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「なぜ?」を書かなければ文章は動かない

    5W1Hの「5W」言えますか?

    文章を書くとき、
    「5W1Hを意識しよう」
    と教わった人は多いと思います。
    研修などで「5W1Hの5Wは何ですか?」と聞くと、

    「いつ、どこで、誰が、何を、どうした」

    と答えてくれる人が、まあまあいるのです。 
    じつは、これ違うんです。

    いつ(When)
    どこで(Where)
    誰が(Who)
    何を(What)
    どうした(Do/Did)

    これは言ってみれば「4W1Dの構文」です。
    ところが、これで文章は書けるんです。

    先週、熱川のバナナワニ園で、僕たち家族は、ワニを見ました。
    (区切りに読点を入れました)

    いつ、どこで、誰が、何を、どうした。
    になってますよね。

    この型が、頭の中にこびりついて、肝心な部分を飛ばしてしまうのです。
    5W1Hの正解は
    「いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どうのように」
    なんです。

    When(いつ)
    Where(どこで)
    Who(誰が)
    What(何を)
    Why(なぜ)
    How(どのように)

    「4W1D構文」にはなかった「なぜ(Why)」が、
    文章を書くときには、最も肝心なところなのです。
    ところが、ここをすっぽり忘れてしまうんです。


    事実だけでは文章にならない

    「私は大学で吹奏楽をしていた。しかし今はやっていない」
    という文を読めば、事実は伝わります。
    けれど、どこか物足りません。

    それは、読み手の頭の中に、
    「なぜ?」
    という疑問が残るからです。

    なぜ吹奏楽をしていたのか。
    なぜ今はやっていないのか。

    そこが見えないので、読み手の思考も止まってしまうのです。


    読者は無意識に質問している

    文章を読むときは、読みながら頭の中で常に質問しています。

    なぜそうなったのか。
    どうしてそう思ったのか。
    なぜその行動を取ったのか。

    こうした問いに答えてくれない文章は、説明不足だと感じます。

    ところが、
    「社会人になって練習する時間が取れなくなった」

    と、その理由を書くと、読み手は「なるほど」と抱えていた「なぜ?」が消えます。「なぜ?」が消えると安心できるのです。
    そして、文章を読み進めることができます。

    Whyがあると物語になる

    人は出来事より、その理由に興味を持ちます。

    転職した。
    引っ越した。
    会社を辞めた。
    本を書いた。

    それだけでは事実の報告です。
    しかし、
    なぜそうしたのか。
    を書くと物語になります。
    人は物語に引き込まれます。
    なぜなら、その理由の中にある人間らしさが光っているからです。

    「状況」「行動」「変化」

    僕はいつも
    「状況」
    「行動」
    「変化」
    を軸に、文章の流れを説明しています。

    ある状況がある。
    そこに行動が生まれる。
    すると変化が起きる。

    英語ができない。(状況)
    だから、英会話教室に通う。(行動)
    少し話せるようになったので、海外旅行で試してみる。すると、なんとか通じたので嬉しかった。(変化)
    さらに、この変化が次の状況となって、更なる行動を促し、次の変化を生む。

    文章とは、この流れを描くものです。
    実は、このループは、映画や小説などでも同じです。
    これまで見たり読んだりしたものを思い返して、考えてみてください。

    そして、その流れを支えているのがWhyです。
    なぜ行動したのか。
    なぜ変化が起きたのか。
    それを丁寧に書いていけば、文章は展開できます。


    未来の自分へ手紙を書く

    「未来のあなたへ」というテーマで、未来の自分へ手紙を書いてみと、
    状況、行動、変化
    を感じることができます。

    面白いのは、未来の自分に向けて書くことによって、今の自分を客観的に見られることです。

    いつも全力で取り組んでいる。
    細かなことも丁寧にやり遂げる。
    そんな自分の長所が見えてくる。

    文章を書くとは、自分を観察することでもあるのです。


    ストーリーはWhyから始まる


    私は文章を書くことはストーリーを描くことだと思っています。
    もちろん小説を書くという意味ではありません。

    自分がどんな人間なのか。
    何を大切にしているのか。
    なぜその選択をしたのか。
    それを言葉にすることです。

    プロフィール文も。
    エッセイも。
    企画書も。
    プレゼンも。
    実はすべてストーリーです。
    そしてストーリーの中心には必ずWhyがあります。


    「何をしたか」より「なぜしたか」

    文章が浅く感じるときがあります。
    そんなときは、
    「何をしたか」
    ばかりを書いていることが少なくありません。
    そんなときは自分に問いかけてみてください。

    なぜそうしたのだろう。
    なぜそう思ったのだろう。
    なぜそれを大切にしているのだろう。

    その答えを書き始めた瞬間、文章は中身が濃っていきます。


    今日のマジ文ポイント

    ・5W1Hで最も大切なのはWhyである
    ・読み手は常に「なぜ?」を探している
    ・Whyがあると文章が動き出す
    ・状況→行動→変化の流れを意識する
    ・ストーリーはWhyから生まれる

    参考書籍:前田安正著『マジ文章書けないんだけど』(大和書房)


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    「ことばを力に、文章を味方に」をミッションに、企業や自治体の広報紙の研修・コンサルタントなどのお手伝いをしています。ライティングセミナー「マジ文アカデミー」を開講。10万部超の『マジ文章書けないんだけど』など、著書累計30万部。公式LINE:https://x.gd/FtyjF

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