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新しい本です!旅を愛するひとに

    今から約百年前にアルゼンチンのブエノスアイレスに渡り、ことばを紡ぎ表現することをあきらめなかった、明治生まれの女性の文章をまとめた本です。

    苦しくっても旅はやはり面白いものでございます

    発売記念として、1週間程度、予定販売価格の半額セールにしております。

    はじめに より

    数年前のある日、仕事を休んで南半球一周の船旅に出ることを突然決めました(理由は話せば長くなるのでいつかまた別の機会に)。それで、船の旅に関するいろいろな本を手に取っていたら、大正から戦前にかけて海を渡った人たちの実録を読むのにすっかりハマってしまいました。

    何か月もかけてヨーロッパや北南米へと船で旅をする人たちが書いた古い本を読み漁っていたら、思いがけなく、石井衣子の文章に出会ってしまったのです。

    確か最初は内田百閒や寺田寅彦、林芙美子など有名どころを読んでいたはずで、そこからどうやって彼女にたどりついたのかもう定かではないのですが、この人の書いた文章をもっと読みたい、と思い、彼女の残した文章をたどっていきました。

    約百日間の南極遊覧を含む船旅には、市河晴子や林芙美子の作品に加え、石井衣子の『五人の娘たち』などの写しを持参し、茫洋と広がる海にぽつんと浮かぶ船の上で、繰り返しその文章を味わいました。

    そうして、長い船旅から日常に戻ったあと、あらためて石井衣子の生きた時代背景を調べながら、彼女の文章を探してはひとつひとつ読んでいきました。
    この船旅で私自身が歩いた土地にはるか百年前に同じように船でやってきて、家族の暮らしを支えつつ丁寧に言葉で紡いでいった彼女の軌跡を、ゆっくりと辿り直してみたかったのです。

    石井衣子というひと

    石井衣子は、大正時代に家族とともに日本からアルゼンチンに渡り、生涯のほとんどを地球の裏側で生きた女性です。

    明治二十九年(一八九六年)に東京で生まれ、大正七年(一九一八年)、二十二歳の時に小さな娘二人を連れて、夫の待つブエノスアイレスへと海を渡りました。以来、何度かの一時帰国を挟みながらも、昭和三十五年(一九六〇年)に六十四歳で亡くなるまで、彼女の人生の舞台は南米アルゼンチンにありました。

    本書は、彼女が残した歌集『波にかたる』に収められた短歌と紀行文を中心に、生涯を通じて複数の雑誌に投稿された随筆の中から選び、一つにまとめたものです。

    また、それぞれの作品には「各篇によせて」として、当時の時代背景や彼女が歩んだ波乱の道のりを補足するものとして、私なりのささやかなメモを添えました。衣子の綴った豊かな文章をより深く味わい、彼女の隣で一緒に波風を受け、異国の空を見上げるための手助けになればよいと願います。

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    Marie

     
     
    英中韓ほか多言語学習者。いつも旅の中。 バレットジャーナル愛。自著→ https://amzn.to/3ianxhz 韓国・台湾・タイでも出版されました。 ブログにて、ほぼ毎日kindle洋書セール情報をお届け中。 Amazonアソシエイトに参加しています。

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