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Vol.25 「加熱式なら安心」は正しいか?

    「紙巻タバコは体に悪いけど、加熱式(電子タバコ)なら癌にならないんでしょう?」
    予防医学の現場で本当によく聞かれる質問です。

    これに対して、私はよく下記の返答をします。最初に断っておくと、これは私自身の発案ではなく、私もどこかで誰かに聞いたか、読んだかしたものなのですが、記憶が定かではなく出典が記せません。申し訳ございません。私のオリジナルでないことは記しておきます。

    「紙巻タバコが50階から飛び降りるとすれば、加熱式は10階から飛び降りるようなものです」

    ビルの50階から飛び降りれば命を落とします。確かに加熱式は有害物質が減っていて、ビルの10階から飛び降りるくらいの害に減っているかもしれない。しかし10階から飛び降りても・・・・結果は同じではないでしょうか。

    加熱式タバコに含まれる有害物質が少ないことは事実です。しかし、それによって「がんや心疾患のリスクが実際に下がるのか」という点は、現時点で科学的に証明されていません。

    一つには、がんの発生には数十年かかるからです。加熱式タバコが普及してまだ10年程度。本当のリスクが明らかになるのは20〜30年後かもしれません。今、加熱式を使っている方は、ある意味「壮大な人体実験」の被験者状態です。
    また、紙タバコは「1本」吸うだけで発がんリスクが非常に高まることが知られています。つまり発がんに導くために必要な有害物質の量と比較して紙巻タバコに入っている有害物質の量は極めて多いため、半分になろうが10分の1になろうが発がんすることには変わりない、という理論です。

    さらに、加熱式特有の有害物質も見つかっています。紙巻には少ない物質が高濃度で含まれているケースも報告されています。

    WHO(世界保健機関)も、加熱式タバコを「安全」とは認めていません。
    「少しでもマシな方を」という気持ちはわかります。でも、Well-beingを本気で目指すなら、エレベーターで地上(非喫煙)に降りる選択肢があります。

    またタバコの害には発がん物質と「ニコチン」がありますが、多くの加熱式たばこでは必ずしもニコチンの量は減らされておらず、むしろ紙タバコよりもニコチン含有量の多い製品もあります。

    加熱式タバコの健康リスクについては、現在も研究が蓄積されており、長期的なデータはまだ十分ではありません
    加熱式も含めてタバコ製品の吸入習慣そのものをやめることが最善であることは間違いありません。


    参考:
    WHO「Heated Tobacco Products (HTPs) information sheet」https://www.who.int/news-room/questions-and-answers/item/tobacco-heated-tobacco-products
    厚生労働省「加熱式タバコの健康影響に関する検討会報告書」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000131723.html

    *noteの記事の内容は筆者の個人としての見解です。筆者所属の医療機関の見解とは一切関係ありません。内容の正確性には細心の注意を払っておりますが、万が一不適切な内容がございましたらご指摘いただけましたら幸いです。

    #アルコール・タバコ #加熱式タバコ #電子タバコ #発がんリスク

     
    予防医療・睡眠の専門医。自分自身も重症の無呼吸でcpap治療を受けています。ヘルスリテラシーの向上、健康経営の推進を通じてWell-Beingな社会の実現に貢献したいと考えています。お問い合わせはhttps://forms.gle/VGqHBXM1pFapn7997まで。

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