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Photo bybiwars1111

最後の一葉 #毎週ショートショートnote【こざかしい落下】

    「あの木の最後の葉が落ちたらさよならしましょ」
    有名な小説をモチーフにした別れ話がこざかしい。
    しかしそんな女と恋に落ちたのは俺だ。

     彼女は抜群のタイミングで涙をポツリと落としやがる。そしてヒラヒラと舞う落ち葉を踏みしめ最後の一枚までの枚数を数え「まだ時間はあるよ」と。
     別れる前提なのにまだ時間あるってなんだよ?
    何を演じる必要があるんだ?こざかしい。
    しかしそんな女に惚れたのは俺だ。

    「桜の花びらは秒速5㎝でしょ、あの葉っぱはどれくらいだろ?」
    今度は名作アニメに流行りの実写版かい!その設定いるか? 
    こざかしい!しかし惚れたのはそう、俺だ。

     そして1週間。とうとう最後の一枚となった。
    「あれが落ちればさよならだね」
    「もしあれが落ちなければどうする?」
    「……」
    「愛してるんだ、君を。やり直さないか」
    「あなたあの最後の一葉の根元、ホットボンドで固めてたでしょ。知ってたのよ」

    彼女は高枝バサミで最後の葉を切った。

    こざかしい一葉が落ちた。


    完410文字 (字下げ空白含まず)



     
     
    兵庫県神戸市在住の60代の非正規雇用労働者。オス。これぞという作品を書き上げてから死にたい派。SS、ナンセンス系とか書いてますけどほんとは純文学派。親愛コメントを放つ場合あり。現在一部狂信的読者に支えられ『ケケケのトシロー』シリーズを連載中。ハンドルネームのPTAは学校関係なし。

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