
白のままでいい
仕事を辞めて、やりたいことも目標も、何もなかった時期があった。
昼間は家でダラダラ過ごし、夜は友達と飲みに行き、たまに旅行にも行く。
一見、自由で楽しそうな生活だったと思う。
まるで「老後のお金持ち」のような毎日。
けれど、正直に言うと、何をしていてもあまり楽しくなかった。
かつて仕事のご褒美だったはずの「遊び」は、毎日続くことで、ただの「日常」に成り下がり、その価値が少しずつあせていく感覚があった。
人生には、適度な緊張と緩和のメリハリが必要だった。
社会という歯車から外れた瞬間に、人は「自分がどこへ向かうべきか」という道しるべを失ってしまう。
自己肯定感を保つものも、夢中になれるものも、頑張っているものも、何もない。
今思えば、軽い鬱状態だったのかもしれない。
「生きる意味」が見えなくなるというのは、静かな、けれど確実な苦しみだった。
理由もわからないまま、泣いた夜
「このままじゃあかん」
そう思えば思うほど将来が怖くなり、ある夜、母親と話している途中で、理由もわからないまま涙が溢れ出した。
自分でも驚くほど、止まらなかった。
情けなくて、怖くて、そのまま友達に電話をかけた。
泣きながら人に電話をしたのは、後にも先にもあの時だけだ。
「……ごめん、なんか涙が止まらなくて」
支離滅裂なぼくの話を、友達は笑って、でも優しく受け止めてくれた。
「それ、しんどいよな。大丈夫、俺もあるよ」
そこに正論やアドバイスはなかった。
ただ、「同じだよ」という共感だけがあった。
「好かれるため」に、自分を殺していた
昔のぼくは、いつも「他人軸」で生きていた。
人に嫌われないこと、それ以上に「好かれること」に必死だった。
相手の顔色を伺い、反応を予測し、自分の本音には蓋をして、空気に馴染むような仮面をかぶる。
自分を偽って手に入れた人間関係は、どこまでも虚しかった。
今のぼくは、大切にする順番を変えた。
「まず自分を満たす。その余った分で、周りを大切にする」
自分に嘘をつかず、ありのままの「自分のリズム」で生きる人は、それだけで周りに安心感を与えるのだと知ったから。
横に座り、言葉をそっと添えるように
今のぼくは、誰かの相談に乗るとき、自分の正義を押し付けることをやめた。
その人の性格、タイミング、置かれている状況。
すべてを丸ごと受け止めて、ただ、横に座って一緒に考える。
心がざわざわしていても、今の自分に無理なく馴染む言葉が見つかると、少しだけ呼吸がしやすくなる。
だからぼくは、正解を教えるのではなく、あなたの今の感覚に、「そっと添えるような言葉」を一緒に探したい。
誰かの基準ではなく、あなたのリズムに静かに馴染む、「少しの余白」をくれる言葉を。
答えを教える人ではなく、一緒に答えを探す人でありたい。
白のままでいい。何色にでもなれるから
「白」という色は、決して「空っぽ」という意味じゃない。
自分の素直な色を、自信を持って、芯を持って、表現できる「ありのまま」の状態だ。
あなたは、もっと自分を表現していい。
もっと素直に、自分の色を響かせていい。
自分を犠牲にして、周りを満たそうとしなくていい。
まずは、あなた自身を幸せにしてあげてほしい。
立ち止まってもいい。
まだ、何者でもないままでいい。
自信を持って、白のままでいてほしい。
白は、何もない色ではなく、これからどんな色にだってなれる、無限の可能性そのものだから。
今のぼくも、この真っ白なキャンバスに、自分だけの色を乗せていく「アーティスト」として歩き始めたばかりだ。
「言葉」という絵筆で、誰かの心を温めること。
いつか、大好きな人たちが集まって、心から笑い合える「小さな居場所」のようなものを作ること。
そんな夢物語のような景色を、本気で描こうとしている。
だから、あなたも大丈夫。
あなたのリズムで、あなたの色を世界に響かせていける日は必ず来る。
そのままのあなたでいい。
そのままのあなたが、一番美しい。
白のままでいい。
ありのままでいい。
この言葉が、どこかの誰かの言葉のギフトとなりますように。