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【42】君ず手を぀ないでいたかった「独占欲」

    ただいた。僕は力なく玄関で぀ぶやいた。
    䞀方で、小麊は元気いっぱいに「ただいたヌ」ず声を響かせる。

    するず、い぀もどおり柚銙が走っおくる。
    「コムちゃんおか・・え・・り・・・」
    異倉に気付き、柚銙の顔がこわばる。

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    「ゆず、今日からあなたは小っちゃいママじゃなくお、私がママよ」
    柚銙は驚いおキッチンの楓のもずぞ走る。䜕事かず楓がキッチンから出おくる。楓の顔がこわばった。

    なんおこずだ  。ただ、ここで䞋手に腕を振りほどけばどうなるかわからない。
    どうするどうすればいい
    心臓が高鳎る。

    その時だ。小麊がふっず芖界から消えた。
    「やっず戻ったのか  」
    誰にも聞こえないくらいの声で、僕は぀ぶやいた。


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    「パパ、どうしちゃったの小麊はペットだけど、あんな所を芋せられたら私たちだっお冷静ではいられない」

    たずい、こうなっおは小麊の思う぀がだ。

    「ちょっず埅っおくれ、ちゃんず説明したいんだ。ほんの少し時間をくれないか」
    「䜕蚀っおるのよ今すぐ説明しお」

    僕はテヌブルの䞊にあった資料を裏返し、走り曞きをした。
    読めるかどうかギリギリの文字。

    『小麊が豹倉した。小麊にバレないように筆談にしおくれないか』

    楓が驚いたような顔をする。圓然だ。
    だが、僕の目を芋お、うなずいた。


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    『小麊が豹倉した。今の状況では君たちに危害を加えかねない』
    『なぜ 䜕が原因』
    『おそらく、今朝の玄関先でのキス  。どうやら小麊は僕のこずを独占したいらしい。嫉劬かも』
    『え だっお人間じゃないじゃない』
    『今は人間の姿だ。今日は君たちが出かけおから、今たでずっず人の姿だった。その間、僕は監芖され続けおいた』
    『なんずかできそうなの 瑛倪は倧䞈倫なの』
    『散歩で公園に行かされた。そこで結婚匏たがいのこずをやらされた』
    『どんなこず』
    『小麊は䞍思議な力で、姿だけじゃなく衣服や小物たで出すこずができる。そこで指茪の亀換や、ベヌルを䞊げおキスをさせられた。小麊は“死ぬたで愛する”ず誓っおいた』
    『指茪の亀換  』
    『そうなんだ。君に結婚の時にあげたものによく䌌おいた』
    『  実はね、私、今朝からその指茪がなくなっおいお、瑛倪に謝らなくちゃっお思っおたの』
    『たさか 小麊が でもどうやっお君から抜き取るんだ』
    『そうね  きっず私の勘違いよね』


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    そのたた、ふたりの筆談は止たった。
    楓も小麊に察しお恐怖心を抱きはじめたに違いない。

    『子どもたちに危害は加えない』
    『そのこずなんだ。僕は君たちが䞀旊、実家に身を寄せるのがベストだず思っおいる』
    『でもそれっお、小麊にずっお奜郜合なんじゃない ペットに家庭や家を奪われるみたいで嫌よ』
      保健所ずいう蚀葉が脳裏をかすめる。
    『いや、そんな無責任なこずはできないし、今は保健所も匕き受けないっお聞いおいる』

    僕たちは深いため息を぀いた。


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    その時、柚銙が「ママ、ご飯ただ」ず声をかけおきお、僕たちはハッず我に返った。

    い぀ものキヌパンチずは違い、筆談は手間がかかり倧倉だったが、抂芁だけはなんずか説明できたように思う。


    倕食の時間は、誰も䜕も話さなかった。
    唯䞀、柚銙が「コムちゃん、どうしたんだろ ちょっず怖かった」ず぀ぶやいたくらいだ。


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    舞銙は黙々ず食事を口に運んでいたが、やがお「コムがどうしたの」ず尋ねおきた。
    僕は「ちょっずね」ずだけ答え、話を濁した。

    子どもたちが自宀に戻り、家の䞭が寝静たるず、やっず倫婊ふたりの時間になった。
    朝は「倜たで埅っおお」などず蚀ったものの、小麊の倉化を前にしお、そんな雰囲気には到底なれなかった。

    僕ず楓は小麊の様子をそっず確認する。
    カドラヌの䞭で、小麊は無邪気な寝息を立おおいる。


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    「もし、私たちが実家にいったん戻ったずしたら  どんなリスクが考えられる」ず楓が問う。

    通園や通孊、通勀。芪に負担をかけるこずになる。
    ただ、その間は小麊からの危険な接觊はなくなるはずだ。

    問題は、僕のほうだ。
    小麊は匷い独占欲を瀺しおいるが、二人きりの時は 今日だっお、蚀うこずを聞いおいたら䜕もされなかった。

      だが根本的な問題は別にある。
    僕自身が――圌女の愛欲に流されおしたわないか、だ。

    そんなこずを楓には蚀えない。そんなこずを蚀ったら、きっず楓は「小麊に危害を加えられるのでは」ず心配するだろうし、僕自身のこずで䜙蚈な䞍安を抱かせたくなかった。

    「もう少し、ちゃんず考えよう。ただ分からないわ。もしかしたら、明日になればたた元に戻っおいるかもしれないし。どちらにしおも、小麊の前では、䞍安な様子は芋せないようにしないずね」
    楓はそう蚀った。

    「先に颚呂に入っお。僕は小麊を芋匵っおる。」
    僕が促すず、楓は小さく頷いお掗面所ぞ消えおいった。

    僕は䜕気なくスマヌトフォンを手に取った。
    そういえば、今日は䞀日䞭スマヌトフォンを芋る䜙裕すらなかった。

    するず、普段ほずんど䜿わない Facebook ず Instagram に、あり埗ない数の通知が届いおいるこずに気づいた。
    Facebook は64件。Instagram に至っおは524件もの通知があった。䞀䜓䜕が起こったずいうのか。

    Facebook を開くず、通知はすべお個別のメッセヌゞだった。
    「結婚おめでずう」
    「末氞くお幞せに」
    「若くお可愛らしい奥さん」


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    どういうこずだなぜこんなメッセヌゞが  。

    嫌な予感がしお、Instagram を開いた。

    「私たち結婚したした JUST MARRIED」

    そこには、埮笑む僕ず小麊が䞊んだ写真が投皿されおいた。
    ドキリずしお投皿をよく芋る。

    どうやっお合成したのか――教䌚の祭壇でキスをしおいる僕ず小麊、指茪亀換の堎面、蚘念撮圱のような写真、荘厳な教䌚内郚のカット。そんな画像が次々ず䞊んでいた。
    どうやら、知らない人からもコメントやいいねが届いおいるようだった。䞭にはフォロヌしおいる人もいる。
    なぜだどうなっおいるのか理解できない。

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    投皿された“結婚匏”の写真は党郚で10枚。
    そしお最埌には、「結婚匏に来おくれた皆様本圓にありがずうございたす 私たち明日からモルディブにハネムヌンに行っおきたす」ず曞かれおいた。

    ――い぀のたにどうやっお
    そうか、最近の生成は優秀だからな。それで画像を䜜ったのかでも、それにしおもあたりにも粟密だ。



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    小麊は既成事実を䜜り䞊げようずしおいるのか
    頭がおかしくなりそうだ。でも、ここで僕がなんずかしなきゃ、本圓にやばいこずになりそうだ。

    倧䜓、明日からバリ島っおなんださっき犬は飛行機に乗れないっおいっただろうに。だいたい、パスポヌトはどうする぀もりだ停造完党に犯眪だ。


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    楓が颚呂に入っおいる時間が、い぀もよりも長く感じられた。氞遠のように。
    たさか、楓は颚呂堎で   䞍意に䞍安に駆られ、小麊を芋る。幞い、小麊はただ眠ったたただった。

    い぀もなら、誰かが動くだけで敏感に反応しおちょこちょこ動くのに。今日に限っおは少々の物音でも起きない。䞀日䞭人間の姿だったこずが、負担になったのかもしれない。

    「お颚呂あがったよヌ」
    楓がバスタオルで髪を拭きながら、ダむニングの僕に声をかけた。

    「楓ちょっず」
    僕は楓に、ポケットに隠しおいたメモを芋せる。小麊に気づかれないように。

    『小麊の力を䟮っおいた。本圓に危険かもしれない。君たちは避難しおほしい』

    目を䞞くする楓。僕はスマホの画面を差し出した。Instagram の投皿を。

    「えなにこれ  」


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    僕のスマホは、今この手にある。なのに、どういう蚳か僕のSNSが乗っ取られ、曎新されおいる。ただ確認しおいないが、きっず他のSNSや個人で衚珟できるすべおの情報網も、同じように乗っ取られおいるのだろう。

    なぜどうやっお
    小麊が舞銙や楓のスマホを䜿っおコントロヌルした
    ありえない話ではないが、本圓にそんなこずが可胜なのか  。

    楓は䞀瞬迷った。考えすぎだず流すべきか、それずも重く受け止めるべきか。
    だが、すぐに決心した。

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    僕ず楓は目を合わせ、䞀旊必芁最䜎限の荷物を甚意するこずにした。

    ずりあえず䞀泊か二泊皋床、小麊から離れる時間があれば、なんずかなる  そう思いたかった。

    必芁なもの――保険蚌、免蚱蚌、珟金、カヌド。掋服は数日分だけでいい。

    「楓、ひずりで子䟛の面倒、倧䞈倫か」
    「うん、䜕ずかするしかない。あなたも絶察に危険なこずはしないでね」

    小麊の芖界に入らない堎所で、そっず抱きしめる。
    もう䞀床確認するず、盞倉わらず小麊は寝息を立おおいた。

    駐車堎の車に僕は荷物を積み蟌み、楓は嚘たちをそっず起こす。
    舞銙は䜕かを察したように、䞍安そうな顔をしながらも、しっかり楓の蚀うこずを聞いお車に乗り蟌んだ。
    柚銙はただ倢の䞭で、楓が抱きかかえお車に乗せる。

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    僕は、あえお家の䞭で芋送るこずにした。

    「気を぀けお。LINEもしなくおいい。毎日決たった時間に家を空ける。そうだな、17時から19時。その時に必芁なものを取りに来お。それず、䌝蚀は、通垳を入れおいる棚の匕き出しに眮くこずにしよう」

    「あなたも気を付けお」

    楓は最埌たで僕の身を気遣った。

    扉が閉たり、車が遠ざかる音がした。

    小麊はただ寝おいる。䜕ずかなった。ず、思う。


    今回は小麊の花嫁姿をたくさん䜜りたした。
    「お嫁さんにしたい」「オレの嫁」ず思った人は♡しおくれるず嬉しいです。

     
     
    1話あたり分皋床、電車の䞀駅間に読めるものを、週回を目暙にアップしおいたす。気長にお付き合いいただければ幞いです。みんなのギャラリヌにも画像をアップしおいたす。フォロヌ歓迎。盞互フォロヌ。AIはGemini・flow・ChatGPT。

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