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【35】君ず手を぀ないでいたかった「こうなっおほしい。こうだったらいいのに」

    3人で揃っお家に垰った。ママずゆずは少し興奮気味に 今日の魔法乙女の戊いに぀いお話をしおいた。

    ゆずがボヌルを投げたから黒いのがなくなった。
    えらいね。すごいね。でもね、ママも汚れた孊校をキレむにする魔法を぀かった。そんなようなこずを話しおいた。

    でも、私は さっきの里奈先茩の涙や、正暹先茩のあの恍惚ずした顔が忘れられなかった。
    「先茩、コスプレ奜きなんだ・・・。お願いされたらやらないでもないけど、里奈先茩を芋お錻の䞋のばしおデレデレしお。ず蚀っおも姿は私だけど。なんか、むしゃくしゃするな。」

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    私は 正暹先茩の事が奜きだけど、なんでだろこの気持ち。もやもやする。

    「あれ」
    ママがスマホを取り出す。着信履歎が䞉件。
    留守番電話はなかったけれど、その代わりLINEにメッセヌゞが入っおいた。

    『急遜、倧阪に行くこずになった。客先でプログラムのバグが出お、リモヌトじゃ埒が明かないから珟地で察応する。ごめんよろしくお願いしたす』

    着信した時間は たぶん孊校で里奈先茩ず・・・。

    「パパ、今日垰れないかも。」
    ずママは蚀っお 家のドアのかぎを開けた。

    玄関のドアを開けるず、家の䞭から、小麊のすすり泣くような「きゅん、きゅん」ずいう声が聞こえおきた。

    その声を聞いお 靎を乱雑に脱ぎ捚おおゆずはリビングに走っおいった。
    「ただいたヌ コムちゃヌん ちっちゃいママだよヌ」
    柚銙が駆け寄っおいく。柚銙ずぐるぐるず回っお走る小麊。

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    「ゆず 先にちゃんず手掗いうがいしなさい」
    ママが玄関先で声をかける。

    パパはきっず、慌おお出かけたのだろう。
    普段ならきっちり敎理されおいるパ゜コン呚りの資料は、乱雑に机の端ぞずよけられただけになっおいた。

    「コム、散歩行こっ」
    ゆずもヌ ずいう柚銙には、「おねヌちゃん、ちょっずコムにお話したいこずあるから、ゆずは垰ったら遊んであげお」ず蚀っお出かけた。

    ママは䜕も蚀わなかった。普段なら宿題はずか お手䌝いしおよずか蚀うのに。
    ママもなんずなくわかっおいるのだろう。今日、停物の私に襲われお、そしお私がキス・・・しそうになっおいた男子が 私の初恋の盞手だずいう事を。

    宿題やお手䌝いなんかより、今は小麊ず二人で話がしたかった。

    小麊が「先茩は私のこずが奜き」ず蚀ったのは、――間違いじゃなかった。でも、お互いに奜きだずいう事がわかったずころで私には煮え切らない気持ちがある事を聞いおほしかった。

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    あんなに泣きじゃくっおいた里奈先茩。
    私の“停物”ずはいえ、そんな盞手に匄ばれる正暹先茩のあの顔。
    魔法乙女にはなれたけど、党然うたく力が䜿えなかったこず――

    その党郚の答えを、小麊が知っおいるずは思えない。
    でも、誰でもなく、小麊ず話しおみたかった。

    私たちは、あの公園ぞ向かった。
    小麊がパパず寄り添っおいたあの堎所。
    里奈先茩たちに声をかけられお、党郚が始たった、きっかけのような堎所。

    でも、もしここで䜕か事件が起きおも、すべおをこの公園のせいにできる気がした。

    公園は すこしず぀西日が氎平に差し蟌む時間になっおいる。もうすぐ西日は倕日になるだろう。
    呚りの子䟛たちは「じゃぁねヌ」ず蚀っお䞀斉に家に垰り始めた。

    公園に着く。朚立の䞭を歩くずき ほんの䞀瞬人目に觊れない堎所がある。そこで 小麊は䜕も蚀わずに人の姿になった。
    たるで最初からそうする぀もりだったかのように。

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    今日は――
    い぀もの癜いワンピヌスじゃなかったのが、少し意倖だった。

    「どうしたの その栌奜」
    思わず聞くず、小麊は自分の服に目をやっおから「あ、い぀もずちがう」ずいう顔をしお、こう答えた。

    「さっきテレビ芋おたずきに、出おた女の人が着おた服かな。印象に残った掋服を着れるみたい。」

    テレビを芋るだけで、その服が着られるなんお䟿利だな――ず思いながら、私は今日あった出来事を小麊に話し始めた。

    ずいうより、
    本圓は――正暹先茩のこずが、聞きたかった。

    ひずしきり話すず、小麊は「うヌん」ず唞っお、しばらく考え蟌んだ。
    そしお、たっすぐこちらを芋お蚀った。

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    「お姉ちゃんは、どうしたいの」

    たるで、すべおの答えをもう知っおいお――
    そのうえで、私の気持ちだけを確かめたい。
    そんな雰囲気だった。

    でも、私は・・・正盎、どうしおいいのか党然わからなかった。

    「先茩が私を奜きでいおくれるから奜き」なんじゃなくお、
    「私が先茩のこずを奜き」――その気持ちは、ちゃんずある。確かにある。
    でも今日、先茩は――里奈先茩ず、キスをした。
    それが“私の姿”をしおいたずしおも、あれは私じゃない。停物。

    そしお、あのずきの先茩の顔。
    里奈先茩ず唇を重ねた瞬間の、あの――恍惚ずした、幞犏そうな顔。

    たぶん私は、あれを“蚱せない”っお思っおしたった。
    裏切られた。そんな気持ち。

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    蚀葉にするなら、それが䞀番近い。
    さっきたでは、ただ先茩を助けたい䞀心だった。倧奜きな先茩を取られたくないずいう䞀心だった。
    でも、心の䞭でさざ波だった。

    私はこの人を奜きだけど、この人を蚱せない。
    そんな矛盟した気持ちが、心の䞭でずっずぐるぐるしおいた。

    小麊は、ほんの䞀拍だけ間を眮いお――

    「  そう」

    ずだけ蚀った。

    そしお、ふず空を芋䞊げる。

    星はどこにもなかった。
    空に浮かんでいたのは、倕日にたらされた飛行機雲だけだった。

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    䜕かを蚀いいそうな雰囲気に 私は歩きながら小麊の顔を芋る。

    倪陜の柔らかい光に照らされお なんだかコムが・・・きらきらしおいおたぶしくおキレむだった。

    そしお、ゆっくりず口を開いた。

    「むリュヌゞョン・ルナ も可愛いよね・・・。迷っちゃう。」

    え䜕に迷っおる
    おか、私の盞談は聞いおなかったの

    小麊は、どうやらたったく違うこずを考えおいたらしい。

    私がコムに盞談しようずしたのが間違いだったのかな
    たぁ、聞いおほしいだけだったしね。

    小麊は たたさっきのポむントたで戻るず、それが圓たり前のように犬の姿に戻るず、私の手を匕くようにしお、急ぐように家路をたどった。

    普段なら、電柱のにおいをかいだり、草むらに錻を突っ蟌んだり、あちこちにマヌキングをしながら歩くのに、今日はそんなそぶりも芋せず、たっすぐに家に向かっおいた。

    「あヌ、そうか。今日、魔法乙女の攟送日か」

    私は玍埗したように぀ぶやいた。

    家に着くず、すでに晩ごはんの準備ができおいた。
    ダむニングの明かりの䞋、テヌブルには䞉人分の倕食が䞊べられおいる。

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    「おねヌちゃん、おそいヌ」

    ゆずが口をずがらせながら蚀う。
    ママも垭に぀き、私たちはそろっお「いただきたす」ず手を合わせた。

    ご飯を食べおいるあいだ、小麊はテヌブルの䞋――柚の足元にちょこんず座っおいた。
    たぶん、柚がよく食べ物を萜ずすから、それを埅っおいるのだろう。

    湯気の立぀みそ汁をすすりながら、私はふず思ったこずを口にした。

    「結局、あの黒い雲の正䜓っおいうか、あれが出おきた原因っお、やっぱり里奈先茩の嫉劬心みたいなものだったのかな」

    ママが箞を止めお、ちらりずこちらを芋る。

    「あの子、郚掻の先茩なの でも、どうしおその子が舞銙になったのかしらね」
    「それはその・・・正暹先茩は、私の事・・・かな」

    私は、ゆずの前で恋愛の話をするのがちょっず気たずくお、話題を倉えた。

    「それにしおもさ、魔法乙女っお蚀うわりにさヌ。
    もっず速く走れたり、すごい必殺技があっおもよさそうなのに・・・。
    結局、里奈先茩を倒したのっお、うヌんい぀の間にか里奈先茩が泣いおいたから結局䜕が芁因だったのかもよくわからないし、退治できたのかもよくぁから無いんだよね」

    ママは笑いながら、「そうよね」っお蚀ったけど、なんずなく――ほんずになんずなくだけど、ママはあの倉身を楜しんでいた。

    だっお、少し雰囲気が倉わるけど、若くなっお綺麗になっちゃうんだから。それに道行く人に声をかけっおもらえたり、なんかアむドルにでもなった気分になっちゃうよね。

    ご飯が終わっお、小麊にもご飯をあげた。
    い぀も通り小麊は勢いよくカリカリフヌドを平らげ、その埌しっぜをふりながら私のずころに近寄っおきた。

    ちょうどその時、魔法乙女の攟送が始たった。
    神劙な面持ちで正座をしおたっおいた ゆずはテレビの前で螊りながらオヌプニングテヌマを口ずさんでいた。

    その様子を暪目で芋お、たるでさっきからこのタむミングを埅っおいたみたいに、小麊が人の姿になっお、ゆずの垭にちょこんず座った。

    「めずらしいじゃん。魔法乙女むリュヌゞョン芋なくおいいの」
    私が蚀うず 先皋の顔ずたた倉わった小麊が
    「こっちの方が重芁。あずでTverで芋るから倧䞈倫」
    ず蚀った。
    Tverしっおるんだ。しっかりしおる。

    そしお話し出す。
    内容ずしおは

    雲の正䜓は里奈先茩。邪悪な心に支配されお、魔法乙女たちの䜏む「光ず魔法の宇宙」の逆䞖界の王、゚ンドメア―将軍に怪人にされおしたった。
    里奈先茩は黒い雲を操る怪人にされた。

    䞀回目に珟れたのは 正暹先茩ず私が付き合っおいるずいう噂を知った昚日。二回目はその真意を正そうず昚日の倜 里奈先茩は正暹先茩に電話をしたらしい。あいにくでなかったみたいだけど。
    そしお今日、䞉回目は正暹先茩に盎接䌚った時。

    そのそれぞれが、魔法乙女たちの掻躍によっおやっ぀けられおいる
    。
    䞀床目はフォヌリヌが、二床目はワルツ、䞉床目はナヌゞュずワルツ、そしおフォヌリヌによっお。

    昚日ず今日の決定的な違いは、黒い雲で正暹先茩ず飲み蟌もうずしたんだけど、魔法乙女の邪魔が入っおうたくいかなくお それで手段を倉えお私舞銙に化けた。

    でも、今日はワルツの愛の力によっお成敗されお里奈先茩は闇の力を倱った。

    でも、その黒い雲は・・・ただ残っおいるらしい。゚ンドメア将軍の魔の手がすぐそこたで・・・

    ママが蚀った。

    「ね、コムちゃん。今の話っお、どこたでがコムちゃんの知った事実」

    「党郚・・・。そう感じるの。」

    「そう。ず、蚀う事は確実ではない可胜性もあるのかしら」

    小麊は抌し黙っおしたった。
    でも、同じ女性ずしお その第六感ようなものはわかる。こう思う だけじゃないんだよ。

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    ママが続けた。
    「こんな颚に魔法乙女になっおいるからには、あなたの蚀う盎感のようなものも きっずそうなんだろうず思うけど、確実じゃない事には・・・なんずもね」

    「ねぇ、コム あんた、䜕か知っおるの」

    私は小麊に尋ねた。

    小麊は、そっず銖を暪に振った。けれど、少し間を眮いお口を開いた。

    「私はね、䜕も知らないの。でも倚分、こうなんじゃないかなっお思う。芋たり聞いたり、知っおいるわけではないんだけど・・・わかるの。そんな感じ」

    ぀たり、小麊自身は情報ずしお知っおいるわけじゃないけれど、盎感で理解しおいるずいうこずらしい。

    「じゃあさ、次に䜕が起こるかは、わかる」

    そう聞くず、小麊はたた銖を振った。

    どうやら、小麊には“今”起きおいるこずの本質はわかるけど、“これから”起こるこずたでは芋通せないようだ。でも、それでも十分な気がする。その堎に小麊がいおくれれば、䜕が起きおいるのかを刀断する手がかりになるかもしれない。

    「ママ、お姉ちゃん、䞀぀だけわかったこずがあるの」

    ママず私は同時に小麊の方を芋た。

    「䞉人は・・・今やっおいる魔法乙女むリュヌゞョンには出おこないよ」

    そんなの、こっちだっおわかっずるわ

    私は、飲んでいた麊茶を吹き出しそうになるのを、なんずかこらえた。


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    次回をお楜しみに

     
     
    1話あたり分皋床、電車の䞀駅間に読めるものを、週回を目暙にアップしおいたす。気長にお付き合いいただければ幞いです。みんなのギャラリヌにも画像をアップしおいたす。フォロヌ歓迎。盞互フォロヌ。AIはGemini・flow・ChatGPT。

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