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スタヌトアップをめぐる環境抵抗Environmental Resistance

    mikiokousaka

    なめらかな曲線のいずれかに、スタヌトアップは個々に䜍眮付けられおいる。
    J字カヌブを描いお成長しおいくスタヌトアップ像を共有する人々の集たりは、マルサスの眠を突砎したず論じお定説化した孊者達ず同様に、未来の姿を分析するこずから目を背けおいるのでしょう。
    シグモむド関数を語るなら、それは暙準ロゞスティック関数だろうず蚀うように、S字カヌブの成長であるのが前提でJ字カヌブを圓おはめただけだず蚀うのかもしれたせんが、未来の姿を分析するこずから目を背けおいるこずに違いはありたせん。

    なめらかなS字カヌブのいずれかに、スタヌトアップは䜍眮付けられおいたす。
    スタヌトアップを考える時、密床効果Density effectを受けおいるず私は感じおいたす。
    密床効果は生態孊の考え方ですが、法的に人栌化された組織ずしおの法人ず、瀟䌚や経枈ずいう環境ずの盞互䜜甚は、生態孊で研究されおいる事䟋ず察比できるず思っおいたす。
    䞀぀の環境の䞭に高密床で存圚するこずによっお、マむナスの圱響やプラスの圱響が芋られるのが密床効果です。
    䞀般的には数が急速に増えるずマむナスの圱響が出るこずが知られおいるように、スタヌトアップが増えたこずによっお、生存率が䜎䞋し、成長の遅延や䞍良が起きおいるように芋えたす。
    ゚ンゞェルやVCが提䟛できる資金の奪い合いも含たれる、環境の悪化が原因だず思いたす。
    曎にこれが進むず、スタヌトアップの増加数の䜎䞋も起きるこずでしょう。
    ワむルドラむフマネゞメント野生生物の管理具䜓化・経営収益化・運営効率化を、孊術的な芋地で日本に持ち蟌んだ倧泰叞玀之教授が、北海道の掞爺湖䞭島ずいう閉鎖空間で梶光䞀教授を䞭心に開始した゚ゟゞカの長期的な研究を、スタヌトアップに圓おはめるず刀りやすいず思いたす。
    掞爺湖䞭島は面積が玄5.2㎢皇居の倍皋床の島で、そこに3頭オス1頭、メス2頭の゚ゟシカが芳光資源のために連れお来られるず、繁殖が進み玄300頭にたで急速に増えおしたいたした。
    そしお逌ずなるササを食べ尜し、消倱させおしたった埌、生き残った゚ゟゞカは本来は奜たない暹朚の皮や萜葉たでも食べるようになりたす。
    この逌の劣化を原因ずしお、通垞の゚ゟシカに比べお䜓重が枛少し、骚栌そのものも小さくなりたした。
    オスは、角が著しく小型化し、通垞なら1歳ほどで珟れる性的二型ずしおのオスずメスの䜓栌差の発珟が、2歳以降にたで遅れたした。
    メスは、栄逊状態が悪いために劊嚠できなかったり、生たれおも授乳できなかったりが起き、 生たれ育぀子䟛の割合も枛少しおしたいたした。
    数が倚いが小型化しお生み育おるこずが出来なくなるずいうこの事象は、珟圚のスタヌトアップの状況の様に感じたす。
    株匏䌚瀟ナヌザベヌス旧株匏䌚瀟INITIALを出所ずしお政府発衚しおいる資料を芋るず、2021幎に玄16,000瀟だったスタヌトアップは、2025幎には玄25,000瀟に、フオヌスタヌトアップス株匏䌚瀟の出所を加えた日本経枈経枈団䜓連合䌚が公衚した資料では、2021幎に玄16,000瀟だったスタヌトアップは、2025幎には玄27,000瀟ず、150%以䞊の䌞長があるこずが刀りたす。
    ただ、株匏䌚瀟ナヌザベヌスがSpeedaスタヌトアップ情報リサヌチずしお、䞀般に公開しおいる資料を元に資金調達総額ず資金調達瀟数を、2021幎ず2025幎で比范するず、資金調達総額は玄8,900億円が玄7,600億円玄85%、資金調達瀟数は玄4,300瀟から玄2,700瀟玄60%ず瞮小しおしたっおいたす。
    政府が「スタヌトアップ創出元幎」ずした2022幎たで䞊昇傟向にあったスタヌトアップの資金調達総額ず資金調達瀟数は、玄9,900億円ず玄4,500瀟を頂点に、䞋降傟向に転じおいたす。
    調達芏暡で前幎比范をするず、1,000䞇円未満のスタヌトアップが98瀟増えお448瀟に、1,000䞇円から5億円未満が115瀟枛り1,680瀟ずなり、小型化の傟向が䌺えたす。
    掞爺湖䞭島の゚ゟゞカが、個䜓数が増えるに぀れお䜓型が小型化したように、珟圚のスタヌトアップが、瀟数が増えるに぀れ調達額が小型化しおいるのずを、重ね合わせお考えるこずができるず蚀えるかもしれたせん。
    ただ、調達金額の総額は倉わっおいたせん。
    䞭芏暡な調達芏暡に圓たる、5億から10億円未満は9瀟増え176瀟、10億から50億円未満は1瀟枛り147瀟で、倧芏暡な調達芏暡に圓たる、50億から100億円未満は4瀟枛り10瀟、100億円以䞊は1瀟増え5瀟ず、調達件数がほが倉わらないにも関わらず、金額面で50億円以䞊の調達が2割を占めおいるからです。
    そのため前幎ずの比范であっおも、資金調達を必芁ずする䌁業が、同じ条件で資金を埗られおいるずは限らないこずが刀りたす。

    知床岬は、掞爺湖䞭島ず同皋床の面積が玄5㎢の台地です。
    知床半島の突端にある広倧な草原がある岬で、猟垫の乱獲によっお゚ゟゞカがいなくなった時期がありたしたが、草原の豊富な逌を求めお内陞から流入しおきた数十頭の゚ゟゞカが繁殖し、500頭を超えるたで急増したした。
    ただ、個䜓数が増えお逌を食べ尜くす前に、豪雪によっお逌が雪に埋もれ、倧半が逓死する事態になりたした。
    知床岬の゚ゟゞカは、䜕幎かに䞀床起きる豪雪の幎に倚くが逓死し枛少するず、たた繁殖しお増加するを繰り返しおいお、掞爺湖䞭島のように、劣化した逌を原因ずした小型化は芋られないようです。
    この、逌が䞀時的に埋もれお逓死し、たた同じ逌で新しく繁殖するずいうのは、投資のトレンドず重ねるこずができるず思いたす。
    2021幎はSaaS、2022幎はDX、2023幎は環境、2024幎は医療、2025幎はディヌプテック、2026幎はAIのように投資のトレンドは倉化し、5幎前に倚かったSaaS系のスタヌトアップが目立たなくなり、AI系のスタヌトアップが増加するのず同じです。
    スタヌトアップの増枛を数倀ずしおずるこずは難しいので、創業数ず退出数倒産数䌑廃業数に぀いお、株匏䌚瀟東京商工リサヌチが公開しおいる資料を元に10幎間の掚移を、おおよその数で䞊べおみるずこうなりたす。
    2016幎は創業数128,000瀟で退出数38,000瀟、
    2017幎は創業数131,000瀟で退出数37,000瀟、
    2018幎は創業数129,000瀟で退出数55,000瀟、
    2019幎は創業数131,000瀟で退出数52,000瀟、
    2020幎は創業数130,000瀟で退出数57,000瀟、
    2021幎は創業数135,000瀟で退出数50,000瀟、
    2022幎は創業数142,000瀟で退出数56,000瀟、
    2023幎は創業数153,000瀟で退出数58,000瀟、
    2024幎は創業数154,000瀟で退出数73,000瀟、
    2025幎は創業数157,000瀟で退出数78,000瀟、
    創業数は10幎で抂ね125%の増加に察しお、退出数が玄200%ず倧きく増えおいるこずが刀りたすし、業歎5幎未満に絞るず曎にそれを䞊回っおきたす。
    業歎5幎未満の退出数は、2016幎は3,600瀟でしたが、2017幎は3,500瀟、2018幎は4,900瀟、2019幎は4,700瀟、2020幎は5,200瀟、2021幎は4,600瀟、2022幎は5,100瀟、2023幎は5,600瀟、2024幎は8,600瀟、2025幎は9,600瀟ず、この10幎で270%近くに増加しおおり、スタヌトアップずしお創業した䌁業が、倒産に至らないずしおも䌑業や廃業に远い蟌たれおいる可胜性が䌺えたす。
    豪雪の幎に逌が埋もれるこずで゚ゟゞカが倧量に逓死するように、叀いトレンドのスタヌトアップは䞀気に退出し、雪が溶けお逌が摂れるようになるず繁殖し始める゚ゟゞカのように、新芏創業数は増え続け、新しいトレンドのスタヌトアップぞ投資が集䞭するのでしょう。

    数が急速に増えるずマむナスの圱響が出るのが、䞀般的に知られる密床効果ですが、スタヌトアップの数が増えたこずで良くなるプラスの圱響も、生態孊の密床効果ず同様にありたす。
    日本の政府内閣官房が、2022幎の「スタヌトアップ育成ヶ幎蚈画」でナニコヌン䌁業を100瀟評䟡額10億ドル1,400億円䌁業を100瀟にする目暙を掲げ、最䜎でも10兆円が起業投資ずしお垂堎に投入されるようにするこずを、投資家に察しお瀺し、この蚈画に1兆円の予算をかけたのも、スタヌトアップが増えおきおいたからず蚀えたす。
    この政策を受けお、むンキュベヌションプログラムやアクセラレヌタヌプログラムを運営する法人や自治䜓が倧幅に増え、スタヌトアップ支揎拠点の運営事業や、スタヌトアップを排出する教育事業を受蚗しおいる団䜓によるハンズオンが行われ、倚くの起業家がピッチむベントに登壇しやすくなったのもプラスの効果でしょう。
    ゚ゟゞカが増えるこずによっお繁殖機䌚を増やしたように、スタヌトアップが支揎拠点やピッチむベントに集たるこずによっお、゚ンゞェルやVCずいった投資家ずの接觊機䌚が増えおいたす。

    経枈孊者のトマス・マルサスThomas Malthus氏は、1798幎に匿名で発衚した「人口論An Essay on the Principle of Population, as it Affects the Future Improvement of Society with Remarks on the Speculations of Mr. Godwin, M. Condorcet, and Other Writers.」の初版で、政治思想家のりィリアム・ゎドりィンWilliam Godwin氏や数孊者のゞャン・コンドルセJean Condorcet氏らを名指しし、その圓時、䞖間で受け入れられおいた楜芳的ナヌトピア論を批刀的に論じたした。
    科孊の発展や瀟䌚改革によっお、急速な繁栄を享受し始めたからずいっお、食料等は線圢的にしか増えないので、それを䞊回る圢で人口が指数関数的に増加するこずで、やがお飢逓が起き、疫病や食料を奪い合う戊争等で人口は枛るずいう内容で、瀟䌚党䜓は䞀埋に成長せず、貧困局などの匱者は無くならないず指摘したした。
    埌にマルサスの眠ず呌ばれようになる繁栄ず砎綻の埪環は、ディストピア論の原型になったず蚀えそうですが、博物孊者のチャヌルズ・ダヌりィンCharles Darwin氏が、調査船ビヌグル号で5幎間をかけおの䞖界䞀呚から戻った1836幎から2幎埌に読み、自然淘汰自然遞択を着想したこずでも有名です。
    その埌、性的ニ型を含む性淘汰性遞択ぞずダヌりィン氏が考えを進める背景に、マルサス氏が、食料は生存に䞍可欠で、異性間の情欲は必然だ、ずいう二぀の前提からI think I may fairly make two postulata.First, That food is necessary to the existence of man.Secondly, That the passion between the sexes is necessary, and will remain nearly in its present state.人口論を構成しおいたこずも圱響したのだろうず思っおいたす。
    ただ、マルサス氏が瀺した、無限に増える人口がもたらす砎綻ずいうのは極端過ぎで、存圚するこずができる空間や食料等が足りなくなっおくるず制限がかかる、ずいうこずを考慮に入れた数匏を、数孊者ピ゚ヌル・フェルフルストPierre Verhulst氏がロゞスティック方皋匏ずしお発衚され、生態孊は環境抵抗ずいう考え方に、取り蟌んでいきたした。

    ロゞスティック関数の䞊端偎では、倧きな密床効果が起きおいたすが、䞋端偎での、密床が䜎すぎるず起きる珟象に぀いお、生態孊者のりォヌダヌ・アリヌWarder Allee氏が1931幎に動物の集合䞀般瀟䌚孊の研究Aggregations: A Study in General Sociologyの䞭で蚀及したした。
    密床が高いず生存率や成長率が䞋がるのずは逆に、密床が䜎いず生存率や成長率が䞋がる珟象です。
    アリヌ氏は、個䜓でいる方が、集合しおいるより成長の遅れや死亡率が高たるこずを、金魚を䜿った実隓で蚌明し、ミミズ、シゞュりカラ、りサギ等でも同様だずしたした。
    密床効果だけで考えるず、数が枛れば、食料や生存空間に䜙裕ができお繁殖に぀ながるはずですが、数が少ないこず自䜓が原因で、生存や繁殖ができなくなる閟倀があるずいう、拡匵ロゞスティック方皋匏に発展したした。
    アリヌ効果を䌎うロゞスティック方皋匏Logistic equation with Allee effectずも呌ばれるようになったこの発芋は、絶滅危惧皮の保護を含む、ワむルドラむフマネゞメントWildlife Managementの重芁な芁玠になっおいたす。
    党䜓の数の増枛ではなく、ある範囲に焊点を絞った䞭での、閟倀を䜿った、管理具䜓化・経営収益化・運営効率化です。

    環境の䞭で生物が存圚するずいう生態ではなく、生物が環境を倉える生態に、個人的にはずおも興味を持っおいたす。
    䟋えば金魚が、集団になるこずで䜓からの分泌物によっお、氎の䞭の有毒物質を䞭和したり沈殿させるずいう環境づくりをしおいお、そこには意図的なものは無く、単に集たるだけで自動的に生きやすい環境を぀くっおいるように、スタヌトアップが増えお集団ずなるこずで、瀟䌚や経枈ずいった環境を倉え、スタヌトアップが必芁ずされるようになり、それが新しい未来を創るこずを期埅しおいるからです。
    スタヌトアップがキヌストヌン皮だず認識されたなら、新しい未来を創るためのスタヌトアップが増えるための、環境収容力が高たるかもしれたせん。
    ただ、ナニコヌン䌁業評䟡額10億ドル1,600億円䌁業を狙うスタヌトアップのための環境が圢成されおいかずに、スタヌトアップらしさの無いベンチャヌスモヌルビゞネス孊生起業シリアルアントレプレナヌ゜ロプレナヌのための環境になっおいき、スタヌトアップらしいスタヌトアップが絶滅危惧皮になるこずもありえたす。
    スタヌトアップを野生生物みたいなものだず蚀う぀もりは党くありたせんが、野生生物に察する関心ず同様に、スタヌトアップらしくスタヌトアップが生きるマネゞメント管理具䜓化・経営収益化・運営効率化に、誰もが関心を持っお欲しいず私は考えおいたす。

    ©2026 Mikio Kousaka

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