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ちょいちょい書くかもしれない日記(1日がいつの間にか終わる)

    今日は朝から予定がある。寝過ごしてはいけないと思った途端に、眠気があるのにあと一歩踏み込めないという最悪の事態に陥った。
    いつものことだ。
    結局、寝入ったのはあたりが明るくなってから。諦めて途中で資源ゴミを出したりもした。
    濡らしたくない回収品目だったので、この雨続きでは出せないなと思っていたら、昨夜で雨がピタリとやんで、奇跡的に晴れた! 出せた! 
    便秘解消くらいのスッキリ感である。便秘の経験がないので実はよくわからないのだが、想像でそんな感じだろうと。

    今日は朝から夕方近くまで、Audible収録の遠隔立ち合い。
    かつては東京のスタジオまで行かねば立ち合いができなかったので、この遠隔システム、本当に助かる。
    拙著を音源化するときには、必ず立ち会わせて貰うことにしている。Audibleは長丁場ゆえ、初回だけだが。
    かつては、自腹で東京まで行っていた。
    ドラマCDなんて、作家が貰えるお金はお小遣いくらいなので、毎度、大赤字である。それでも、自著に責任を持ちたいので、必ず行くことにしていた。
    何故かは知らないが、わざわざ作家の前で著作を小馬鹿にする音響監督もいたし、制作会社のゴリ押しに対して、何故か作家に八つ当たりをしてくる声優もいたし(同情せざるを得ない状況ではあったが)、いちいち立ち会うのは声優とお近づきになりたいからでしょと勘ぐられることもあった。
    別に、立ち会ったから演者と仲良くなるわけではない。というか、挨拶と仕事上の情報交換・質疑応答以外、特に話はしない。
    そうでない作家もいるのかもしれないが、私は仕事で来ているので、仕事をする。それだけだ。先方もそうだろうと思う。
    私が立ち会うのは、ただ、著者としてその場にいるためだ。
    音響監督と演者が疑問に思ったこと、迷ったこと、もっと情報を得てイメージを掴みたいこと。
    そういうことの多くは、そこに著者がいればたちどころに解決する。
    声の調子や語り口、地の文と会話文の読み分けの加減。朗読ならば、最初にそのあたりのイメージのすりあわせをしておけば、演者が少しなりとも心やすく仕事をすることができるだろう。
    そのために、私は収録現場にいる。演出は音響監督の仕事だ。私は、求められるまで口を出さない。今日も、ほとんど音声はミュートしていた。
    正直言って、今日の現場は、これまでで指折りに楽しかった。
    サンプルを聞いてそう感じたのでお願いしたのだが、演者さんと私の声質が似ていて、ついでに言うと芸風もだいぶ被っている気配。
    色んなところで選択肢が私と共通していて、安心してこのあともお任せできると確信した。
    そして、ディレクションサイドが、演者になるべく負担をかけない進行、陽気でソフトな演出を徹底していて、それが物凄くよかった。お若い方々であったが、本当に素晴らしかった。
    おかげで、10時から15時半くらいまでの長い収録立ち合いが、まったく苦にならなかった。むしろ、知らん間に夕方になっていた。
    そして、本当にこの場にいてよかったな! と心から確信できるほど、色んなイメージの擦り合わせができた。
    ちゃんと著者の仕事をさせていただけた。本当にありがたいことであった。

    というのも過去に1作だけ、音源制作の条件として立ち合いを最初に強くお願いし、了承を得ていたにもかかわらず、気がついたら収録が終わっていたという作品があったのだ。
    結果、当然ながらあちこちに、それこそ無数の小さな違和感が潜む仕上がりとなった。ここを直してくれれば大丈夫、とリテーク希望を出せるようなものではない。もうどうしようもない。
    とはいえそうした違和感は私だけのもので、音源自体は、演者さんたちの実力でとても聴きやすい、よき作品に仕上がっていると思う。それがせめてもの救いだ。
    ただその作品だけは、いつまでもどこまでも、私が与り知らぬ、拙著の派生物である。そのことを、ずっと悲しく申し訳なく思っている。
    今日の音源は、きっといい仕上がりになる。通しで聴かせていただくのを楽しみにしていよう。

    夜は約束どおり鮭を蒸し、長男猫ががふがふと大喜びで食べた。
    学校デスマ中はお留守番に励み、猫家族と家を頼もしく守ってくれているので、ご褒美である。
    大満足で寝ている長男猫は、たいそうでっかくて可愛い。
    今週はやることが多い。気を抜かずに1つずつ片付けていこう。

    よかったら耳でもお楽しみください! 聴きやすい、よきお声です。

     
     
    猫に仕えたり、専門学校で解剖学や法医学、公衆衛生学を教えたり、たまに医師のお仕事も。メインのお仕事は小説家です。「祖母姫、ロンドンへ行く!」(小学館)、「最後の晩ごはんシリーズ」(角川文庫)、「鬼籍通覧シリーズ」(講談社文庫)、「時をかける眼鏡」(集英社オレンジ文庫)など。