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ひと色展【短文】*夢を見た*

    お茶畑にいる夢をみた

    どこまでも広がる新茶の時期の緑まぶしいお茶畑

    見上げると、真っ青な空に白い雲

    ところどころに立っている、電柱みたいな霜よけの扇風機

    どこかのお茶工場から、お茶を蒸す良い匂いがする

    いつまでもいつまでも嗅いでいたい緑の葉っぱの匂い

    夢の中だけど目を閉じて、胸いっぱいに吸い込む

    あ~幸せ。お茶の産地の幸せ。

    目を開くと、雲の上の茶店の赤い毛氈に座っているわたし。眼下に広がるお茶畑。

    お茶名人のおじいさんが「さあどうぞ」とお茶を淹れてくれる

    とびきりのお茶は緑色じゃない。金色をしている。緑から生まれた金色だ。

    「いただきます!」

    白い茶碗を手に取ったところで目が覚めた。

    新茶だ。新茶を飲もう。新茶を飲まなくては。

    五月なんだから。


    *イシノアサミさんのひと色展コラボに参加させていただきました。イシノアサミさん、ありがとうございます。
    *テールベルトから生まれた小品です。


     
     
    日常からファンタジーへと誘う世界を描きます。 短編、詩、俳句、エッセイなど。 ときどきstand.fmで朗読します。 2025年4月から放送大に入りました。

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