
日本は英米にもドイツにもなれない?〜経済構造から見る先進国の得意分野〜
先進国・途上国論については初期から結構書いているのだが、そこに登場する国家は偏りを感じることがある。ネット上のエリサラが言及しがちな国はアメリカやイギリスが多く、国力で言えば相当なはずのドイツやフランスはどうも地味な印象を受ける。
筆者の周囲を見ても、英米への留学は結構目にするのだが、ドイツやフランスはあまり聞いたことがない。また、これは文系サラリーマンだけではなく、理系研究者を見ても感じることである。
アメリカは超大国だから当然かもしれないが、イギリスは国力でいえばフランスと同程度、ドイツには明確に負けている。それでもイギリスはどこか存在感がある。イギリスには見かけ以上に強い国である。
日本は地理的理由でイギリスに対比されることが多いが、果たしてイギリスと同じ影響力を行使できるのだろうか。あるいはドイツのように世界屈指の工業大国でいられるのだろうか。最近の経済状況を見ると、どちらも怪しくなっていると思う。
日本に似た経済の国はイギリスでもドイツでもなく、実はフランスなのではないか。今回は先進国の経済構造を多方面から考察し、日本の動向を占ってみたいと思う。
ハード先進国とソフト先進国
主要先進国には得意分野と不得意分野があり、それによって産業構造が分けられるのではないかという論考を最初に取り上げたい。具体的にはハード系の先進国とソフト系の先進国に分けられるのではないか。
ハード系の先進国は高付加価値の製造業によって身を立てている国であり、ソフト系の先進国は三次産業、例えば金融・IT・先端研究など無形の産業で身を立てている国である。
結論からいうと、このように分類できる
ハード先進国:日本・韓国・台湾・ドイツ・イタリア北部、など
ソフト先進国:米国・英国・香港・シンガポール・スイス、など
中間:フランス
この並びを見ていると、確かにどこかソフト先進国のほうがハイソな印象もある。文系ビジネスエリートはここら辺の国の話が好きである。
なお、大前提として、これらの比較は先進国に限っている。途上国を入れると経済構造が違いすぎて考察が困難になるからだ。ここでいうハード先進国やソフト先進国の比較はあくまで先進国の間での得意不得意の話である。中国・インド・ロシアなどは除くものとする。
スペインやギリシャ、イタリア南部なども先進国とはいえボーダーであり、扱いにくいのであまり触れない。
各種指標
さて、この分類は筆者が直感的に行ったものだが、より定量的に示してみよう。