
積読美術館②
「借りた本……なんですよね?」
午前零時。
積読美術館の地下3階から、声がした。
誰もいないはずの地下室に、本が積まれている。
「えっ。これ、1977年の英語版初版本じゃないですか」
「うるさい。黙ってスキャンしろ」
白い光が、一ページずつ走る。
画面の中に、文字が増えていく。
読み取られた本は、元の棚に戻された。
帯も残っている。
ページにも折り目がない。
「本は、持っていかないんですか?」
白い光が、次の本を照らした。
「重要なのは本じゃない。」
『お題で書きはじめるnote企画』×『毎週ショートショートnote』
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