだ。
私のキャリアには、大きく3つの経験がある。
・人材ビジネスを通じて、人と組織が動く理由、動かない理由を見てきた。
・事業開発や既存事業の立て直しを通じて、事業の勝ち筋を描き直してきた。
・そして、ベンチャーや起業の現場では、戦略と組織を壊してはつくり直すことを繰り返してきた。
この3つの経験から学んだのは、どれほど優れた戦略でも、人が動かなければ実現しないということだ。
一方で、人の意欲や能力だけでも事業は成長しない。
市場を捉え、勝ち筋を描き、その戦略を実行できる組織をつくる必要がある。
だからこそ、私は戦略と人・組織を切り離して考えない。
経営者が見たい未来から、戦略、実行できる組織までを一貫して設計し、実行に伴走する。
人を基軸に戦略を描き、組織とともに実行する。
それが、きざしデザインの伴走支援。
変革の基本OSは、認知変容と行動変容。
そして、もう一つ大切にしていることがある。
それは、すべての支援の土台に、認知変容と行動変容というメソッドを置いていることだ。
人は、ものの見方が変わることで、意思決定が変わり、行動が変わっていく。
その起点となるのが、実現したい未来をリアルに感じる「未来の臨場感形成」である。
未来の臨場感が高まることで、認知が変わり、意思決定が変わり、行動が変わっていく。
戦略を描いて終わるのではなく、変化が実際の行動として表れるところまで関わる。
この基本OSがあるからこそ、経営変革、事業開発・再生、人材・組織開発という異なる領域を、一つの思想でつなぐことができる。
専門性を個別に競うのではなく、領域を越えて変革を実現する。
それが、きざしデザインの強みだ。
1. 経営者のチェンジエージェント|変革をともに実現する。
チェンジエージェントとは、変革を促し、その実現を支える存在のこと。
私はこれまで、経営者や事業責任者とともに、事業の立ち上げや成長、再生に関わってきた。
その中で感じるのは、経営者自身の変化が、事業や組織の変化につながるということだ。
過去の成功体験や既存の常識が、未来の可能性を狭めてしまうこともある。
だからこそ、経営者とともに実現したい未来を描き、これまでの前提を問い直す。
そして、新たな意思決定を、具体的な行動へとつなげていく。
もちろん、対話や助言だけで終わらせるつもりはない。
経営戦略の立案、事業開発、営業・マーケティング、採用、組織づくり。
必要な領域に踏み込み、実行と成果まで伴走する。
戦略を描くだけでも、組織をつくるだけでもない。
経営者の見たい未来から逆算し、戦略と組織の両面から変革を支援する。
これが、私の考えるチェンジエージェントだ。
2. 次世代経営者の輩出|可能性を、経営機会につなぐ。
日本には、経営者としての可能性を持ちながら、その選択肢に出会えていない人がいると思っている。
能力や意欲があっても、経営者になる機会がない。
あるいは、そもそも自分が経営者になるという未来を描いたことがない。
そんな人たちに、新しい選択肢を届けたい。
これまで人材ビジネスに関わる中で、現在のスキルや実績だけでは、人の可能性を測れないと感じてきた。
大切にしたいのは、その人の内側にあるエネルギーだ。
現状を変えたいという劣等感。
どうしても実現したいことへの使命感。
そして、未知の世界に触れ、自分自身を更新し続ける好奇心。
こうした原動力を持つ人には、大きな可能性があると思っている。
この事業の軸となるのは、人材紹介とコーチングだ。
人材紹介を通じて、経営者候補と経営機会をつなぐ。
そして、コーチングを通じて、その人が実現したい未来を明確にし、認知や意思決定の変化を支援する。
ただ人を紹介するのでも、知識やスキルを教えるだけでもない。
本人が自らの意志で未来を選び、行動できるようになることを大切にしたい。
M&Aを通じて経営者になる。
既存企業の後継者になる。
新しい事業を立ち上げる。
経営者になる道は、一つではない。
人の可能性を見いだし、経営者として挑戦できる機会へとつなぐ。
そして、新たな経営者が生まれることで、事業の可能性も広がっていく。
そんな循環をつくっていきたい。
3. 事業承継支援|日本の価値を、次世代へつなぐ。
日本には、長い時間をかけて培われてきた技術や文化、地域に根づいた素晴らしい事業が数多くある。
久留米絣、竹箸、伝統的な酢づくり。
各地のものづくりの現場で出会う、効率だけでは測れない価値。
その一方で、後継者不足や市場環境の変化によって、事業の継続が難しくなっている企業もある。
私が取り組みたいのは、そうした事業の承継を支援し、その価値をさらに高めていくことだ。
単に会社を存続させるのではなく、受け継いできた価値を磨き、新しい市場や顧客との接点をつくり、持続可能な事業へと進化させる。
Vol.5で書いた「非合理が、合理を生む」という考え方も、ここにつながる。
手間や時間をかけることでしか生まれない価値がある。
一方で、改善すべき非効率もある。
守るべきこだわりは守り、変えるべきところは変える。
非合理な価値を磨き、合理的な経営によって未来へつなぐ。
商品価値を、体験価値へ。
そして、もう一つ大切にしたいのが、体験価値だ。
例えば、庄分酢の酢づくりやヤマチクの竹箸づくり。
商品を手に取るだけでは分からなかった価値が、製造現場を訪れ、つくり手の思いや工程に触れることで、まったく違って見えてくる。
その体験が共感を生み、ブランドへの愛着を育て、顧客との長期的な関係につながっていく。
私は、ここにツーリズムの大きな可能性を感じている。
単に観光客を呼ぶことではない。
体験を通じて価値を伝え、顧客をファンに変えていくこと。
産業観光も、そのための重要な手段になる。
優れた技術や商品を守るだけでなく、その背景にある価値を体験として届ける。
それが、事業の競争力を高め、次世代へ価値をつなぐ力になると考えている。
事業承継においても、大切にしたいのは人だ。
創業者や現経営者が何を大切にしてきたのか。
次の経営者は、どんな未来を実現したいのか。
そこで働く人たちは、どんな思いを持っているのか。
それぞれの意志や可能性を理解し、承継前後の戦略と組織づくりまで、ハンズオンで伴走する。
そして、Mission・Visionを実現するための一つの手段として、自ら事業を承継し、経営を担うことにも挑戦したい。
ただし、自分が会社を保有することや経営者になること自体が目的ではない。
あくまで目的は、人と事業の可能性を解放し、日本が誇る価値を次世代へつなぐことだ。
支援する立場でも、自ら経営する立場でも、実現したい未来は変わらない。
3つの挑戦は、循環する。
経営者のチェンジエージェント、次世代経営者の輩出、事業承継支援。
これらは、それぞれが独立した事業ではない。
事業承継を支援する中で、次の経営者が必要になることがある。
次世代経営者の候補者が、事業承継を通じて経営の機会を得ることもある。
そして、新たな経営者が挑戦する際には、戦略や組織の変革が必要になる。
その変革を、チェンジエージェントとして支援する。
この3つをシームレスにつなぐことで、人と事業の可能性をさらに広げられると考えている。
一人の経営者が変わることで、事業が変わる。
一つの事業が変わることで、そこで働く人や地域にも新しい可能性が生まれる。
その中から、また次の経営者が生まれる。
人が変わり、事業が変わり、次の挑戦が生まれる。
そんな循環をつくりたい。
第二創業は、ここから始まる。
今回の第二創業で、事業領域そのものを大きく変えるわけではない。
人材ビジネス、事業開発、経営支援。
これまで取り組んできたことを、明確なMission・Visionのもとで再構成した。
そして、自分たちが何を強みとし、どんな価値を提供するのかも、以前より明確になった。
人を基軸に戦略を描き、戦略と組織をシームレスにつなぎ、実行まで伴走する。
その土台にあるのが、未来の臨場感形成を通じた認知変容と行動変容だ。
業種を問わず、人と事業の可能性を解放する。
そして、その実践を積み重ねながら、特に日本が誇る工芸・食、そして体験価値を軸としたツーリズムの可能性を広げていきたい。
経営者の変革を支え、次世代経営者を輩出し、価値ある事業を次世代へつなぐ。
そして、その過程で自分自身も挑戦し続ける。
この6回の連載で言葉にしてきたことを、これからは一つひとつ現実にしていきたい。
未来の臨場感をデザインし、人と事業の可能性を解放する。
その先に、豊かな日本の未来があると信じている。
可能性に、きざしを。
第二創業は、ここから始まる。