
3密なライブを再び
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あまり繁盛しなかったライブハウスをやっていた事があるので、人の居ないライブハウスは見慣れている。
だからというのもあって、この密閉された空間に誰とも密接に密集しない状態は大嫌いだ。
大嫌いなのだ。
昔ローディーという仕事で日本中のホールやライブフィールドを駆けずり回っていたことがあった。
移動、仕込みから始まる1日は過酷を極めていたが、いざ本番、立見満席のお客さんが上気し共に歌い、共に手を鳴らし満面の笑顔で跳ねたり、キラキラした目で涙する姿を見れば、この仕事のやり甲斐や意味が、体を覆う疲労感を軽々と乗り越えていくのを感じたものだ。
それこそがライブの、
音楽の真骨頂だろう。
何故このウイルスが今こんな仕打ちを人間にするかは、何となく察する事が出来るような人類の醜態もなきにしもあらずだが、本当のことはともあれ、
僕らはライブ会場であの大音量を浴びて日常の憂さや憂鬱をほんの2時間だけ吹き飛ばしたいと、グッとくる歌詞に遠慮なくポロポロと涙をこぼしてその歌声や演奏に酔いしれたいと思っているだけで、そんなささやかな願いさえも奪われた今、
いつかこの空間を人と音で超濃厚な密をギュウギュウに詰め込んでやりたい、人と肩が触れ合い遠慮なく叫びながらステージの光に手を伸ばしたいと願う。
空っぽのライブハウスを見るにつけ心からそう思う。
その為にもこの空間をなくしてはならない、残す努力をしなくてはと思う。
効果を考える前に、出来ることから。