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Photo byhimamosu

告りびと #毎週ショートショートnote

    もうこれ以上続けてはいけない。
    世界がそう思っていた。

    双方の主張は各々の利益を優先させ人心に響かない。
    首脳同士の話し合いは何度も行われた。しかし主張は曲げられず非難の応酬ばかりに人々は辟易とする。超大国の大統領の仲介も裏にある自国の欲が絡み不調に終わる。あきらめと無関心に世界が再び沈んだ。

    そんな中、国連の場である国が提案をした。

    「お互いの『告りびと』を引き受けましょう。双方一名ずつ。各々の本心を告る代表者を我が国がリサーチし、設定する場で双方が本心を告り、それぞれのトップに響かせ納得させるのです」

    世界は神秘の国の手法に一縷の望みをかけた。

    当日、お互いの代表は女性。場は双方の希望で遊園地。

    「あの子はジェットコースターで漏らしちゃったのよ」
    「うちの子は回るカップに酔って吐いたわ」
    「それが今じゃねぇ」
    「そうよねぇ、えらそうに」
    「ほんとにね」

    告りびとの告白というか暴露話は全世界に発信された。

    世界は母親の告りに救われた。


    完410文字



    たらはかにさんの毎週ショートショートの企画、今週のお題「告りびと」に参加させていただきました。

    世界は複雑怪奇。だからこそ最もシンプルなヒーローが必要なのです。



     
     
    兵庫県神戸市在住の60代の非正規雇用労働者。オス。これぞという作品を書き上げてから死にたい派。SS、ナンセンス系とか書いてますけどほんとは純文学派。親愛コメントを放つ場合あり。現在一部狂信的読者に支えられ『ケケケのトシロー』シリーズを連載中。ハンドルネームのPTAは学校関係なし。

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