
教育委員訪問(石川中・松原小)
石川中学校は、小学校が併置された築2年の弘前市で最も新しい校舎です。かたや松原小学校は築45年。校舎の新しさという点では両極端の学校への訪問となりましたが、印象に残ったのは、ハード面よりも、それぞれの学校が取り組んでいる教育の特色でした。20日(火)に訪問した2校のレポートです。
■石川中学校訪問レポート
生徒玄関の向かいには弘前市役所の出張所、児童館、公民館が併設されており、建物の外観からはあまり学校らしさを感じません。入り口の電子キーに目を奪われつつ中に入ると、下駄箱はあるものの、学校というより何かに雰囲気が似ている・・・。
「そうか、ヒロロスクエアだ!」なんて思いながら、学校訪問が始まりました。
小中9年間を同じメンバーで過ごすことは、互いをよく知る仲間として安心して生活できるというメリットがある一方、人間関係の固定化が進むという問題もはらんでいます。そういった点への対策として、行事等で一人一人の出番を確保し、誰もが活躍できる機会をつくるようにしているとのこと。さすがです。
学習面では「個別最適な学びと協働的な学びを行き来する学習過程の工夫」を掲げ、「授業がよくわかる」というアンケート項目の数値アップを目指しています。
「共育」とは、生徒だけでなく、先生も学ぶ姿勢を見せることが大事だと教頭先生は語ります。そう言えば、教頭先生自身も自らの学びをしっかりと発信していますね。今日の授業からも、確かに教師と生徒の「共育」が伝わってきました。
◎私が感じた石川中「推し」ポイント
弘前で一番新しい校舎で、生徒たちは伸び伸びと、そして先生たちは生き生きと授業をしていました。ダンスの授業で生徒と一緒に踊る先生、生徒と同じゴーグルを付けて実験している先生など、多くの授業から「共に学ぶ」姿勢が伝わってきます。先生と生徒の関係の良さが、わずかな参観時間の中でも分かります。
校長先生はかつて、「当たり前のことをしていれば、学力はそれなりになる」とおっしゃっていました。当たり前のことを当たり前にできるという難題を、軽々とクリアしている自負が伝わってきます。充実した学校設備という物的環境に加えて、「教師力」という人的環境も充実。石川中、死角なしです。

■松原小学校訪問レポート
校舎の色調は、弘前市立学校の建築ラッシュ時代を思わせる典型的なもの。その中でもユニークに感じたのは、児童玄関と職員玄関が別棟に設けられていることです。玄関が並んでいたり、同じ棟にあったりする学校が多いと思います。
校舎は古いですが、ゴミ一つ落ちていません。きれいに、大事に使ってくれているなぁと感心しながら、授業を参観して回りました。
今年度から教育目標を「やさしく かしこく たくましく 夢に向かって挑戦する松原っ子の育成」に変更しました。児童の実態を踏まえた変更ですが、その教育目標の具現化を学校経営方針の最上位に掲げています。また、重視する順序を「知・徳・体」ではなく「徳・知・体」とするなど、学校課題の解決に向けて「仕掛けているなぁ」という印象をもちました。
授業改善、学力向上にも抜かりはありません。天童中部小学校の実践を取り入れ、学びを児童に委ねすぎることなく、授業の2割を意図的に主体的な学びに充てるといった実践をしています。授業研修として、附属小学校校長による師範授業や講話も実施しています。子どもの学びを充実させるには、まず教師が学ぶ。基本ですね。
◎私が感じた松原小「推し」ポイント
児童の実態から課題を捉え、その解決・改善に向けて着実に取り組んでいます。CRTや全国学力・学習状況調査の結果を踏まえ、やるべきことを明確に示しているのが秀逸。「日本一話を聴く学校」という打ち出し方も面白い。是非、日本一になってください!
私が「松原小の児童の良さ・強みは何ですか?」と質問すると、校長先生は「興味・関心が強い。新しいことにのってくる」と。児童の良さを語っているときの校長先生の表情は、自然とやわらかくなります。
児童たちが自分たちの課題に主体的に向き合うようになるには、まず、自分たちの良さを認めてもらっていることが大切だと私は考えます。松原小の実践の成果が楽しみです。

■振り返り
石川小中学校は、校舎一体型の小中併置校として、弘前の学校の未来像の一つです。石川小中の実践は、今後の小中併置校の設置を考える上で、大きな財産となります。試行錯誤しながらの学校運営だと思いますが、その日々の経験は、市にとって大変貴重なものです。
一方、松原小学校では、児童の実態を丁寧に捉え、課題の解決に向けて学校全体で取り組む姿勢が印象に残りました。
校舎の新しさは対照的な2校でしたが、どちらも教師が学び、子どもの成長につなげようとしている点では共通しています。
また、午前は中学校、午後は小学校と訪問すると、子どもの9年間の成長に改めて驚かされます。義務教育の9年間がいかに大事か。そして、その9年間を預かる学校の役割がいかに大きいか。そんなことを考えさせられた一日となりました。