
半年前の願いについて|エッセイ
数日前から、息子の小学生初めての運動会は雨予報になっていた。運動会の日程は4月からお知らせされていて、この日は何が何でも参観すると決めていた。
というのも、これまで息子の保育園行事が、わたしの勤めていた小学校の学校行事とどんぴしゃで重なり、ほとんど観に行くことができなかったからだ。
運動会。
大きな晴れ舞台で、大好きな人を探す子どもたちがいる。見つけると手を振って、ぴょんぴょんニコニコする。目が合えば「頑張れ!」とジェスチャーを送る。すると子どもたちは、大きくうんと頷いて、また目線を外す。
子どもたちの目が、ぎゅっと力強く変わる瞬間がある。
大好きな人を見つけた子どもに、不思議なパワーが宿る。
いつかわたしも、そんなパワーを与える母になりたいと思っていた。
それなのに、母になったわたしは、息子にそれをしてあげられなかった。
今よりもっと小さかった息子は、保育園の園庭で一生懸命ママを探していたのだろうか。どんなにママを探しても見つからなくて、寂しい気持ちを小さな胸にしまい込んでいたのだろうか。
本当のところはわからない。けれど、そうだったかもしれないと思うと、心に墨がポトンと落ちたように濁る。
運動会前日の夕方16時。スマホのアプリに「【要確認】明日の運動会について」という通知が届いた。
あぁ、どうしよう。
4月に手帳へ書き込んだ運動会の日程が、雨マークひとつで崩れていく。半年前から待っていた一日だった。天気に文句は言えない。どこにもぶつけられない不安だけが、じわじわと押し寄せてくる。
息子に「ごめんね。延期の日はママ仕事やし、行けへんわ」と言っていいのだろうか。職場に事情を伝えて、延期の日を休ませてもらおうか。
当たり前のように、我が子を優先したい。
そんなことに悩むのが嫌だったから、教師を辞めたんでしょう。心の中で、自分に言い聞かせる。
月曜日の夕刻。
管理職に相談した。声が震えた。
延期になったので、その日を休ませてほしい。
どうしても我が子の運動会に行きたくて。
嫌な顔をされるかもしれない。急な変更で迷惑もかけるだろう。休めて当然なんて、やっぱり思えない。申し訳ない気持ちだって、たくさんある。
でも。でも!!
結果的には、受け入れてもらえた。断られることなんかないと、頭ではわかっていた。それでも、自分の口で「休ませてほしい」と言えたことは大きかった。
よかったとスッキリしたわけではない。
それでも、ほっと心を撫で下ろせた。
こんなことできたの、初めてだ。
急いで帰宅して、学童に息子を迎えに行った。
早く会いたかった。
「お迎えにきましたー! 星の母です」
ランドセルを肩に引っさげて、水筒も全部持って、息子と手を繋いで学童を出た。
道路は飛び出したらあかんよ!って、いつも大きな声で言っているのは、わたしなのに。今日は手を繋いで小走りになった。
「ママ、延期になった運動会、ちゃんと行くからね!」
手を繋いで走っていた息子が、立ち止まって振り返る。まん丸いおめめになった気がする。
「ゼッタイ、エンキニナッタヒ、ハレテホシイ!!」
ニッと笑うと、わたしの手をグイっと引っ張って駆けていく。
この坂を降りたら、わたしたちの家がある。
神様どうか、延期の日が晴れますように。
ね、てるてる坊主もたくさん作ろうね。
「オレ、ウンドーカイデ、
イチネンセイノ、ダイヒョウノコトバ、イウネン」
そうなん!?初めて聞いたよ!
もっと聞かせて!!
ランドセルなんかほっぽり出して、抱きしめたい。
延期になった運動会は、いよいよ明日だ。
🐰🐰🐰おれい🐰🐰🐰
運動会、見に行くことができました\(^o^)/
見事な秋晴れでした。
力いっぱいがんばる子たちがいました。

ちなみに年長さんの最後の運動会も
泣いていました(/ω\)
最近、涙腺がゆるゆるです!!
一週間、おつかれさまでした!
すてきな金曜日をおすごしください🍁