
いい話は、意外な知り合いから。「ゆるいつながり」が広げる可能性
研修講師、手話通訳士、ヘルパーの横山熊太郎です。
AIを活用しながら、シニア向けの情報や、書籍やガジェットの紹介などをしています。
久しぶりに会った知人との会話で、気になる仕事を知る。以前の同僚から、思いがけない誘いが届く。
そんな出来事を、私たちは「巡り合わせがよかった」と表現することがあります。
でも、その偶然には、人とのつながり方も関係しているのかもしれません。
今回紹介するのは、STUDY HACKERの「『巡り合わせが悪い』を科学で考える。いい話が舞い込む人は、運より『つながり方』が違っていた」という記事。人間関係と新しい機会の関係を、研究から考える内容です。〈紹介記事〉
少し離れた人が、自分の知らない世界を知っている
親しい友人や、いつも一緒に働く同僚。気兼ねなく話せる相手は、日々の大切な支えです。
一方で、身近な人とは、知っている情報や交友関係が重なることもあります。
以前の職場の知人や、別の業界で働く人ならどうでしょうか。普段接している人も、抱えている課題も、自分とは違うかもしれません。その違いが、新しい情報に出合うきっかけになります。
こうした関係に注目するのが、社会学の「弱い紐帯」という考え方です。ここでいう「弱い」は、関係に価値がないという意味ではなく、交流の頻度や共通の知人の多さなどで見た、つながりの強さを指します。〈MITによる研究解説〉
約2,000万人の実験が示したこと
紹介記事が取り上げるのは、ビジネス向けSNS「LinkedIn」で行われた大規模な実験です。
研究チームは、知り合い候補を推薦する仕組みを調整し、どのようなつながりが転職につながるかを調べました。2015年から2019年にかけて約2,000万人が関わった実験では、全体として、弱いつながりが仕事の移動を後押しする結果が得られています。
ただし、つながりの強さの測り方や業界によって結果は異なり、「関係が薄いほどよい」と単純には言えません。〈MIT News〉
また、これはLinkedIn上の仕事の機会についての研究です。人生全体の運や、あらゆる出会いのよしあしを説明したものではありません。
それでも、「誰と接点があるかによって、届く情報は変わる」という視点は、日常にも引き寄せて考えられそうです。
人脈を増やすより、誰かの近況に関心を持つ
この話を読むと、「もっと交流会に行かなければ」「知り合いを増やさなければ」と焦る人もいるかもしれません。
けれど、私が考えたいのは、人数を増やすことよりも、普段話さない人の経験に耳を傾けることです。
しばらく会っていない知人が、今どんなことに取り組んでいるのか。別の仕事をしている人は、同じ問題をどう見ているのか。
すぐに役立つ情報が得られなくても、自分にはなかった見方に触れられたら、その会話には十分な意味があると思います。
人を「いい話を運んでくれる相手」として見るようになると、関係は窮屈になってしまいそうです。相手への関心があり、自分からも話せることや渡せる情報がある。そんなやり取りを大切にしたいと感じました。
久しぶりの連絡に、大きな用事はいらない
ふと思い出した相手に連絡するのは、案外勇気がいります。
今さら迷惑ではないか。何か頼み事があると思われないか。そう考えて、やめてしまうこともあります。
そんなときは、以前話した本の感想や、一緒に関心を持っていた話題など、思い出した理由を短く伝えるくらいでもよさそうです。
返事や成果を急がず、相手の都合も尊重する。そのくらいの距離なら、自分にとっても無理がありません。
この記事を読んで、久しく話していない人の顔が浮かびました。「最近どうしているだろう」と思う気持ちを、たまには言葉にしてみてもいいのかもしれません。
偶然に出合う余地を、少しだけ
思いどおりに進まないことを、すべて自分の行動で変えられるわけではありません。
それでも、いつもと違う人の話を聞くことで、見える選択肢が増えることはありそうです。
親しい人との時間を大切にしながら、少し離れた知人との接点も、ときどき温めてみる。
その会話がどこにつながるかはわかりません。わからないからこそ、思いがけない発見があるのだと思います。
紹介した記事:「巡り合わせが悪い」を科学で考える。いい話が舞い込む人は、運より「つながり方」が違っていた(STUDY HACKER)
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