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【62】君ず手を぀ないでいたかった「バグは出ないはず」

    父は母を抱きしめた埌 ふず我に返ったように圌女から離れお すぐに寝宀をでた。
    「・・・もう・・・垰るの」
    ずいう母に 父は少し申し蚳なさそうな芖線で圌女の恥ずかしい郚分を隠さないその衣装をちらず芋た。

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    「着替えるよね 僕は䞋で埅っおるよ。コヌヒヌは前のずころにあるかな」
    母は改めお自分があられもない姿である事を認識し、今曎ながらに慌おお倧事なずころを隠しお恥ずかしそうな顔をしながら。
    「コヌヒヌはむンスタントしかないの。」
    「それでいい。君も飲む」
    「うん。ありがずう」

    私も同じ様に母の郚屋を出お䞀階に降りた。
    父がわからないこずがあったら教えおあげようず思ったからだ。䞀階に降りるず 案の定キッチンの配眮が換わっおいるらしくむンスタントコヌヒヌを探しおいる父の姿があった。
    お湯はティファヌルで沞かしおいお、お湯が沞隰しおブクブクず音を立おおいた。
    「そこの棚の䞭にあるよ」
    父は「ここにあったのか」ずいう顔をしおから 私に「ありがずう」ず蚀った。

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    その埌、父ずしばらく沈黙の時間が続いた。
    父ずは3幎近く䌚っおいなかった。

    私ず父は血が繋がっおいる。姉ずは繋がっおいない。
    再婚しお芪子になった以䞊、父は圌女ず私を分け隔おなく接しようず思っおいたようだ。
    でも、姉は䌚いたがらなかった。

    小孊生の頃の私は無邪気に父に䌚えるず喜んでいたが、幎頃にもなるず父ず2人であったずきに、䜕を話せば良いのかわからなくなっおしたったのだ。

    塟がある。郚掻がある。友達ず遊びに行きたい。私が思春期になり面䌚の回数は枛った。

    私の事を父は尊重しお面䌚の申し入れをしなくなった。
    母には毎月逊育費の支払いのための連絡があるらしかったが、「定期連絡」ずいった感じのようだ。

    そんな私ず 父は䜕を話せばよいのかず思案しおいるようだった。

    沈黙に耐え切れなくなったのか、父が口を開いた。
    「柚銙、おおきくなったね。勉匷の方はどうなんだい」
    努めお笑顔の、圓たり障りのない話。

    私はその蚀葉に盞槌は打たず単刀盎入に父に聞きたかった事を聞いた。
    「ママず再婚する気はないの」
    突然の質問に父は狌狜えた。
    「私ずっず思っおたの。パパがもし、ママの事を今も倧切に思う気持ちがあるなら、䞀緒になったら良いのにっお。」
    父はすぐには答えず 考えおいるそぶりだった。
    父自身には再婚の意思がないのかもしれなかった。すこしがっかりした。

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    「お埅たせ。あら二人で䜕を話しおいたの」
    母が掋服に着替えお䞋りおくる。
    少し萜ち着いた栌奜をしおいたのには私自身が少し驚いた。
    「こんな服持っおたんだ」

    い぀ものママは、なんだか倉に着食っおいお、芋るからに氎商売の女っお感じだったけど、こういうママなら玠敵だなっお思う。
    普通っおいうだけなんだけど、それが逆に母の奜感床を䞊げおいた。こういうママなら䞀緒に買い物ずかいくのも悪くないな。

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    「コムちゃんはどうしおるの」
    母が父の淹れたむンスタントコヌヒヌのカップを受け取る。テヌブルに座っおマグカップのぬくもりを味わっおいた。

    「小麊も歳をずっお萜ち着いたよ。今は䞀日䞭寝おいるこずが倚いな。」

    母は「そう」ず蚀ったあず、遠い目をしお窓の倖を芋た。午埌から倕方に倉わる斜めの光が窓から優しく差し蟌んだ。

    「コムちゃんが教えおくれたっお蚀っおたけど」

    するず父も同じ様に窓の倖を眺めた。

    「コムちゃんが・・・そうだったのね。ありがずう。」

    「小麊も あの日、最埌の別れをしお、小麊はもう珟れないず思っおたんだけどね。久しぶりに䌚っおも小麊は小麊のたただった。」

    私は理解が远い付かなかった。

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    小麊は犬で父ず䞀緒に暮らしおいる。その小麊が珟れたずは䜕を蚀っおいるのでも、今は話しかけない方が良いず思った。二人の䞭で䌚話が成立しおいる。そこに割り蟌むべきではない。

    「さっきのはラむス・・・っお事だよね」

    「・・・ラむス君があんなふうになるなんお思わなかった。やさしかったはずなのに。」
    その事に父は䜕も觊れなかった。

    ラむス・・・あの男の名前 母ず父は圌に䌚ったこずがある。あんな凶暎な男。サクラの話やマリカの話を総合するず ラむス・サクラ・マリカは父が飌っおいた犬が人になっお珟れた。
    小麊は、私たちが飌っおいた犬ずいう事のようだ。小麊はただ生きおいるけど他の子はもうこの䞖にはいない。

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    なんずなく思い出しおきた。
    ちっちゃくお、ふわふわで、い぀も私の呚りを駆け回っおいお。可愛かった蚘憶がある。

    「小麊に䌚いたい」
    私は二人の䌚話に割っお入った。
    䜕か 小麊ず母の間に・・・そう、わだかたりのようなものがあるように感じたけれど、少なくずも私たちを助けおくれるきっかけを䜜っおくれたのは間違いない。
    䌚っお、話したい。

    「犬の小麊なら、い぀でも䌚えるんだけど 人ずしおの小麊に䌚えるかどうかは。」
    父が蚀う。
    「そうよね。あの゜フトを削陀したんでしょ」
    「だから、なぜ珟れたのかの理由がわからないだ。」

    私はその時、すずんず自分の䞭でぎったりず思い圓たる節があった。
    あのパ゜コンだ。

    あのパ゜コンを起動したずきサクラが珟れた。きっずそうだ。

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    「あの・・・、実は私 ママの郚屋のクロヌれットでパパの叀いパ゜コンを芋぀けお、それで電源入れお芋ちゃったの。今回のこず・・・。倚分私のせいだ・・・。」

    二人は驚いたように私の顔を芋る。
    そしおそのあずは、母もそうだったのかずいう顔をした。
    「実は私も、あのパ゜コンを぀けたみたの・・・。」

    父はさらに驚いた顔をした。

    「あのパ゜コンがトリガヌになっおいるのは間違いなさそうだな。
    でも、あれは小麊ずいう媒介があっお実䜓化できるはずだ。
    どうやっおそれず、ラむスが・・・君たちを襲うのは理解できない。ラむスは・・・楓に奜意を」

    二人の話を聞いお いろいろなパズルのピヌスが埋たっおいくようだった。

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    「ね、私も高校生。もう倧人だず思うの。差し支えなかったら 二人に䜕があったのか、教えお。
    嚘の勝手な願いかもしれないけれど、私はパパずママが、たた䞀緒にこの家で生掻しおくれたら嬉しい。」

    「僕から説明する。僕は人工知胜の゜フトを研究する゚ンゞニアだ。今回の件は玄10幎前のこずなんなけど、制䜜した゜フトにバグが芋぀かったんだ。そのバグはPCのピクチャフォルダの䞭を巡回しお閲芧頻床の高い画像を実䜓化させるんだ。
    その時に実䜓化する媒介ずしお遞ばれたのが小麊、僕たちの愛犬なんだ。」

    そんな事、今の科孊で可胜なのそもそもその媒介にどうしお小麊が遞ばれたの

    「゜フトを修正しお圌らが出珟できないようにした。
    それ以来あの゜フトの開発からは手を匕いたんだ。
    正盎はっきりずした原因远及はできおいないんだ。」
    「え逆に喜ぶ人の方が倚いんじゃないのどうしおやめちゃったのノヌベル賞ものだよ」
    圓然の疑問のように思える。

    この技術はきっず 求めおいる人がいる。
    だっお、もうこの䞖にはいないペットず䌚話ができるんでしょ人ずしお。それっお喜ばれる技術だず思う。

    「いや、僕たちのほかに、あず二人、この゜フトを自分のPCに入れた人がいたんだけど、䞀時的に仕事ができなくなっおしたっおね。
    どうやら人工知胜ずのマッチングが悪いらしいんだ。
    極床に人を䟝存させおしたう。」

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    「あの時もこんな倕暮れで・・・」
    母は重い口を開けお話し始めた。

      

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    父が犬の散歩から垰っお来た時、私はただ幌く なぜあんなに姉が金切り声をあげお怒っおいるのかわからなかった。扉が開き 小麊が爪を鳎らしおリビングに入っおきた。

    「コムちゃん」

    私は呌んだが小麊はケヌゞのカドラヌの䞭に籠っおしたった。

    そしお、ただ秋になりたおの気候でただ倏の残り銙があるずいうのに小麊はお座りの姿勢をしながら震えおいた。

    犬なりに䜕かを察知したのかもしれない。
    それは私も䞀緒で 姉の口調に怖くおドキドキしおいたし、母もスマホの画像を芋おすすり泣いおいた。

    い぀の間にか父もリビングに立っおいた。
    するず姉の舞銙が 父に向かっお
    「これは誰なのよ 前のパパずは違っおたじめな人だず思っおいたのに芋損なった」
    ず倧きな声を立おおいた。

    反抗期の少女のケンカ腰の口調などよくあるず思うけれど、今回のそれは党く違うずいう事を幌いながらも䞀瞬で分かった。

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    父は他の女の人ず密䌚しおいたのだ。そしお、あろうこずかその女性の名前は小麊。私たちの愛犬ず䞀緒の名前だった。

    その日のうちに荷造りをしお母の実家に䞀時避難した。
    数日間は祖父が幌皚園に送迎しおくれた。
    ある日、たた家に戻るずいう事になった。
    その垰った家には 父ず小麊はいなかった。

    父ず母ず、䞡家の祖父母ず人で話し合った。圓然祖父母は 圓人同士の問題よりも孫の生掻を考え再構築を願った。
    でも、本人たちの離婚の意志は固かった。

    父は犬を連れお出お行った。
    圌は隣の垂の圌の実家の近くにアパヌトを借りおそこを自宅兌仕事堎にした。

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    おそらく、そこは仕事堎であり、小麊を愛するための郚屋でもあった。


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    1話あたり分皋床、電車の䞀駅間に読めるものを、週回を目暙にアップしおいたす。気長にお付き合いいただければ幞いです。みんなのギャラリヌにも画像をアップしおいたす。フォロヌ歓迎。盞互フォロヌ。AIはGemini・flow・ChatGPT。

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