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THE ENZAI 2026

    先日のお昼前、JR四ツ谷から御茶ノ水に向かう電車内のことです。

    僕の向かいの座席にお母さんと女の子(三歳くらい)の親子が座っていて、女の子は幸せそうにじゃがりこを食べていました。

    「ママー、食べたー」
    「はい。もうおしまいねー」
    「えーーー!」

    この世の終わりみたいな声を上げる女の子。
    食べてる時と食べ終わった時のギャップについ笑ってしまいました。

    カラの容器を受け取ろうとするお母さん。女の子は首を小さく横に振りながら訴えました。

    「ちがうの。ほんとは食べてないの」

    そして僕を指さしてハッキリと言ったのです。

    「あの人が食べちゃったの」

    なんでだよ。

    「大声でなに言ってるの! 本当にすみません!」

    女の子に注意するお母さん。慌てて僕に謝ります。
    大丈夫ですよー、と笑顔でジェスチャーを返しました。
    子供ってテンパると咄嗟に変なウソついちゃいますよね。仕方ありません。僕も経験あるし。
    お菓子を食べ終わってふてくされる女の子。

    「ほら、これ飲んでなさい」

    お母さんがバッグから紙パックのリンゴジュースを取り出すと、女の子の表情はパァっと明るくなりました。

    「こぼすから静かに飲みなさいね」

    うん、と返事して女の子は両脚を小さくパタパタさせながらジュースを飲んでいました。

    ……そして数分後。

    「ママー、飲んだー」
    「はい。おしまいねー」
    「えーーー!」

    紙パックを受け取ろうとするお母さん。女の子は首を小さく横に振りながら再び訴えました。

    「ちがうの。ほんとは飲んでないの」

    そして僕を指さして小声で言ったのです。

    「あの人が飲んじゃったの」


    お母さんが注意したのは声の大きさじゃねぇよ。

     
     
    世界DJコンペ入賞、ダンスコンテスト優勝多数。SNS総フォロワー28万人の身体表現者。noteでは言葉の表現を追求し、笑いと涙、明日への活力が湧く日常エッセイを綴ります。| 海外インスタントラーメンと桂歌丸師匠が大好き

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