Samsung、世界初の12層HBM4Eサンプル供給開始 最大16Gbps・64GB対応へ
要約
Samsungは、業界初となる12層HBM4Eのサンプル出荷を主要顧客向けに開始した。HBM4と同じ1c DRAMプロセスと4nmベースダイを採用しており、量産移行も近いとみられる。HBM4Eは最大16Gbps、3.6TB/s帯域、48GB容量を実現し、AI向け性能と電力効率を大幅に向上。SK hynixやMicronも開発を進める中、Samsungはメモリ・ファウンドリ・先端パッケージの垂直統合優位性を強めている。
キーワード
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* 先端パッケージ
記事の翻訳
Samsungは2026年初頭にHBM4の出荷を開始してからわずか数カ月で、業界初となる12層HBM4Eのサンプル提供を主要グローバル顧客向けに開始した。これは同社の最新プレスリリースで明らかになった。
HBM4EはHBM4と同じ1c DRAMプロセスおよび4nmベースダイアーキテクチャを採用しており、HBM4自体もすでに量産段階に入っていることから、業界関係者は今回出荷されたHBM4Eサンプルについても量産移行に向けた準備が整っているとみている。Samsungは、顧客ごとのスケジュールに合わせてHBM4Eの量産を進める計画だとしている。
一方でSamsungは、2月に世界で初めて量産・出荷に入ったHBM4の生産・供給拡大も進めている。同社によると、昨年12月にはHBM4が最終認証段階であるSystem-in-Package(SiP)試験において業界最高水準となる11.7Gbpsの速度を実証し、高い評価を獲得したという。
News1によると、今回の動きによりSamsungはHBM4Eを最初に供給した企業となった。業界関係者は同メディアに対し、HBM4以降は顧客ごとの設計柔軟性や安定した大規模供給能力がこれまで以上に重要になると指摘している。こうした背景から、メモリ、ファウンドリ、先端パッケージを統合して展開できるSamsungの強みがさらに際立つとの見方も示されている。
HBM4E、性能20%向上・容量30%拡大
性能面では、SamsungはHBM4Eが前世代比で大幅な進化を遂げたとしている。安定動作時で14Gbpsのピンスピードを実現し、より高負荷なAI用途向けには最大16Gbpsまで拡張可能だという。
HBM4と比較すると、新メモリは20%以上高い性能を実現し、1スタック当たり最大3.6TB/sの帯域幅に達する。これにより、大規模言語モデル(LLM)や次世代AIシステム向けの演算効率を大幅に向上させるとしている。
さらに、12層HBM4Eは現在48GB容量で提供されており、前世代比で30%以上の容量増加を実現した。Samsungは今後、顧客ニーズに対応するため、32GB(8層)版や64GB(16層)版もラインアップに追加する計画だ。
効率面では、先進的な低消費電力設計技術と最適化されたパッケージ構造により、前世代比でエネルギー効率を16%改善し、熱抵抗も14%以上低減したとしている。
競合各社のHBM4E開発動向
Samsungの進展を受け、SK hynixおよびMicronのHBM4E開発状況にも市場の注目が集まっている。
Yonhap News Agencyによると、SK hynixは当初、今年後半にHBM4Eサンプル出荷を開始する計画だったが、最近では開発が想定以上に順調に進んでおり、スケジュール前倒しの可能性が報じられている。
一方Micronは、同社初のHBM4E製品についてJEDEC標準に準拠すると説明しており、量産立ち上げは2027年を目標としている。これはSTOCK Analysisが報じている。
考察
HBM市場は従来の「先行量産競争」から、「顧客最適化」と「供給安定性」を重視する段階へ移行しつつある。HBM4以降はベースダイ設計やパッケージ統合の複雑性が急速に高まり、単純なDRAM性能だけでは差別化が難しくなる。
その中でSamsungは、メモリ、4nmロジック、先端パッケージを自社で統合できる点が大きな強みとなる。特にAIアクセラレータ各社が独自仕様HBMを求め始めている現在、カスタム対応力は今後さらに重要になる可能性が高い。
また、16層64GB品までロードマップを示したことは、次世代AIサーバーで求められる大容量化への先手ともいえる。HBM容量拡大はLLM推論効率やGPU集積度に直結するため、HBM4Eは単なる速度競争ではなく、AIインフラ全体のアーキテクチャ進化を左右する存在になりそうだ。