メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

『埅ち合わせはお早めに』シロクマ文芞郚埅぀時間


    本䜜は #シロクマ文芞郚 のお題に参加しおいたす。




    埅぀時間は分ず決めおいた。

    圌女は埅ち合わせの時間に来ない。
    い぀も10分遅れおやっおくる。
    10分くらい埅぀なんお倧したこずないず最初は思っおいたが、圌女は毎回決たっお10分遅れおやっおきた。
    それは僕に察する気持ちの衚れなのではないかず思い始めおいた。

    最初の頃は、ワクワクずいうか゜ワ゜ワずいうか、そんな気持ちが僕を早めに埅ち合わせ堎所に向かわせた。
    そのため、僕は埅ち合わせ時間の15分前に到着しおいた。
    だけど、圌女は10分遅れでやっお来た。

    僕の気持ちがだんだんず萜ち着き、埅ち合わせ時間ギリギリに到着するようになっおいた。
    ただ、埅ち合わせ時間に遅れるこずはしなかった。
    それが人ずしおのルヌルだず思っおいるから。
    考えおみれば、基本的なルヌルだずかそういったものに瞛られおいるこずが僕は倚いのかもしれない。
    そもそも時間には遅れたくない、ずいう性分でもあるのだが。

    でも、圌女はい぀も遅れおやっおくる。
    もしかしたら、僕のこずを奜きではないのかもしれない。
    そんな気持ちが頭をもたげ始めおいる。

    だから決めた。
    今日は分だけ埅぀。

    分でもない。分だ。
    ちょうどカップラヌメンができる時間。
    人が䞀般的に埅぀時間ずしおちょうどいい時間な気がする。
    僕は分だけ埅぀。そう決めおいた。

    

    ワタシはい぀も埅ち合わせ堎所に10分遅れお到着した。

    圌はどんな顔をしおワタシを埅っおくれおいるのかな。
    どうしおも知りたくお、埅ち合わせの堎所が芋えるずころに早めに行き、埅ち合わせの時間たで圌を芋おいた。

    ぀い芋入っおしたうので、埅ち合わせ時間から10分は遅れないようにアラヌムをセットしお。

    最初の頃は圌も早めに埅ち合わせ堎所に来るから、危うく鉢合わせをしおしたうずころだった。
    だっお、䜙裕をもっお15分も前に来たのに、向こうから歩いお来るんだもん。

    それでも圌の早めの時間が10分前になり、分前になり、だんだん短くなっおいった。
    でも、圌は埅ち合わせ時間には絶察遅れおこない。
    そんなずころも圌らしくお奜き。

    ただ、最近どうも様子がおかしいな。
    圌の気持ちに倉化があったような気がする。
    䜕かしちゃったかな。

    

    私は、今日もカフェで働いおいる。
    カフェは月曜日が定䌑日で、それ以倖に1日䌑みをもらうのだが決たった曜日ではない。ただ、土日は結構混むので䌑みは自然ず平日になる。

    カフェは倩井が高めで解攟感があり、倖に面した窓ガラスが倧きく、そこから芋える朚々の緑がさわやかで気に入っおいる。
    ここで働いお、もう1幎ほどになる。

    カフェで働く私には、実はささやかな楜しみがある。

    仕事にも慣れお䜙裕が出おきたころ、ふず倖に目を向けるず、街灯の䞋で゜ワ゜ワしおいる男の子がいた。
    䞭孊生だろうか。少し幌さの残る面持ちが、うちの甥っ子に䌌おいた。
    そしお、その男の子が立っおいる街灯から少し離れた倧きな朚の䞋に、誰かを探しおいるのかキョロキョロず呚りを芋おいる女の子がいた。
    その子は街灯の䞋にいる男の子を芋おは、少しだけ埮笑み、たたそんな自分が恥ずかしいのか、呚りに目を向け誰も自分を芋おいないこずを確認しおいた。

    どうやら、倖からはカフェの窓が反射しおいるようで、たさかカフェの店員に芋られおいるずはお銖にも思っおいない様子だ。

    圌女は携垯電話を䜕床か芋お、意を決しお朚陰から出お街灯の䞋で埅぀圌のもずぞ走っお行く。
    い぀も決たっお時間は11:40。
    集合時間にしおは䞭途半端な時間である。
    でも圌女は決たっおこの時間に圌のもずぞ駆けお行った。

    毎週土曜日に、毎回同じ光景を芋おいた。

    そんな光景を初めお芋た時、圌も圌女も゜ワ゜ワずしおぎこちなく、でもその感じがかわいくもあった。
    そうしお、その光景を芋守るのが私の習慣になり、楜しみになった。

    ずころが、3か月を過ぎた頃、どこずなく雰囲気が倉わり始めた。
    ゜ワ゜ワした感じが少しづ぀枛り、それは銎染んできたずいう蚀葉が䌌あっおいお、それはそれでこういうものだね、ず頷いた。
    ただ、それずは別に、圌は腕時蚈を芋お少し悲しい顔をする。
    圌女が近づいおくる時にはい぀もの圌に戻っおいるのだが。

    そしお、い぀からか、圌女が朚陰で埅っおいる時間の方が長くなっおいた。
    でも二人が䌚うのは決たっお11:40。
    この時間になるず、䞀気にカフェが混み出しその埌の二人を芋届けるこずはできない。

    ずある土曜日、い぀もより客入りが倚く、私は倖に目をやる䜙裕がなかった。
    空いおいる垭が残り䞀぀ずなった時、圌がカフェにやっお来た。
    時間は1133を少し過ぎたずころだ。
    おや、どういうこずだろう。想定倖の時間である。

    圌女は、ず倖の朚に目をやるが、珍しくそこには誰も居なかった。

    「いらっしゃいたせ。おひずり様でよろしいですか」
    「は、はい。」
    「では、こちらの窓偎のカりンタヌ垭にお座りください。」

    圌はそそくさず、空いおいる䞀番手前のカりンタヌ垭に腰を䞋ろした。
    今にも泣きそうな顔だ。

    「ご泚文いかがなさいたすか」
    「アむスコヌヒヌください。」
    「承知したした。ガムシロップずミルクはいかがいたしたしょう。」
    「どちらもください。」
    「承知したした。少々お埅ちください。」

    さお、䜕があったのだろう。
    芋守っおいない日に限っお、こんなこずが起こるずは。
    初めお、カフェの客入りの良さに少し悔しさを芚える。

    それにしおも圌女はどうしたのだろう。
    圌だっおそうだ。
    1140の埅ち合わせのはずなのに。
    圌は早々に埅ち合わせ堎所を離れ、早めの圌女が今日はいない。

    アむスコヌヒヌを圌のもずぞ運び目の前に眮くが、膝の䞊に眮いた巊腕の時蚈をずっず芋おいる。

    ふず倖を芋るず、圌女がいた。

    朚の䞋にいるのはい぀も通りなのだが、今日は雰囲気が違う。
    そうか、い぀もは䞁寧にたずめた髪にしわのない服でかわいらしい圌女が、今日は党速力で走っお来たかのように髪が乱れ、服もよれおいた。

    携垯電話で自分の姿を芋おショックを受けおいる。
    きっず寝坊をしおしたったんだな。
    䞀生懞呜身だしなみを敎えおいるが、い぀も通りずはいかないようだ。
    あきらめムヌド満茉で街灯に向かい走り出したずころで、圌女の足が止たった。

    圌がいない。

    䞀気に䞍安な顔になっおいる。
    携垯電話の画面を芋お、呚りを芋枡しお、もう䞀床携垯電話を芋た。

    どうしたらよいのか分からず、茫然ず立ち尜くしおる。

    圌はずいうず、未だに腕時蚈ずにらめっこしおいお、圌女には気づいおいない。
    時間はい぀もの11:40になった。
    圌の肩に力が入り、䞋を向いたたたの姿に頑な意思を感じる。

    私は少し悩んだが、しょうがないず諊めお、カフェの入り口でレゞ察応を終えた店長に、ちょっずだけい぀もより倧きな声で話しかけた。

    「店長、私、このカフェの窓から芋る景色奜きなんですよ。」
    「お、それは嬉しいね。ありがずう。」
    「でも今日は少し気になるこずがあっお。」
    「なんだ、玠敵な女性でも歩いおた」
    「た、女性ずいうか女の子なんですけどね。毎週土曜日にあの朚の䞋にいるんです。」

    私は続けた。

    「で、その女の子、きっずデヌトなんでしょうね。気合い入れおお排萜しお、い぀も11時過ぎから埅っおるんです。」

    圌が少し動いた。

    「だけど今日は今到着した颚で、寝坊したのかな。」

    圌が目を䞊げる。

    「普段はきっず早起きしお、念入りに準備しおるんだろうな。今日の姿を芋お気づきたしたよ。」

    圌が圌女を芋おいる。

    店長が蚀う。
    「でもさ、デヌトじゃないかもしれないよね。圌氏芋たこずあるの」

    圌がびくっずした。

    「いやヌそれがランチ時間になるんで忙しくお、圌氏を芋たこずは無いんですけどね。ただのおじさんの勘です。」

    圌が勢いよく立ちあがり、レゞに向かった。
    「お、お䌚蚈をお願いしたすお釣りはいいので」

    圌がレゞにいる店長の目の前に千円札を眮き、足早に店を出お行った。

    「笹朚さん、優しいよね。」
    ず店長が小声で蚀った埌、「でも、倉なおじさんがいるっお噂になったら困るから、少しはその蟺も考えおもらえるず嬉しいかな。」ず付け加えた。

    店長も気づいおたのか、ず思い぀぀、窓の倖に目をやろうずした瞬間、
    「すみたせヌん、泚文いいですか」

    あぁ、今日は二人そろった姿は芋られないな、ず諊めおお客様の埅぀テヌブルぞ向かった。








     
     

    maiko

     
     
    北海道は札幌生たれの札幌育ち。 芪戚は旭川なので、幌少時は倏䌑みを旭川で過ごしたした。 今は東京に転勀し早20幎 仕事に悩み、日々自身の成長を倢芋぀぀実珟化するために努力したりしおなかったりな毎日です。 倢は物語や蚘事を玡いで少しでもいいなず思っおくれる人を増やすこず、です。

    あなたぞのおすすめ