
空に感情があるなら耳を傾けたい
もしも、雷に心があったなら。
今日は1日、家でゆっくり過ごしていた。
外では激しく雷が鳴り、
大雨が窓をたたいている。
天気のせいか頭が少し重くて、
いつも手元にある携帯電話からも
そっと距離を置いていた。
そんななにもしない時間に、ふと思った。
雷は空のどこで、
どんな気持ちを抱えて鳴っているのだろう。
もちろん雷に感情がないことはわかっている。
それでも、もし心があったなら
あの大きな音にはどんな想いが
込められているのだろう。
低くお腹に響く音もあれば、
空をすっと切り裂くような鋭い音もある。
遠くでつぶやくように鳴るものもあれば、
すぐそばで地面ごと揺らすものもある。
それは、人の心によく似ている気がした。
穏やかに凪いだ日もあれば、
どうしようもなく波立つ日もある。
雷も、空にたまった想いを、
ときどき声にしているのかもしれない。
もし話ができるなら、聞いてみたい。
今日はどうしてそんなに
大きな声で鳴いているの?と。
そういえば小さい頃、大人たちによく言われた。
「雷さんが怒ってるよ〜」
幼いわたしはその言葉をまっすぐ受け取って、
雷は怒っているもの、
だから怖いものだと思っていた。
今でも突然の大きな音にはびくっとしてしまう。
だけど、昔ほど怖くはない。
人って不思議だ。
同じものを見ていても、
年齢や経験を重ねるうちに
感じ方がそっと変わっていく。
人は、目に見えないものに
意味を見つけたくなる生きもの。
雲の形になにかを重ね、風の音に季節を感じ
雨音に寂しさや安らぎを覚える。
本当はなんの意味もなくても、
自分なりの意味をそっと添えると見慣れた
景色が少しだけやさしい色に見えてくる。
何気ない毎日の中にふと立ち止まる
時間があってもいい。
答えの出ない問いを
答えのないまま味わってみる。
雷の音を聞きながらそんなことを考えた1日だった。