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Photo byjankenpon_gcp

もしも突然自治体にClaude Codeが入ったら

    久々の投稿ですが、最近Claude Codeがすごいですね。
    もういろんなことができて、エンジニアはもちろん非エンジニアにもとても有益なツールとなっています。
    そんなClaude Code(とMCP)が自治体に導入されたらどうなるのか?と、ふと思ったのでちょっと妄想してみました(笑)
    詳しいClaude Codeの説明はないので、Claude CodeのTips記事と勘違いして入ってきた方はTips記事を探してくださいね🙇


    これはとある小規模自治体にClaude Codeが導入されたらどうなるのか?を描いた物語。

    月曜の朝、何かPCの中にいる

    💻
    「……なんか変なのが出てる」

    総務課。
    佐々木係長(52歳)がPCを開いたら、デスクトップに黒い画面の中にオレンジの文字。

    Claude Code

    先週、首長が朝礼で「わが市もDXを推進する!」と宣言していた。拍手がまばらだった。

    その後なにか説明会があったらしい。佐々木係長は別の会議で出られなかった。そのまま週末が来て、月曜になったら入っていた。

    説明なし。マニュアルなし。引き継ぎなし。

    「……とりあえず声かけてみるか」

    佐々木係長は誰もいないのを確認してから、マイクに向かって小声で言った。

    「もしもし」

    画面にテキストが出た。

    はい。何かお手伝いできることはありますか?

    びっくりして椅子から少し浮いた。

    隣の田中さん(59歳)が「どうしたんですか」と振り返った。補助金業務歴30年のベテランだ。定年まであと1年。新しいものには基本的に興味がない。

    「いや、これ、返事するんですよ」

    「ふーん」

    田中さんは書類に戻った。

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    使い方がわからないので、そのまま聞いた

    しばらくして、佐々木係長はまたマイクに話しかけた。

    「あの……何ができるんですか」

    画面に出た。

    ざっくり言うと、話しかけてもらえれば大体なんでもやります。書類の作成、データの集計、調べもの、他のシステムとのデータ連携なども。まず何か困っていることはありますか?

    「じゃあ……今月の補助金の支出、財務会計のデータと突き合わせてほしいんですけど、いつもExcelで手作業でやってて、半日かかるんですよね」

    やります。両方のシステムに繋いでいいですか。

    「え、繋げるんですか」

    はい。導入時に設定されています。

    誰かがやってくれていたらしい。よくわからないが、ありがたい。

    「じゃあ、お願いします」

    3分後、画面に結果が出てきた。

    「……できてる」

    佐々木係長は少し黙った。

    毎月「うわあ」と言いながらやっていた半日仕事が、終わっていた。

    「じゃあこれ……起案書の下書きも作れたりします?」

    作ります。根拠、金額、相手方、理由を入れます。少々お待ちください。

    2分後、画面に下書きが出た。

    佐々木係長は一通り読んだ。金額も理由もちゃんと入っている。様式もうちの自治体のものだ。

    「……ほぼできてるな」

    でも、そのまま出すつもりはなかった。数字を一行ずつ確認して、理由の文言を少し直して、課長に回した。

    決裁を取るのは、人間の仕事だ。


    📝 MCPって何? 別々のシステムをClaude Codeがつなぐ仕組み。補助金管理システムと財務会計システムが別々でも、Claude Codeが橋渡しして一気にデータを処理できる。設定は最初に一回やれば、あとは話しかけるだけ。


    田中さんの「ちゃうちゃう!」が財産になる

    午後、若手の山田くん(26歳)が補助金の集計でつまずいた。

    田中さんに聞きに行ったら「ちょっと待って」と言われたまま電話に消えた。いつものことだ。

    山田くんはとりあえずClaude Codeに話しかけた。

    「農業振興補助金の集計、どうやるんですか」

    画面に手順が出てきた。一緒に確認しながら進めていたら、田中さんが電話を終えて戻ってきた。

    画面を一秒見て、言った。

    「ちゃうちゃう。それ農地転用3年以内のやつやろ。別で管理せなあかん。そこに足したらあかん」

    山田くんがそれをそのまま入力した。

    「農地転用の申請が3年以内の場合は別管理、ってことですよね」

    画面に出た。

    了解です。記録しました。以降このケースでは別管理で案内します。

    田中さんはまた書類に戻った。

    でもこの「ちゃうちゃう!」は、しっかり記録された。

    翌週、別の案件で山田くんがまた同じところで迷ったとき、画面に先に出ていた。

    農地転用の申請年数を確認してください。3年以内の場合は別管理です。

    山田くんは「あ、そうだ」と言った。

    田中さんは何もしていない。ただ先週ツッコんだだけだ。なのに、ちゃんと残っている。

    でも最終的に「これで合ってる」と判断したのは、山田くん自身だった。


    📝 Skillsって何? 業務の「やり方」を覚えていくファイル。マニュアルと違うのは、田中さんの「ちゃうちゃう!」みたいな現場の例外や判断ごと蓄積されるところ。誰かが意識して書かなくても、会話しながら勝手に育っていく。


    役場の「憲法」は、ぼやきながら作った

    ある日、佐々木係長がマイクにぼそっと言った。

    「個人情報、うっかり外に出したりしないよな……」

    画面に出た。

    しません。ただ、念のためルールとして書いておいてもらえると安心です。CLAUDE.mdというファイルに日本語で書くだけでいいです。「住民情報は外部に送らない」とか、そのくらいで十分です。

    「そんな簡単でいいの」

    佐々木係長はメモ帳を開いて、思いつくままに書いた。

    住民情報は外に出さない。
    公文書は決まった様式を使うこと。
    わからないことは勝手に判断しないで確認する。
    

    「こんなんでいい?」

    十分です。読み込みました。

    それだけで、Claude Codeの返答がなんとなく「うちの自治体っぽく」なった。

    数日後、山田くんが「あ、補助金の様式3種類あるって入れといたほうがよくないですか」と言い出して、一行追加した。

    その翌週、田中さんが「修繕費の扱い、間違えるやつ多いから書いとけ」と口を出してきた。

    気づいたら3人でじわじわ育てていた。


    📝 CLAUDE.mdって何? 「ここはどんな組織か」をClaude Codeに伝えるファイル。難しいことは何もない。日本語で箇条書きするだけ。書いた分だけ、Claude Codeがその組織らしく動くようになる。使いながら少しずつ育てるのが正解。


    議会の前、なぜかもう準備ができていた

    議会の定例会は、年4回ある。

    そのたびに総務課は大変だ。議員からの質問通告が来て、担当部署に照会して、答弁資料を作って、数字を揃えて、課長に確認して——という作業が一気に押し寄せる。毎回「また来た」という顔になる。

    ある定例会の2週間前。山田くんが出勤したら、画面にテキストが出ていた。

    定例会まで14日です。前回よく聞かれた項目の資料を準備しておきましょうか。補助金の執行状況、昨年度との比較、事業ごとの進捗あたりが多かったです。

    山田くんは固まった。

    「……自分で気づいたんですか」

    話しかけたら返ってきた。

    前回の定例会の準備パターンを覚えていたので。

    「じゃあ、お願いします」

    昼過ぎには、たたき台の資料ができていた。

    佐々木係長に見せたら「こんな早くできてるの初めてだな」と言った。そのまま課長に出したら「今回は余裕あるな」と言われた。

    山田くんは何もしていない。出勤したら、始まっていただけだ。

    ただ、資料の中身を確認して、数字に責任を持つのは山田くんだ。たたき台はClaude Codeが作る。判断は人間がする。


    📝 Hooksって何? 「定例会の2週間前になったら」「月末になったら」という条件を設定しておくと、Claude Codeが自動で動き出す仕組み。誰かが「やって」と言わなくても、タイミングを見て動いてくれる。「やっといて」すら言わなくていい、ということ。


    空いた時間で、本当にやりたかった仕事をした

    半日仕事が3分になり、議会資料が勝手に出てくるようになって——気づいたら、総務課に「余白」が生まれていた。

    佐々木係長は、その時間で久しぶりに住民相談の窓口に出た。

    以前は「担当者が対応中です」と言って待たせることも多かった。でも時間に余裕ができたら、ちゃんと話を聞けた。80代のおじいさんが補助金の申請書の書き方がわからなくて困っていた。一緒に記入した。

    「こういう対応、できてなかったなと思って」と佐々木係長は言った。

    山田くんは、現場調査に行けるようになった。

    この自治体は農村地帯が多い。補助金を申請している農家を実際に訪問して、状況を確認する作業は「大事だけど後回し」になりがちだった。デスクワークに追われていたからだ。

    現地に行ったら、申請書の内容と実態が食い違っているケースが2件見つかった。データだけ見ていたら気づかなかったことだ。

    田中さんは定年まで残り数ヶ月、初めて定時で帰れる日が続いた。

    「今まで何だったんですかね」と山田くんに言われた。

    田中さんはしばらく考えてから言った。

    「まあ、しょうがなかったんやろ、当時は」


    山田くん、コードを書き始める

    ある日の午後、山田くんがぽつりと言った。

    「なあ……補助金の申請書って、様式の記入ミス多いじゃないですか。提出前にチェックするやつ、作れたりします?」

    コードを書いたことは一度もない。でも聞いてみた。

    画面に出た。

    作れます。どんなチェックをしたいですか?

    「え、作れるんですか」

    「えーと……記入漏れと、金額の入力が数字じゃないときに弾くやつと、あと申請日が期限を過ぎてたら警告出るやつ」

    わかりました。作ります。少々お待ちください。

    5分後、ブラウザで動くチェックツールができていた。

    山田くんは試しに自分で入力してみた。金額欄に「三万円」と打ったら赤くなった。

    「お、ちゃんと動いてる」

    しばらく触っていたら、気になってきた。

    「このエラーメッセージ、『入力エラー』だけだとわかりにくいな。『半角数字で入力してください』にしてほしい」

    修正しました。

    「あとこの送信ボタン、もうちょっと目立つ色にしてほしい。今グレーで押す気しない」

    青にしました。他にありますか?

    「申請日の警告、もうちょっと大きい文字で出してほしい。見落としそうで」

    大きくしました。

    「あ、でも大きすぎる。もうちょっと小さく」

    調整しました。

    「……ちょうどいい。あとは——」

    佐々木係長が後ろから覗いてきた。

    「山田くん、何やってんの」

    「あ、申請書チェックツール作ってました」

    「……お前コード書けたっけ」

    「書いてないです」

    佐々木係長は少しの間画面を見ていた。

    「……動いてるな」

    「動いてます」

    翌週、このツールを窓口に置いた。住民が申請書を持ってきたとき、その場でチェックできるようになった。記入ミスによる差し戻しが、ぐっと減った。

    ツールが「大丈夫」と言っても、最後に受け付けるかどうかは職員が判断する。それは変わらない。

    田中さんが定時に帰り際、画面を一瞥した。

    「ええやん」

    山田くんにとって、それが一番うれしかった。


    📝 バイブコーディングって何? コードの知識がなくても、「こうしたい」を話しかけるだけでツールが作れること。細かい修正も「ここのボタンの色変えて」「このメッセージわかりにくい」で通じる。プログラマーじゃなくても、自分の業務に合ったツールを自分で作れる時代になってきた。


    田中さんからの引継ぎ

    12月末、田中さんの引継ぎが終わり、忘年会があった。

    乾杯して、寿司食べて、田中さんが「まあ、頑張ってください」と言って帰った。あっさりしていた。

    年明け。引き継ぎ後の初日、山田くんはとりあえずClaude Codeに話しかけた。

    「農業振興補助金の年度末処理、どうすれば……」

    画面に出た。

    田中さんが対応していた手順があります。年度末は特例の駆け込みが多いので、締め切りの3日前に中間集計を出して課長に先に確認を取るのが慣例でした。今年も同じ流れで進めますか?

    山田くんは田中さんから業務の話をちゃんと聞いたことがない。送別会でも「お疲れ様でした」しか言っていない。

    でも、田中さんが何ヶ月もかけてツッコんできた言葉が、全部残っていた。

    年度末の段取り。経理処理の区分けの感覚。議会答弁でよく聞かれるポイント。課長への根回しのタイミング。

    田中さんの判断の癖が、ここにある。

    山田くんはしばらく画面を見てから言った。

    「田中さんって、来年度からもちゃんといるじゃないですか」(終)


    📝 Memoryって何? Skillsが「やり方」を覚えるなら、Memoryは「なぜそうするのか」という背景ごと蓄積する。ベテランの判断の文脈が、組織の記憶になる。


    どうでしたか?
    もちろん現実には、LGWAN、権限設計、個人情報、既存システム連携、運用設計など壁は多く、現実問題厳しいところはあります。
    とはいえ、私は意外とやろうと思ったらできるかも(?)って書いてて思いましたが、皆さんはどう感じましたか??

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    人員不足を解消する技術は、もうそこまで来ている

    Claude Codeは、エンジニア向けのツールです。

    設定には知識がいる。初心者が一人で最初からセットアップするのは、ちょっと難しい。

    でも、使うときは話しかけるだけ。(たまにキーボードも使っていい)

    セットアップさえできてしまえば、佐々木係長でも、田中さんでも、山田くんでも、マイクに話しかけるだけで動く。返ってくるのは画面のテキストだ。難しいことは何もない。「もしもし」から始まってもいいと思う。

    日本の自治体の現状はシンプルだ。

    ベテランが去る。知識が消える。若手は足りない。引き継ぎは形だけ。システムはバラバラ。手作業が山積み。職員は本当にやりたい仕事——住民と向き合うこと、現場に出ること——をする時間がない。

    Claude Codeはそれに、こう答える。

    🏛️ CLAUDE.md → ぼやきながら作る、役場の憲法
    🗂️ Skills → 「ちゃうちゃう!」が組織の財産になる
    💭 Memory → 去ったベテランが、新人を助け続ける
    ⚙️ Hooks → 「やっといて」すら言わなくていい
    🔌 MCP → バラバラなシステムを、勝手につないでくれる

    そして田中さんの30年は、消えなかった。 山田くんは今日も、会ったことのない先輩に助けてもらいながら仕事をしている。 佐々木係長は今日も、窓口で住民の話を聞いている。

    人手不足を解消する技術は、もうそこまで来ています。


    この記事はClaude Codeの機能をもとに構成したフィクションです。
    筆者は自治体DXコンサルタントとして、現場で感じる課題と可能性をNoteに書いています。
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    Mark.n

     
     
    某インフラ会社の人、地方自治体などにDX提案しながら、地方の課題を技術で解決できないか自分の考えをつらつらと書き連ねるnoteです。

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