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📖今年の振り返り〜ルリの場合│追憶のオリジン〜氷の女王の眠る街

    こちらは、追憶のオリジン〜氷の女王の眠る街〜の登場人物、ルリが、今年一年を振り返った文章です。
    ●本編の第四章(ルリとの出会い)はこちら→
    ●ルリのプロフィールはこちら→


    今年一年を振り返って

    ―ルリ・ヴァリス


     年の終わりを迎えた今、今年一年を一言で表すなら、それは私にとって「目覚め」の年だったと言えるでしょう。

     今年の夏まで、私の世界はヴァリスという小さな町の、歪んだ石畳の上にしかありませんでした。
    人々に歌を届け、傷を癒やし、「町の光」として愛される日々。
    それはそれで満ち足りたものでしたが、心のどこかでは常に確信していました。
    私の力は、もっと広い場所で、もっと大きな運命を変えるためにあるはずだ、と。

     転機は、旅の仲間たちとの出会いでした。
    彼らと共に町を出たとき、私は生まれて初めて「自由」の本当の意味を知りました。
    自分の足で歩き、自分の目で世界を見、自分の意志で運命を選択する。
    私の持つ力が外の世界でも通用すると分かったとき、その高揚感は何物にも代えがたいものでした。

     けれど、旅の途中で、私は一つの大きな試練に直面しました。
    それは「価値観の相違」という、抗いがたい壁です。
    私は、この世界を覆う冷気と瘴気、その災いの元凶である「女王」を倒すことを提案しました。根本から世界に光を与えたいと考えたのです。
    しかし、共に歩んできた仲間たちは、あろうことか女王を「助ける」という、私には理解しきれない、「救済」という選択をしました。
    何百年も変わらない停滞した世界の王を、そのまま据え置くことに何の意味があるのでしょう。
    世界の人々を苦しめるこの環境を前にして、私には、女王は交代するべき存在にしか見えませんでした。

     一時は、私の正しさが理解されないことに戸惑いも感じました。けれど、私は気づいたのです。他人に足並みを揃えて、自分の志を曇らせる必要はないのだと。
    思い返せば、それはヴァリスを出たときの純粋な動機でもありました。
    彼らの感傷に付き合っていては、いつまでも世界は変わりません。成し得る力を持つ者が、より現実的な方法を実行すべきなのです。

     今はイオフィリアと共に、ラーフェの街を目指しています。
    私の声で、私の歌で、真実を語れば、人々はきっと私の判断を支持し、喜んで協力してくれるでしょう。
    誰だってこの不条理な世界を終わらせたいはずですから。

     年明けには、イオフィリアとラーフェの人々と共に氷山を目指すつもりです。
    誰かが立ち上がらなければ、状況は何も変わらない。それを私は、自身の行動で示すつもりです。

     この年は、私にとって大きな転機であり、経験を得た年でした。
    すべてを完璧に描いていたつもりでも、世の中にはコントロールできないこともあるのだと知りました。
    そして何より、「自分が一歩を踏み出すこと」の大切さに気づけたこと。それこそが、今年最大の収穫でした。

     来年、私は世界に新しい光を届けたい。その目標に向かって、今の私の歩みに、迷いはありません。



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    ノーレムの地図
    タトの書込み付き✒️


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    後記:彼女の心情を、なんとなくテーマに沿って書いてみました。皆様の一年はどのような日々だったでしょうか。
    私にとっては、少し試練の年でした。でも、おかげでこうして創作に挑戦することができました。一日は、毎日同じ長さです。ゆく年くる年も、いつも通り、地球の自転に身を委ねるように過ごせたらと思います。

    🌕️*moon*


    ◯本編はこちら


    ◯設定資料・サイドストーリーはこちら



    #今年の振り返り


     
     
    ぼんやりと生きています。心に湧いたお話は『ナルニア国物語』を思わせる、「児童文学ファンタジー」をちょっぴりと目指しています。 ◆note: 長編小説「追憶のオリジン」(全話公開中)イラスト 短編/短歌/自由詩/エッセイ ◆tales: 「追憶のオリジン(改訂版)」「読み切り」

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