
誰にもあげない
好きな人の背中を見るのが好きだ。好きだから背中さえも好き説とも言えるが、斜め後ろから見る顔が見えるか見ないか位の角度さえ好きで、明るい場所で見ている恥ずかしいから少し夕暮れの夜の始まり位の薄暗さで見るのが好きだ。
そうだな、もっと言えばお祭りの露店までの道を仲間で歩きながら貴方は中心で笑ってて私は友達と後ろから歩くのだ。車のライトが後方から光って後ろを振り向くか振り向かないか、そんな瞬間がいい。
薄暗くて顔も表情もよく見えないから、目が合うはずはないのに、目があったかもしれない。とドキドキしているのをバレないようにしている。結局、そんな調子だから恋はいつも、始まるはずもない。恋のアクセルは目の前にあっても自分の足で踏む勇気はない。
誰にも気づかれずに散っていく、恋を抱きしめたい。
愛しさに理由がつけられない。
この思いは誰にも分けてあげられない。
#なんのはなしですか