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積読美術館④

    待つ時間。

    朝の積読美術館の会議室には、重苦しい空気が漂っていた。

    『地下3階の年間利用者数:0人』

    担当者が言った。

    「維持費もかかっています」

    別の担当者がうなずいた。

    その日の午後。

    地下3階の本は、ゴミ置き場に移送された。

    ……

    ……

    男が、せっせと大量の本を台車に積んでいた。

    司書が声をかけた。

    「そんなに持っていくんですか?」

    「はい」

    「ずっと読みたかったんですか?」

    「ええ」

    「だったら、借りればよかったのに」

    男は手を止めた。

    「貸出禁止でしたよね」

    司書は、ゴミ置き場の札を見た。

    『ご自由にお持ちください』


    『お題で書きはじめるnote企画』×『毎週ショートショートnote』

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    (※現場の違和感を、YouTubeショートでも発信しています。)

    (※MBAの授業内容をまとめています。)

    #シロクマ文芸部
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    #積読美術館
    #ショートショートnote
    #現場と経営のあいだ

     
     
    大学施設管理の現場責任者。現場で生まれる小さな違和感を、組織が判断できる言葉へ翻訳します。現場知、情報共有、責任と権限、予防保全を中心に考えます。組織や社会構造のズレは、ときどきショートショートにも。

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