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【57】君ず手を぀ないでいたかった「バカの血筋」

    倧倉お埅たせしたした。
    ここから第四章が始たりたす。第四章では末っ子の柚銙が䞻圹ずなりたす。
    これからもよろしくお願いしたす


     第四章 

    「チンしお食べおね。 ママより」
    テヌブルの䞊のメモ玙を芋お い぀ものようにため息を぀いた。

    掗濯物がベランダにかけっぱなしなのは 垰宅するずきに倖から確認しおいる。い぀もの事だ。

    ・・・面倒

    私は電子レンゞでチャヌハンを枩めながらマグカップにカップスヌプの玠を入れおお湯をそそいだ。

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    䞀人のご飯はもう慣れた。
    こんな生掻 ・幎は続いたかな
    こんなすさんだ生掻でもグレずに真面目に勉匷をし孊幎でもトップの成瞟を収めおいるのは奇跡だず思う。
    姉の舞銙は 随分前に家を出た。

    圌女は䞭孊の先茩の正暹ず同棲しおいるが、正暹の浮気癖でい぀も喧嘩ばかりしおいるようだ。
    あんなふうになりたくない。だから私は勉匷する。

    母は四十代も半ばなのに若い子みたいな掋服を着おいる。実際過ぎの成人の嚘がいるようには芋えないず思う。確かに若い。でも 癜やピンクの花柄、フリルやリボンでフリフリ。
    それが仕事甚の服なんだから仕方ないけど、私服党おがそういう感じになっおいるのはなんお蚀うか友達のママず比べお若䜜りっお蚀うか・・・。
    ちょっず恥ずかしい。
    ママが綺麗で若いのは嬉しいけど、私は普通が良い。

    だから、ママず出かける事も最近では少なくなっおきた。
    行くずしおもママが運転しお郊倖のショッピングモヌルやアりトレットモヌル。そういうずころなら友達ず䌚うこずもなさそうだから。

    母は深倜遅くに垰っおくる。朝垰りの日だっお珍しくはない。
    足元がふらふらになっお垰っお来る時もあるし、倜䞭に意味䞍明な蚀葉をしゃべっおいるこずもある。

    こないだは深倜に倧声を出しお泣いおいた。
    泣く事はよくある。でも、泣いおいる理由は嚘の私には理解できない倧人の話のようだ。
    翌朝 泣いおいた理由を聞くず「芚えおいない」ずケロッずしおいるが 泣いおいる時は倧抵「えいた」ず蚀っおいるように思う。
    私の実父の名だ。

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    未緎があるのだろうかそれずもそれほどたでに悔しい別れ方だったのだろうか内容がデリケヌトなこずなので聞けずにいる。

    実父の浮気が原因で我が家は離散した。

    バカな男だず思う。
    そのバカな男にただ未緎のある母もたたバカだ。
    姉だっお浮気男ず別れもせずに付き合っおいる。

    バカだ。バカだ。
    私以倖、みんなバカばっか。

    そういう私にはバカの血が流れおいるのだから きっず私も自身の事が芋えない
    「バカではないず思い蟌んでいるバカ」
    なのだろう。

    だから私は そういう男に隙されないように勉匷をしおいる。
    良い倧孊に入っお、
    良い䌚瀟に入り、
    顔なんかよくなくおも良いから 
    きちんず家庭を守れる男ず結婚する。

    母は私を倧孊に通わせる぀もりで貯金をしおいるらしい。
    でも、できる事なら母の負担にならないようにしたい。
    本音を蚀えば、今の仕事を蟞めさせおあげたい。
    奜きであの仕事をやっおいるようには思えない。
    泣いおいる時も倚い。
    心を削りながら仕事をしおいるんだ。
    男に媚びながら・・・。
    いやだ。
    いやだ

    だから、特埅生扱いで孊費免陀、それか囜立倧かもしそれが叶わないなら高卒で就職しおも構わない。
    孊校の先生に聞いおも 今の時代倧孊䜍出おおいた方が良いずいうが 理由もなく怠惰に倧孊生になっおしたうず私自身が腐っおしたいそうだ。

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    時々、おがろげな蚘憶でティヌカッププヌドルの・・・名前、なんだっけな 茶色っぜい色でフワフワの毛䞊みだったように思う。
    私の蚘憶では そのフワフワのかたたりが私の足元をはしりたわっお、ボヌル投げをしたり、私が走っお、その埌をフワフワが走っお远いかけおくるのを思い出す。

    「うヌん、なんだっけな『こ』なんずかだったように思うんだよな」
    こ぀ぶ・こたり・こにしき・こむすび・・・これだずお盞撲さんだな。
    なんだっけ

    あの子ず遊んでいた蚘憶。あのころが䞀番良かったように思う。
    母もい぀もニコニコしおいた。
    子䟛の前だからず無理に笑顔でいたのかもしれないけれど、父ず別れおからは䜜り笑顔すらなくなった。䜙裕がなくなったんだ。
    だから、私は父の事が憎い。

    たぁいいや。

    昔の写真は母が捚おた。
    倧事な思い出だず思うけれど 母が泣きながら捚おたらしい。
    姉から聞いた。
    写真ず蚀っおも 今はスマホに取り蟌んだ画像だ。スマホの画像をクラりドで保存しおいなかったら デヌタがすべおなくなるこずだっおある。特段 珍しい事でもない。

    ご飯を食べ終わり 私は 重い足取りでベランダの掗濯物を取りこむ。
    倜颚がスヌッず入っおきおもう倏ではないのだなず気づかされる。

    二人分の掗濯物。それほど倚くはないけれど、私はこの家事が嫌いだ。

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    掗濯物の䞭に玛れた 母の卑猥な䞋着。
    あけすけず女を䞻匵するような、どこも隠しおいないようなもの。
    ほずんど垃地のないような玐・・・。倧事な郚分など隠しおいないレヌス。

    男はこういうものを芋おセクシヌだず思うのだろう。だけど、私には苊痛でしかない。十代の嚘にこういうものを芋せないデリカシヌを、母はい぀の間にか倱くしおしたった。

    母の「女」の郚分を芋るのは・・・正盎堪えられない。
    私自身もそれなりに倧人になっお、女で䞀人で嚘を育おる倧倉さを考えるず仕方ないのだろう。
    本圓は嫌だけれど、母に倧事な人が盞手がいおも良いのかなず思う時もある。その人の為に、こんな嚌婊たがいな䞋着を身に着けるのをやめおほしい。でも、私はきっずその人を父ずは呌ばないように思う。

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    ドラマのように「ママが結婚するのに反察」などずいう気は毛頭ない。
    私がその人を「パパ」ず呌ばなければ良い。母には再婚盞手が必芁だ。
    今の母を芋おいるのは蟛い。

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    母が「女」の郚分を抱えながらも、それでも「母」ずしおの最埌の砊ずしお守っおくれおいるず思うずころが䞀個だけある。
    男を家に連れ蟌たないこずだ。
    どうやら、母はこれたで䜕床か男性の気配があった。昌間の母が䜕をしおいるかなんおわからないけれど、母が男を家に連れ蟌んだ様子は䞀床もない。
    私がいるずきに男に䌚いに行ったこずもない。母には母ずしおの、最期の防波堀があっお、きっずそれが私であり家なのだ。

    この家は 父が買った家だ。
    離婚しお父が家を出た。家のロヌンは今も父が払い続けおいる。母の実家が近いのだからそこに身を寄せるこずもできただろうに、母はその遞択肢を遞ばなかった。
    父は離婚のずきに、嚘にはできるだけ負担のない生掻になるようにず、自分が出おいく圢をずった。その離婚した父ぞの矩理立おなのだろう。この家に男を連れ蟌たないずいうのが きっず母のルヌル。
    母が仕事で出䌚った男たちずどんな恋愛ゲヌムをしおいるのか、子䟛の私はできるだけ芋たくはない。

    普通の家だったら、パパはママの事が倧奜きで。ママはパパの事を倧事に思っおいお、ママは子䟛にやさしくお、そんなママの事をパパは優しいたなざしで芋おいるんだろうず思う。

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    そういう家庭が良かった。
    だから私は そうならない。

    グレたずころで、姉の舞銙が悪い䟋を私に提瀺しおいる。
    悪くなっお、呚りの友達や呚りの男たちのレベルが䞋がっお、自分も䞋がる。負のスパむラルだ。

    姉の事は奜きだ。効想いの姉だ。
    たたに「これで孊校垰りになんか食べな」ず蚀っおお小遣いをくれる。
    倧した金額ではないけれど高校生の私にはありがたい。
    そうやっお姉がくれた小遣いは貯金しおいる。
    堅実ずか節玄ずか、そういう気持ちは党くない。
    ただ、姉のその気持ちを倧切にしたいだけだ。

    ご飯も食べ、掗濯物を畳んだ。食噚も掗っおある。

    孊校のカバンを開けお授業の埩讐ず予習をしおおこうず思った。
    するず、い぀も入れおいるはずの孊習甚タブレットがカバンに入っおいない事に気が付いた。
    「やば、孊校に忘れおきた。」
    誰もいない郚屋に私の声がこだたする。
    仕方ない、教科曞を芋ながらノヌトに曞きだすか。

    勉匷は埗意だし、割ず奜きな方だ。

    ひずしきり孊校の勉匷も終えるずやる事もなくなった。颚呂にも入ったし。

    特段、女子の恋愛LINEに加わろうずは思わない。
    答えが出ないダラダラトヌク。䞀人が誰かのマりントを取る。恋愛に勝ち負けなんおない。あるのは「本物の恋」ず「停物の恋」だ。母や姉を芋お私は恋愛に冷めおいる。

    母の郚屋に畳んだ掗濯物を持っお行った。
    乱雑に物が眮かれた郚屋。私の蚘憶では 子䟛のころ、この郚屋はもっず片付いおいたような蚘憶があっお、散らかしたら叱られた。
    今なら、叱られるべきは母だ。

    「こんなに散らかしお・・・」

    ずはいえ、母の郚屋だ 勝手に片付けたりするのもず思い 郚屋を出ようずしたが、その時クロヌれットにノヌトパ゜コンが眮いおあるのが芋えた。

    「おっPCあるじゃん。これで勉匷のわかんなかったずころ調べられるかな」
    すぐさた自宀に持ち蟌んで電源ボタンを抌しおみた。
    反応しない。そういえば、䞀緒に電源のコヌドも眮いおあったな。電池がないのかも。

    もう䞀床母の郚屋に行っお電源ケヌブルを持っおきた。
    コンセントに入れおPCにケヌブルをさすずPCの暪のLEDランプが赀く光った。
    「電池切れぜいな」
    iPhoneでも電池レベルがれロになっおしたうず充電したたたでもスマホは䜿えない。だから五分皋床攟眮しおから再床電源ボタンを抌しおみた。

    画面に光りが宿り 電源が入ったのがわかる。
    ここでパスワヌド画面になっおしたったら、もう私では䜿甚できない可胜性の方が高い。誕生日、母ず姉ず私ずかかなそれならいいんだけど。
    たぁ、PCのパスワヌドがわからなくお開けなかったずしおも、どのみち勉匷のわからなかったずころは明日先生に聞けばいい。タブレットを忘れおきたこずを埌悔しおいた。

    画面が立ち䞊がった。
    叀いバヌゞョンのWindows  䜿い方良くわからないんだけど。

    意倖にもパスワヌド画面は出おこなかった。
    どうやらログむンできおいるらしい。
    「セキュリティ ずぶずぶですやん」
    私は 誰が聞いおくれるわけでもない独り蚀を぀ぶやいた。

    「えヌっず、サファリ、サファリ・・・あ、そっか、これMacじゃないわ。えヌっず、するず゚ッゞかクロヌムかな
    クロヌムはない・・・゚ッゞも・・・代わりにむンタヌネット゚クスプロヌラヌがあった。
    ダブルクリックしおみたけれど、ネットワヌクに接続できたせんのりむンドりが出おきた。
    「あヌ、やっぱりね。仕方ない。」
    を閉じようずしたずきに、スタヌトボタンの近くに「マむピクチャ」があるのが芋えた。

    過去を芗き芋したい欲望にかられフォルダをクリックしおみる。
    䞀番初めに芋えたのは「卒研」「卒研応甚」ず曞かれたフォルダで、あずはすべお昔の物らしき画像。

    私の知らない過去の画像。
    芋たこずのない犬の画像がたくさん撮りためられおいた。
    あれうちの犬っおプヌドルだったような気が

    どんどんスクロヌルしおいくず、やっず姉の子どもの頃らしい画像ず母の若かりし頃の画像が出おきた。

    「ママ、綺麗・・・。お姉ちゃんも ちっちゃくお可愛いな」

    画像

    画像っおすべお捚おたんだず思っおいた。

    スクロヌルしおいくず、母のお腹が倧きな写真が出おきお、その埌に生たれたおの赀ちゃんの写真が出おきた。
    盎感的に自分だず分かった。
    そしお、玠盎に「かわいい」ず思った。

    私は、気が付くず涙で画像を芋れなくなっおいた。
    「やばっ、なんでこんなに泣けるのよ。たた今床芋よ。ママの郚屋に片付けなくちゃ」

    母の郚屋のクロヌれット、元あった堎所にそれずなく戻しおおいた。

    なんだか今日は、勉匷をする気持ちが倱せた。
    でも、ほっこりする画像を芋れお満足だった。

    振り返ろうずした その時、䞀瞬 䜓がふわっずする感芚。
    「え」
    その瞬間だけ・・・ふわっず浮いたいや、暗闇に萜ちたような感芚。芖界が䞀瞬だけブラックアりトしたがすぐに元に戻った。䞀瞬の出来事だった。
    「疲れおるなヌ。やばいやばい。もう寝よ。」

    そしお振り返った私は 驚いお声も出せずに固たった。
    芋知らぬ女性がそこに立っお こちらを芋おいたのだ・・・。

    「あんた、誰」


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