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もしもサウナに論語の『やり過ぎもやらな過ぎもよくない』を加えたら?

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    ✅ 【やり過ぎもやらな過ぎもよくない】

    過ぎたるは猶お及ばざるがごとし。

    やり過ぎはよくない。やらな過ぎもよくない。 けれども、やり過ぎるよりはやらな過ぎるほうが、規範を破っていないだけ、まだマシだ。

    (先進第十一/269)

    引用:超訳 論語 「人生巧者」はみな孔子に学ぶ/出版社:三笠書房/著者:田口佳史

    【恐らくこうなる】

    暑い…
    体がソフトクリームのようにぐにゃぐにゃに溶けそうだ…

    気温37℃。
    地球は微熱状態の中、庭で草むしりをしていた。
    草がボーボーに育っていて、俺の心は「面倒くさい」の気持ちが育っていった。

    1時間の草むしりが終わり、庭のベンチに腰掛けOS-1を飲んだ。
    喉がゴクゴクッと上下に激しくピストンのように動く。

    (最近、サウナ行ってないなぁ…)
    仕事を辞めたから東京に行くことがなくなった。
    あの気持ちいい汗をかきたい…

    渦巻きのような雲を眺めた後、俺はふと左にある、エンジンが壊れ、修理を待ち望む白いワゴンRに目を向けた。

    (あっ!そうか!!)

    今日は妻と息子がいない。
    チャンスだ。
    俺は、洗面所からサウナ道具を一式持ち、緑の短パンの水着を履いた。

    周りに誰もいないことを確認し、車のドアを開けた。
    そして、車内の異様な温度が俺を興奮させた。

    俺は後部座席に座った。
    トマトの形をしたキッチンタイマーを10分セットし、腕を組んであぐらをかき、背筋をまっすぐに伸ばした。

    汗がすごい。
    滝のように流れる。
    ナイアガラか、はたまたマーライオンの口から流れる水のようか。

    すごい。
    すごいぞ。
    車内サウナ。

    ジリリリリ〜
    10分経った。
    俺は車のドアを開け外に出た。

    「風が気持ちいい!」
    南から吹いてくる風が俺を癒しへと導いた。
    至極の整いのために、庭の洗面台に設置されたカインズのホースで頭から水を浴びた。

    「整いました」
    大の字に両手を広げ、高らかに空に向かって言い放ち、ベンチでOS-1を飲んだ。

    最高だ。
    こんな身近にサウナがあるって何で早く気付かなかったんだろう。

    静かな時間がそっと流れていた。

    ベンチに残り僅かな命を謳歌する蝉の声が耳に届いた。
    田んぼ道では自転車の軋んだチェーン音を響かせる老人がいた。
    風が気持ち良くて空を見上げたら、青空の中に定規で真っ直ぐ引かれたような飛行機雲が見えた。

    「よし!」
    十分整い、再び車へと向かった。
    今度は運転席に座り、タイマーは欲張って15分にした。

    再び汗が滝のように流れ出る。
    気持ちいい!
    最高だ!

    ジリリリリ〜
    タイマーが鳴った!

    さぁ!
    外に出よう!!

    ガチャガチャ
    「あれ…ドアが開かない…」

    俺はパニックになった。
    「なんでだ!何で開かない!!」

    何度も何度もドアノブを引いたが、開かない。

    ブレーキペダルを踏んで、エンジンスタートボタンを高橋名人のように連打した。

    だが、やはりエンジンは起動しない。
    「くそっ❗️くそっっ❗️❗️」
    俺は苛立ちと愚かなことをした自分への戒めを込めて、ハンドルをバンバンッと叩いた。

    やがてそんな気力もなくなり、シートにもたれかかった。

    (マズイ…)
    それから30分が経過し、意識が遠のいてきた。
    笑顔の妻と息子の顔が脳裏に浮かんだ。

    (あぁ…昭子、悟……)

    ドンドンドンドン!
    「パパ!パパッ!!」

    昭子がすごい表情で、運転席の窓ガラスを叩いていた。

    隣には無精髭を生やした作業服の男性が立っていた。

    作業服の男性は俺の虚ろな表情を確認すると、すぐにしゃがみ込み、カチャカチャと鍵穴やドアをいじる音を響かせた。

    ガチャ
    やがて車のドアが開いた。

    「パパぁ〜!」
    5歳になったばかりの悟が、汗だくで運転席に座っていた俺に抱きついてきた。

    「あなた!一体何をやっているの!!」
    車内をサウナにしていたと言ったら、当然のごとく怒られた。

    やり過ぎた…
    俺は3人に迷惑をかけたことを謝罪し、自宅へ戻った。

    裸のままキッチンで充分に水分補給をして、そのまま風呂場へと向かった。

    (こんなことになるならサウナに行けば良かった)
    (めっちゃ楽しかった)

    この2つの想いがぐるぐる俺の中を駆け巡り、冷たいシャワーを浴びた。


    🅿️やり過ぎもやらな過ぎもよくありません。

    誰しも自分の丁度良さがあります。
    その中で楽しむのが一番です。

    やり過ぎてもやらな過ぎても整わない。
    楽しむなら身の丈に合ったことが一番。

    もしもサウナに論語の『やり過ぎもやらな過ぎもよくない』を加えたら、恐らくこうなる。

    参考文献
    ↓↓↓


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    この度は、最後までご覧頂き、誠にありがとうございました。

     
     
    Kindleデビュー作から3冊連続1位|note累計370万インプ。2025年12月作家とて独立。群像新人賞に挑戦。 ありのままの等身大で素直に実話を描いています。

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