
No.153|ISFJ(擁護者)女性に「本当は別のお店がよかった」と言われたら。遠慮を責めず、次のデートを一緒に選ぶには
「今日も楽しかったね」と話していた帰り道。
彼女が少しためらいながら、「実は、もう一つのお店も気になってたんだ」と言った。
そうだったのか、と初めて知る。
でも、予約する前には「どっちでも大丈夫」と言ってくれたはず。楽しんでもらいたくて調べた分だけ、少し寂しくなることもありますよね。
「それなら、先に言ってほしかった」
「次からは、全部こちらが察するしかないのかな」
ISFJ(擁護者)だと話している女性に惹かれ、あとから聞いた希望への返し方に迷っているあなたへ。
その一言を、今日のデート全体への不満と決める必要はありません。一方で、あなたが毎回隠れた希望を当てる役になる必要もありません。
今から知れることを聞き、次の選び方を少し変える。まだ交際していない二人にもできる、会話とLINE、誘い方を考えます。
第1章 「気を遣うタイプだから」で、理由を決めない
公式MBTIの提供元であるThe Myers-Briggs Companyは、ISFJ(擁護者に対応するタイプ)の関係性について、対立を避けようとする傾向を説明し、自分の気持ちを率直に伝えることを提案しています。[1]
相手に合わせる姿が思い浮かぶなら、今回の戸惑いを考える入口にはなります。ただし、その説明から「彼女は本音を隠す人」「このタイプの女性の『大丈夫』は信用できない」とは言えません。
予約した時点では、どちらもよかった。
当日行ってみて、静かな場所のほうが話しやすいと気づいた。
あなたが楽しみにしていたので、別の希望を出しにくかった。
単に、次はもう一つのお店にも行きたいと思った。
同じ一言にも、違う事情がありえます。
「もう一つも気になってたんだね。今日はお店が合わなかった感じ? それとも、次はそちらにも行ってみたい感じ?」
相手を問い詰めるためではなく、今話していることを知る質問です。「どちらとも少し違う」と返ってきたら、その説明を聞きましょう。
なお、「擁護者」は16Personalitiesの日本語呼称です。同サービスは独自のNERISモデルを用いており、公式MBTIと同じ検査ではありません。[2] 本稿では名称を併記しますが、タイプ解説を、女性全般の行動や好意を証明する研究として扱いません。
気遣いを想像することと、本人の言葉を聞くこと。その二つが食い違ったら、今目の前の彼女が話している内容から考え直せば大丈夫です。
第2章 あとから出た希望は、三つに分けて受け取る
返事に迷うときは、「今の感想」「選ぶときの遠慮」「次の希望」を分けてみましょう。これは会話を整理するための編集上の提案です。本人を分類する診断ではありません。
■ 今の感想が変わった場合
「行く前はよさそうだったけど、思ったより音が大きくて、話しにくかった」
こう言われたなら、「最初は賛成したよね」と、予約前の返事を持ち出す必要はありません。実際に行ったからこそ分かったことがあります。
「そうだったね。私も少し聞き取りにくかった。次は席の間隔や音の感じも見て選ぼうか」
あなたが気にならなかったなら、同じ感想を作らず、「私はそこまで気づかなかった。教えてくれてありがとう」と返せます。違いが分かったことを、次の情報にしましょう。
■ 選ぶときに遠慮した場合
「本当は和食の気分だったけど、あなたがパスタを楽しみにしていたから」
この場合は、気遣いを受け取りつつ、次には希望を出してもらいたいと伝えられます。
「合わせてくれたんだね。私は一緒に選びたいから、次は和食がいいって聞けるとうれしい。違う希望が出ても、相談して決めたいな」
「遠慮しないで」の一言で終わらせず、違う希望が出たあとにどうするかを示すのがポイントです。ただし、希望を聞くことと、すべて希望どおりにすることは別です。
あなたにも予算、苦手な食べ物、移動できる範囲があります。「私はこの値段までなら行ける」と伝えたうえで、二人で選べます。
■ 次に行きたい場所を話しただけの場合
「今日の店もよかったけど、もう一つのカフェも今度行きたいな」
これは、埋め合わせを求める言葉とは限りません。
「私も気になってた。次の候補にしようか」
と、未来の話として受け取れます。「今日の店選び、失敗だった?」と何度も確かめると、彼女があなたを安心させるための会話に変わってしまいます。
どの場面でも、一度聞いた答えをいったん受け取りましょう。笑っているか、返信が長いかを観察し続けて、「本当は違うはず」と追いかけなくてよいのです。
第3章 希望を言える関係は、二人でつくる
「何でも言って」と伝えたのに、また遠慮された。
そんなとき、自分の聞き方が悪いのだろうか、と一人で背負いすぎないでください。
言いやすくする工夫はできます。でも、相手の希望を言葉にする部分まで、あなたが代わることはできません。
Patrickらの三つの研究では、自律性、有能感、関係性という基本的な心理的欲求の充足と、個人や恋愛関係の良好さとの関連が検討されています。自律性には、自分の行動が強制されていないと感じられることが含まれます。[3]
これは、店の候補を増やせば恋愛が進むという実験ではありません。本稿では「相手とつながりながら、自分の希望も持てる」という視点の参考にします。
そのために、次の予定では二つを変えてみましょう。
一つ目は、店名より先に、その日の希望を出し合うこと。
「私は今日は落ち着いて話せるところがいいな。あなたは、食べたいものや避けたい場所はある?」
まだ知り合いの段階なら、休憩中の会話で「外食するとき、料理と店の雰囲気なら、どちらを気にする?」と聞くところからでも構いません。答えを永久の好みとして覚えるのではなく、その人を知る入口にします。
二つ目は、決める前に考え直せる時間を残すこと。
「候補を二つ送るね。私は明日の夜に予約するつもりだから、それまでに気になるところがあったら教えて。両方違うなら、別の案でも大丈夫」
明日の夜は予約の都合を示す一例です。好意や本音の提出期限ではありません。彼女に検討する余裕がなければ、予約を急がない予定に変える方法もあります。
■ 「本当はどう?」を繰り返さない
相手が「どちらも好きだから、今回はそちらにしよう」と言ったなら、その選択も尊重します。
希望を言える関係とは、毎回強いこだわりを発表する関係ではありません。「今回は任せたい」「まだ分からない」も答えです。
あとで違う感想が出ても、「前の返事は全部嘘だった」と広げず、その都度必要な調整をする。あなたも「実際に行ったら、少し疲れた」と言ってよいのです。
第4章 LINE例5つ。責めずに聞き、自分の困りごとも伝える
以下の例文とデート案は、恋愛MBTI研究室が作成した応用提案です。実際の相談事例や、効果を検証した台本ではありません。私的な連絡ができる関係で、今の場面に合う一通を使ってください。
【LINE例1 帰宅後、あとから聞いた希望に返す】
「今日はありがとう。もう一つのお店も気になってたんだね。どんなところに惹かれたのか、次に話すとき聞いてみたい」
次の候補を話していると分かった場面の文面です。「でも今日も楽しかったよね?」と感想の訂正を求めず、彼女が関心を持ったものに話を向けます。
【LINE例2 遠慮していたと本人が話したとき】
「私が楽しみにしていたから言いにくかったんだね。次は、違う希望も聞いて一緒に決めたい。私も行ける範囲や予算は伝えるね」
「次は絶対に我慢させない」と、自分にできない約束をしなくても大丈夫です。あなた自身の条件も出すと伝えることで、一方だけを満足させる役割から離れられます。
【LINE例3 まだ予約前で、変更できるとき】
「まだ予約していないから、候補を変えられるよ。和食なら私は駅前のお店が気になる。あなたの候補も含めて、予算を見ながら決めない?」
言い直しに実際に対応できる場合の例です。「言っていい」と言うだけでなく、相談する行動につなげます。
【LINE例4 予約後で、簡単に変えられないとき】
「行きたい店を教えてくれてありがとう。今のお店は予約済みだから、変更できるか確認してから相談したい。難しければ今回は予定どおりにするか、どうするか一緒に考えよう」
条件を確認する前に、無料で取り消せるとは決めません。変更料などがあるなら金額を共有し、どうするかを二人で相談します。どちらが負担するかも、一方だけで決定しないようにしましょう。
【LINE例5 後出しの不満が続いて、自分も困っているとき】
「希望を教えてもらえるのはうれしい。ただ、毎回終わってから選び方を責められると、私も誘いにくくなる。分かっている希望は予約前に出し合って、行ってから分かったことは次に生かす形にしたい」
これは、一度の打ち明け話に使う文面ではありません。「どうして分かってくれないの」と責められることが続く場合の例です。彼女の希望を聞くことと、知らなかった希望の責任まで引き受けることを分けています。
あなたが先に「もう決めたから」と希望を遮っていたなら、そこは自分から認めましょう。「前に話を止めてしまってごめん。今回は決める前に聞きたい」と、実際にしたことについて謝れます。
第5章 次のデートを、埋め合わせの試験にしない
希望を聞いたあと、「今度こそ完璧な店を選ばなくては」と思うかもしれません。でも、次の一日は、あなたの気遣いを審査してもらう場ではありません。
二人とも会いたい気持ちがあるなら、次のような予定にできます。
【デート案1 本人が気になっていた店で、短いランチ】
「話してくれた和食のお店、私も行ってみたい。来週の日曜、二人でランチはどう? 午後は用事があるから、13時半くらいまでならゆっくりできるよ」
前向きな返事が来たら、メニューや予算を一緒に確認します。彼女の候補を選んだからといって、「今度は文句なしだね」と言わないこと。実際に行った感想は、また違ってよいのです。
【デート案2 お茶をしながら、次に行きたい場所を話す】
「次は駅前で一時間くらいお茶しない? 行きたいお店の話も聞きたいし、最近のことも話したい」
候補を一度に決めることが負担なら、まず会話を楽しむ予定にします。店選びの反省会だけにせず、仕事や趣味など、二人が話したい話題も大事にしてください。
まだ二人で会うことに同意を得ていない場合は、「どの店にする?」より先に「二人で会わない?」と誘います。希望を話してくれたことが、そのままデートの承諾になるわけではありません。
■ 好意は、「本音を言ってくれたから脈あり」と推測せず伝える
遠慮していたことを話してもらえると、信頼が深まったように感じることもあるでしょう。そのうれしさは持っていて大丈夫です。ただ、本音を話すことは、友人同士でも起こります。
何度か会い、あなたが恋愛として進みたいなら、自分の気持ちとして言えます。
「一緒に話していると、もっとあなたのことを知りたいと思う。私は恋愛として気になっているんだ。次はデートとして会ってもらえたらうれしい」
「あなたの希望を聞いてあげたから」と、配慮を交換条件にしないこと。友達として会っていたと言われたら、その返事を受け取ります。友人として続けるのがつらければ、少し距離を取っても構いません。
第6章 言い直せることと、察し続けることは違う
あとから希望を聞くと、過去の「楽しかった」まで疑いたくなることがあります。
でも、「一緒に過ごせてうれしかった」と「お店は少し騒がしかった」は両立します。よかったことが残ったまま、次に変えたいことも話せます。
目指したいのは、一度決めたら何も言えない関係でも、あなたが毎回正解を探す関係でもありません。言える範囲で希望を出し合い、決めたあとに分かったことも扱える関係です。
次の誘いを送る前に、六つだけ確かめてみてください。
□ 1 タイプ名から理由を決めず、本人が何を伝えたいのか聞いた。
□ 2 今日の感想と、予約前の遠慮と、次の希望を混同していない。
□ 3 彼女の希望と同じように、自分の予算や都合も伝えられる。
□ 4 「どちらでもいい」という本人の選択も尊重できる。
□ 5 予約の変更は、実際の条件を確認してから相談する。
□ 6 配慮へのお返しとして、恋愛の返事を求めていない。
全部を一度に変えなくても大丈夫です。
「言ってくれてありがとう。次は決める前に、お互いの希望を一つずつ出してみようか」
その一言から、始められます。
彼女の気遣いに惹かれたあなたにも、気を遣われるだけでなく、自分の希望を聞いてもらう時間があっていい。遠慮に気づいた日を、失敗の答え合わせで終わらせず、次の二人の選び方を知る日にしていきましょう。
恋愛MBTI研究室
参考資料
[1] The Myers-Briggs Company/MBTIonline(公開年記載なし). ISFJs and relationships.
https://www.mbtionline.com/mbti-types/isfj/relationships
公式MBTI提供元の関係性解説。対立の回避や、気持ちを率直に伝えることについての説明を参照。タイプや性別から個人の本音を判定する実証資料ではない。
[2] NERIS Analytics Limited/16Personalities(公開年記載なし). Our Framework.
https://www.16personalities.com/articles/our-theory
公式MBTIとは異なる独自のNERISモデルの説明。「擁護者」は同サービスの日本語呼称。本稿では同サービスの自己申告調査を、恋愛アプローチの効果の根拠に使用していない。
[3] Patrick, H., Knee, C. R., Canevello, A., & Lonsbary, C.(2007). The role of need fulfillment in relationship functioning and well-being: A self-determination theory perspective. Journal of Personality and Social Psychology, 92(3), 434–457.
https://doi.org/10.1037/0022-3514.92.3.434
著者抄録:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17352602/
心理的欲求の充足と個人・恋愛関係の良好さを検討した三研究。特定タイプの女性、店選び、本稿の例文の効果を検証した研究ではない。