
嫉妬するほど絶妙なキャッチコピー。ずっと頭に残るには訳がある。
初めて広報という立場になったときのこと。日々キャッチコピーや伝えるための表現フレーズを考えていました。20代の前半…若くて柔軟なはずの脳みそが、逆に引き出しも厚みも何もなさ過ぎて、新しい言葉を紡ぎ出すにはとても苦労していた気がします。
「お、ねだん以上。ニトリ」に嫉妬
当時勤めていたのはスタートアップの「家具屋」さん。既に業界には全国に店舗を持つ大企業がひしめいていました。
そして、本店のごく近所には日本人なら聞いて知らない人はいない「お、ねだん以上。ニトリ」の大型店舗が…。いやでも目に入るし、来店客は比較をしていくのです。家具のコンセプトは違っても、高級家具の見た目とクオリティをデザイナーズ高級家具の半分の値段で買えることがウリだったので、どうしても値段のことをいいたのに、そこがどうも伝わらない。
チラシや交通広告、自社発信のためにあれやこれや、沢山の商品キャッチフレーズとお店のキャッチフレーズやタイトルを、それこそ1,000本ノックのようにして考えたけれど、どれも超すどころか、近づけた気すらしない。AIもないころに、よくもあんなに列挙したものだと思うのだけど、それでも、後に残るまで使えたものはなかった気がするんです。
コピーライターの勉強もしたことがなかった私は、とにかく他社のキャッチコピーを見ては、とにかく嫉妬していました。
その他にも…
ずっと頭に残るキャッチフレーズ集
ずっと頭に残る有名キャッチフレーズ集
「心も満タンに」 (コスモ石油): ガソリンを入れるだけじゃなくて、心まで満たしてくれるような、そんなサービスを目指しているんだなって伝わってきます。
「お口の恋人」 (ロッテ): 誰もが知る、ロッテの代名詞ですよね。口に入れた瞬間の喜びとか、愛される存在であることが、この短い言葉に詰まっている気がします。
「やめられない、とまらない」 (カルビーかっぱえびせん): かっぱえびせんの絶妙な味わいを表現していて、ついつい食べ続けてしまう魅力が、このフレーマで完璧に伝わります。
「そうだ 京都、行こう。」 (JR西日本): 京都への旅行を促す、インパクトのあるコピーです。日常から離れて、新しい体験を求める気持ちをくすぐられますよね。
「明日をもっとおいしく」 (明治): 明治製品の美味しさを表現しつつ、未来への期待感まで抱かせてくれるような、前向きなキャッチフレーズだなって思います。
「Intel inside」と「make it possible with canon」:シンプルさの中に光る自信
インテルのキャッチコピー「Intel inside」は、シンプルかつ秀逸。ほとんどのPCに入っているインテルの半導体。シンプルなコピーの中に、何世代にもわたってコンピュータ業界を牛耳って来た企業の自信がみなぎっています。
しかも日本語では「インテル、入ってる」と、って偶然にしてはできすぎな韻を踏んで意味までマッチしてしまっています。くーーー。
そして、かれこれ20年程経って、引き続き嫉妬しながらも、少しだけ大人になって、尊敬と癒しの含まれた良薬のような心持で眺めることができるようになった気がします。
☟「毎日読みたい365日の広告コピー」を読んで寝るあたり。