
積読美術館④
待つ時間。
朝の積読美術館の会議室には、重苦しい空気が漂っていた。
『地下3階の年間利用者数:0人』
担当者が言った。
「維持費もかかっています」
別の担当者がうなずいた。
その日の午後。
地下3階の本は、ゴミ置き場に移送された。
……
……
男が、せっせと大量の本を台車に積んでいた。
司書が声をかけた。
「そんなに持っていくんですか?」
「はい」
「ずっと読みたかったんですか?」
「ええ」
「だったら、借りればよかったのに」
男は手を止めた。
「貸出禁止でしたよね」
司書は、ゴミ置き場の札を見た。
『ご自由にお持ちください』
『お題で書きはじめるnote企画』×『毎週ショートショートnote』
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