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難しくて美しいもの。

    サカナクションが好き。

    もう、かれこれ 10 年くらいは好きをを公言していて、自他共に認める「 魚民 」である。

    初めて知ったのは、2013 年にリリースされた『  僕と花 』
    その 深くて美しい文学的な表現に、思わず歌詞を熟考じゅっこうした。

    サカナクションは、ラブソングを歌わない( ように思う )
    だが、そこが いい!!
    情熱的な気持ちや、切なくて身を焦がす想い。
    それらを多角的に広角発射すれば、それなりの人の心に刺さり、幾いくらかの人は自己を投影し共感する。
    多くの人に恋愛経験がある為、わかりやすく、ウケがいいのだ。
    ラブソングを主軸に歌っているアーティストも多いし…
    実際、音楽業界において「 ラブソング 」とは一番売れるジャンルであり、掃いて捨てる程歌われ、今もまるで、使い捨てのように量産されているのが現実であろう。

    少々嫌な言い方をしてしまったが、いつの時代も、' わかりやすい ' ものは ウケがいい。
    誰しも、' わからない ' に対して、自分の頭で考えることを億劫おっくうに感じる。
    スマホでググれば、' 欲しい答え ' すら出てくる時代。
    思考停止して、微温湯ぬるまゆに浸かっているのが非常に心地よいのは、常であろう。

    そんな中、サカナクションの歌詞は、わからないし難しい。
    この ' 難しい ' が、私の頭を引っ掻いた。
    わからないものは知りたく、難しいものは解読したくなる性分だ。
    知的欲求は大いに駆り立てられ、又、深遠しんえん且かつ叙情的なところが心を震わせ、見事に好みと合致したのである。

    『 難しくて美しいもの 』は、サカナクションのボーカルであり、作詞作曲を手懸ける 山口一郎さんが「 音楽 」を語るときによく使う表現であるが…
    実に端的で深い言い回し。
    目にした瞬間に、甚いたく感銘かんめいを受け、私が求めていたものは これだ!!と思った。

    幼い頃から本に囲まれ、物心がついた頃には、文字を綴つづることが好きだったが…
    思春期になると、それに少し恥ずかしさを覚えひた隠しにし、周りに合わせるようになった。
    majority( マジョリティ )に属していれば、孤独を感じることも、浮くことも不安になることもない。
    ただ、いつも何か物足りなくて、自我とは何か、個我とは何かを欲していた。
    そういう年頃なのだと言われれば、それまでかもしれないが…
    そんな時に、サカナクションに出逢う。
    お世辞にも万人受けしないであろう歌詞の世界観と、一つのジャンルやカテゴリーにあてはめられないと評されるポップでもあり、ロックでもあり、ダンスミュージックでもある音。
    共に、とても、『 難しくて美しい 』
    minority( マイノリティ )界のトップであり、私の最大の上位互換だと思った。

    サカナクションが目指すのは、『 マジョリティとマイノリティの間に立つ ' 通訳 '  』だという。
    流行りのヒットチャートではなく、好きな音楽を探して聴く。
    周りに合わせて生きるのではなく、私らしさを探求し大切にする。
    保守的思考で、HSP 気質の為、空気や顔色を読みがちではあるが…
    身体の中には いつだって、核になるものが熱く滾たぎっているのだ。
    サカナクションは、そんな私で居ることを赦ゆるし、居場所を与えてくれたと感じた。

    そして、そんな 敬愛する一郎さんのツイートによく似せて、note の TOP を 『 私は まだ、夜を乗りこなせそうにないな。』にしているのだが…
    それは また、別の機会にでも…




     
     
    私は まだ、夜を乗りこなせそうにないな。

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