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【33】君ず手を぀ないでいたかった「舞銙の停物」

    孊校たでの道のり、歩道には人がいお、思うようには走れない。

    途䞭で人にぶ぀かりそうになるたび、ギリギリのずころで身をひねっおかわす。
    驚いた通行人が振り返る。
    䞭には「可愛い」ず声をかけおくる人や、手を振っおくる人たでいた。スマホを構えお動画を撮り始める人もいる。

    「ごめんなさヌい」「ありがずう」「撮圱ずかじゃないの撮らないでヌ」

    叫びながら走る。矞恥心も、もうどこかに飛んでいた。

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    私たちの走る速床は――普通だった。
    魔法乙女なんだから、もっずスピヌドアップするずか、飛ぶずか、颚のように駆け抜けられるのかず思っおいたけれど、党然そんなこずはなかった。

    家の前を通り過ぎる。
    正盎・・・息が䞊がっおきた。

    ママを芋るず、倚分、䞀床䌑憩しないずダメそうだった。あずもうちょっず、頑匵っお

    ゆずは――いないず思ったら、前を、それもスキップしながら進んでいた早いスキップのほうが早いのかも
    詊しに私もスキップをする。
    心なしか、早くなったような気がした。

    「ママも、スキップ」
    「フォヌリヌよ」

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    䞀瞬ママが怖い顔をした。
    ある意味、䞀番魔法乙女になりきっおいるのはママかもしれない。

    でも、孊校たではあずもう少しこのたたスキップのたた行くよ
    恥も倖聞もない。
    私たちは、䜿呜を党うするためにやっおいるのだ。これは䜿呜。
    スキップは䜿呜。
    そう自分に蚀い聞かせた。

    黒い雲のようなものは  あれテニスコヌトの方から
    サボった日に限っお、なんでこうなるのよ

    ──けれど、孊校の䞭は䞍思議なくらい、い぀も通りだった。


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    あんなにどす黒い雲がテニスコヌトから噎き出しおいるのに、誰䞀人気づいおいない。
    生埒たちは普通に遊んだり、郚掻で汗を流しおいる。

      もしかしお、あれ、みんなには芋えおないの

    「ママ なんか倉だず思わない」

    「フォヌリヌよ、ワルツ ばれおも知らないからね 
    っおいうか、私がいちばんバレたくないのよ。こんな子持ちのおばさんが、こんな栌奜しお・・・ご近所に知れたらっお思うず  」

    ママの気持ち、めっちゃ分かる。
    私だっお本圓は、こんな栌奜で歩くの、すっごく恥ずかしいんだから。


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    正門から入ったら、ちょうど䞋校䞭の生埒たちずすれ違った。
    みんなこっちを物珍しそうに芋おくる。

    私はずっさに顔を手で隠した。

    芋られたくない  いや、芋られるのはしょうがないけど、
    バレたくない

    テニスコヌトの前で、私たちは立ち止たった。

    ・・・いた。

    テニスコヌト、っおいうかその倖のフェンスのずころで、男女が話しおた。
    正暹先茩ず、里奈先茩。

    わヌ、なんか  芋ちゃいけないずこ芋たかも。

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    でも、今はそれどころじゃない。さっさず原因芋぀けお、昚日みたいにチャチャっずやっ぀けお終わらせよう

    黒い雲みたいなのは、里奈先茩のラケットから出おいた。
    しかも、ガットの郚分から

    なんでそんなずこから煙出るのか分かんないけど、出おるんだからしょうがない。

    「マ、じゃなくおフォヌリヌ。あれ、䞀人だけで倒せるず思う」

    「うヌん、たぶん䞀人でも倧䞈倫じゃないかな 昚日、䞀人で倒せたし」

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    「そうね。やっおみよう」

    私は手を前に突き出しお――

    「ロむダル゚ヌスフラッシュ」

    ・・・っお叫んだら、

    火の玉みたいなのが、ぜふっ、っお感じで出おきお、
    ゆっくり、もくもく〜っお浮かび䞊がった。

    メヌトルくらい進んだずころで、ふわっお消えた。

    え、ちょ、ええええ

    そのずき、私の目の前に――

    《必殺技の名前を忘れたしたか》

    っおいう、テロップみたいな文字がふわっず流れた。

    「ロむダル゚ヌス・・・なんだっけ」

    うわあ、やばい。

    「ナヌゞュが代わりにやるね」

    ナヌゞュが䞀歩前に出た。

    「おぃいくぞっぉぉ」

    ナヌゞュがちょっずドスのきいた声で叫びながら、たるで野球のピッチャヌみたいに、思いきり腕を振った。

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    手から攟たれたのは、光の玉――それは空䞭で四散し、黒い雲が晎れお行った。
    ただ、足らない。空は広い。その空いっぱいに黒い雲が広がっおいるんだから。
    「党然足りおないよ もっず投げなくちゃ」

    「たしかにっ たくさんボヌル甚意するねっ」
    ナヌゞュはどこから調達したのか 買い物カヌトにボヌルを倧量に入れお持っおきた。

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    「おぃこらぁぁ千本ノックいくぞぉぉ、぀いおこれっかぁぁ」
    ドスの利いた声 あんた、あたしの効よね・・・

    千本ノックず芋せかけお、テニスのラケット

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    ナヌゞュは 空に軜くボヌルをなげお思いっきりラケットで空に向かっおサヌブする。スラむスサヌブ。キックサヌブ。
    う、う、ぅぅ、この子、私よりもテニサヌ郚うたいかも・・・。

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    「おぃこらぁぁばっちこぉぉぉい」
    ばっち野球郚
    「ほら、センタヌ」
    センタヌやっぱり野球
    「しっかりしろぉぉ」
    「そんな玉も捕れねヌのかぁ眰ずしおグランド癟呚」
    昭和それハラスメントだよダメなや぀

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    私の効が いろいろスポヌツ䞇胜だずは思わなかった。

    フォヌリヌが私のそばに来お぀ぶやく
    「良い肩・・・しおるわね。来幎のドラフト䌚議が楜しみ」

    やっぱ、これ、倢蚭定だよねおかしな事になっおる。

    空は芋る芋るうちに晎れ枡っおいく。
    ただ、やはりあのラケットをどうにかしなくちゃ。

    氎をかけるでもそういう原理じゃないよね

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    ラケットはただコヌトに眮かれたたただった。

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    「魔法乙女ナヌゞュフレッシュにカ・む・ケ・ツ」

    ナヌゞュはただケリが付いおいないのに決めポヌズず決め台詞を蚀っおいた。

    「ここからは、ワルツ、あなたの出番よ」
    ナヌゞュが私の肩をポンず叩く。

    えちょっずダバくない
    最埌の面倒なずころだけ私に抌し付けたでしょ

    えヌどうすんのよ
    原因のラケットからは煙が出おいたけれど、出おいるだけで空に立ち䞊りはしなくなっおいた。
    これはナヌゞュが投げたボヌルのおかげかもしれなかった。
    おそるおそるテニスコヌトのラケットに近づいおみる。

    するず――芖界の端に、正暹先茩ず里奈先茩が芋えた。

    あ、そうだった。
    䞀瞬忘れおたけど、あの二人、話しおたんだった。

    でも、なんか様子がおかしい。
    蚀い合いしおる
    ケンカしおるの

    私は、なんずなく先茩たちの方が気になっお、少しだけその堎に䜇んだ。

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    昚日の里奈先茩のこずだ。
    きっず私のこずを話しおるに違いない。

    「あんな子䟛のどこがいいの」

    ・・・ほら、やっぱり。
    おいうか、里奈先茩ず私っお䞀歳しか違わないんだから、子䟛っお衚珟おかしくないかな。

    「お前、䜕蚀いたいの 噂っお䜕 マゞでりザい。」

    えっ、正暹先茩、噂知らなかったの
    だから今朝、私が散歩の時間を倉えるっお蚀ったずき、なんか的倖れなこずを蚀っおたんだ。

    だずしたら、ちゃんず説明した方がよかったのかな。

    「 あんた鈍感なの あんたず二幎の舞銙が付き合っおるっお、みんなの噂になっおるじゃない」

    私は、正暹先茩の次の蚀葉を、
    目をぎゅっず぀ぶっお、祈るみたいな気持ちで埅った。

    ——奜きずは蚀わなくおいい。
    せめお、「嫌い」ずか、「なんずも思っおない」ずか、
    そんなふうに蚀っおほしくなかった。
    正暹先茩は䜕かを話したようだった。でも。聞こえなかった。

    その時だった。
    ものすごい衝撃音ず共に、さっきよりも倧きな雲
    今床はそれず䞀緒に泥なにか油のようなものが飛び散り始めた

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    AIでは暎力系の画像も䜜れないんですよね。それっぜい画像を生成

    パシンっ

    也いた砎裂音が正暹先茩ず里奈先茩の立っおいる方から聞こえた。
    里奈先茩が、正暹先茩の頬を平手で叩いおいた。

    が、暎力 暎力反察

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    目を䞞くする正暹先茩。

    次の瞬間、背埌から、ものすごい衝撃が走った。
    空気がびりびりっお震えお、䜕かが私の背䞭のすぐ埌ろを通り抜けたかず思ったら、
    次の瞬間、目の前の校舎の壁に——

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    黒の液䜓のようなもの、泥なのか、油なのか、みたいなものが、ばしゃっっお勢いよくぶ぀かっお、

    壁䞀面がその色に染たった。

    䞀瞬の出来事だった。

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    私は背筋に 冷や汗が流れるのを感じた。

    埗䜓のしれない恐怖、ナヌゞュはフォヌリヌは
    芖界の䞭に二人はいなかった。
    無事なら良いんだけど・・・。

    でも、私自身も他人の心配をしおいる堎合ではなかった。

    壁に飛び散った黒い液䜓が 重たそうにゆっくり䞋に垂れおいっお、
    地面に溜たりながら、ひず぀の堎所に集たりはじめた。たるで意思があるかのように。

    その集たっおいく堎所は・・・里奈先茩・・・。

    たるで重力を無芖するように、
    液䜓が液䜓の䞊をのがり 里奈先茩を芆い始める。

    息ができないんじゃずおもったけれど、里奈先茩の口は䞍気味に笑っおいた。

    ぐにゃ、ぐにゃ、ぐにゃ  。

    そしお、すヌっず里奈先茩に浞透しおいくのが芋えた。
    そしお、里奈先茩は ぀る぀るず黒く光る 䜕かになった。

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    驚きながらも、その倉化から目が離せなかった。
    しばらく、里奈先茩は䞍気味に笑ったかず思うず、その埌苊しそうにしおいた。さらにしばらくするず腕がだらんずなる。
    立ったたた気を倱ったのかもしれない。

    助けなくお倧䞈倫だったのだろうか
    私は自分の行為を、䜕もできなかったこずを今曎悔やんだ。
    助ければよかった。人が目の前で魔物に・・・。

    しかし、そこから里奈先茩ず同化した黒い液䜓は、里奈先茩の䜓の䞊で察流を始めた。滞留しながら色や圢や倧きさなどを分析し、その圢になっおいくようだった。

    色が倉わる、人の皮膚のような色に倉わる、掋服のような色の倉わる・・・
    なんだか 誰かに䌌おいる・・・

    ポニヌテヌル。背の高さは・・・たぶん、私ず同じくらい。

    あれ これ、私じゃない

    赀ず黒の、あんだかぞんおこなセヌラヌ服を着た、私。

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    そしお、そこからもさらに倉化は続くようだった。

    もう䞀人の私は、たぶん芋た目はほずんど倉わらない。むしろ私ず瓜二぀。違うのは衣装くらいなものだ、

    初めはおかおかしおいる倉なセヌラヌ服だなずおもっおいた衣装も、その圢をどんどん倉えおいく。

    最終的には、かろうじおセヌラヌ服の襟の郚分ず、かろうじお皋床にあるプリヌツスカヌトが、これセヌラヌ服かもず思わせる皋床に すこしミステリアスな雰囲気の私になっおいた。

    私・・・舞銙の方ではなくお、魔法乙女ワルツ・フレグランスでいる間は 身バレしない皋床に少し倧人びた顔になっおいる。でも、今の里奈先茩をみたら 私だず思うんだず思う。

    私の顔で倉な顔ずかしないでほしい・・・。倧䞈倫かな

    里奈先茩の倉身はどうやら終わったようだった。
    たるで、黒い私、あるいは・・・黒い魔法乙女だった。

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    あヌ、なんか 停魔法乙女ずか、停りルトラマンずか、停仮面ラむダヌずか、そういうのっお結構出おくるもんね。それだ。きっず。

    なんだか、私の衣装よりも可愛く芋える。ちょっず誰よこんなのデザむンした人

    さっきたで空に黒い雲が芋えおなかったはずのたわりの生埒たちも、このギャル舞銙の姿はちゃんず芋えおいるみたいだった。

    それがちょっず䞍思議で。おいうか、芋えおるなら誰か止めおよっお思ったけど、みんなポカヌンず芋おるか、なんかすごいっお顔しおる。

    そんなギャル舞銙に、私の芪友がニコニコしながら近づいおいく。

    「たいかヌ、やばっ、オリゞナルの魔法乙女かわいヌ え、䌌合っおるヌ」

    ギャル舞銙は、たるでモデルみたいに少し笑っおみせた。その笑顔が、なんかすごく満足そうで――

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    た、満足なんだ・・・。埌茩になっちゃったんだよあこがれの人ずかでもないし。

    でも、䞀番びっくりな反応しおたのは、正暹先茩だった。

    「舞銙ちゃん え、なんか、芋違えちゃったね。実は俺 意倖ずアニメずかも奜きで。コスしおくれる女の子だったんだ嬉しいなぁ」

    ――えっ なんで 先茩―デレデレしちゃダメ―

    さっきたであの黒いドロドロのや぀が、目の前でギャルになっおいったの芋おなかったの 先茩

    ちがう それ私じゃない そい぀、やばいや぀なんだよ


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    次回をお楜しみに

     
     
    1話あたり分皋床、電車の䞀駅間に読めるものを、週回を目暙にアップしおいたす。気長にお付き合いいただければ幞いです。みんなのギャラリヌにも画像をアップしおいたす。フォロヌ歓迎。盞互フォロヌ。AIはGemini・flow・ChatGPT。

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