
言うことを聞かなくなるのも成長?|子どもの正常発達の話
今日は久しぶりに、少し真面目な小児科の話。
普段、発達外来では「言葉が遅い」「落ち着きがない」「集団生活が苦手」など、子どもの発達に関する相談を受けている。
どうしても、できないことや困っていることに注目する機会が多い。
しかし、そもそも子どもの発達とは何なのだろう。
寝返りができるようになった。歩けるようになった。言葉が出るようになった。
こうした変化はわかりやすい。
でも、発達とは単純に「できることが増える」だけではない。
例えば、今まで素直に言うことを聞いていた子が、突然何でも嫌がるようになる。
何でも自分でやりたがる。
親が手伝うと怒る。
そして、自分ではうまくできずに泣く。
親としては、正直めんどくさい。
しかし、こうした変化にも発達的な意味がある。
自我の芽生えと自律性
1歳後半から3歳頃にかけて、子どもは自分の意思を強く主張するようになる。
いわゆるイヤイヤ期である。
発達心理学では、エリクソンの心理社会的発達理論における「自律性 対 恥・疑惑」の時期とも重なる。
自分で選びたい。
自分でやりたい。
自分の思い通りにしたい。
こうした気持ちが育ってくる一方で、感情を調整する力や、先の見通しを立てる力はまだ十分に発達していない。
そのため、やりたいことができなかったり、親に止められたりすると、強い怒りや泣きにつながる。
つまり、自己主張する力と、自分をコントロールする力の発達には差があるのだ。
もちろん、イヤイヤが強ければ強いほど発達が進んでいる、というわけではない。
気質や言語能力、睡眠、環境などによっても行動は大きく変わる。
ただ、自己主張そのものは幼児期の自然な発達の一部である。
わかっているのに、やってしまう
これも子育てをしているとよく経験する。
「そこに行かないで」
「触らないで」
「投げないで」
言っていることは理解しているように見える。
それなのに、やる。
しかも、こっちの顔を見ながらやる。
なぜなのか。
ここには、実行機能の発達が関係している。
実行機能とは、簡単に言えば、自分の行動を目的に合わせて調整する力である。
例えば、やりたいことを我慢する。気持ちを切り替える。決まりを覚えて守る。
こうした能力は幼児期から発達していくが、まだ未熟である。
そのため、「やってはいけない」と理解していても、目の前の魅力的なものに引っ張られてしまうことがある。
もちろん、すべてのいたずらが実行機能の未熟さだけで説明できるわけではない。
親の反応を楽しんでいたり、単純に好奇心が勝っていたりすることもある。
つまり、言葉の理解と行動のコントロールは別の能力なのだ。
親はどう対応すればいいのか
では、イヤイヤ期や自己主張にどう付き合えばいいのだろう。
基本は、子どもの意思を尊重しながら、必要なところには境界線を引くことだと思う。
例えば、服を着たがらないなら、
「赤い服と青い服、どっちにする?」
と選択肢を用意する。
自分でやりたがるなら、危険がない範囲で任せてみる。
できなかったら、必要な部分だけ手伝う。
そして、うまくできたことや、頑張って取り組んだことを具体的に褒める。
一方、道路への飛び出しなど、危険な行動は別である。
そこは本人の意思を尊重する以前に、安全を確保しなければならない。
また、感情が爆発している最中に、長々と理屈を説明しても伝わりにくい。
まずは安全を確保し、落ち着いてから短く伝える方がよいことも多い。
ただし、何でも「正常発達」で片づけない
ここは小児科医として書いておきたい。
イヤイヤや自己主張が幼児期によく見られるからといって、どんな行動でも「成長だから大丈夫」と考えてよいわけではない。
本人や家族の生活に大きな支障が出ている。
自分や周囲を傷つける行動が頻繁にある。
言葉や対人関係など、ほかの発達面にも気になることがある。
こうした場合は、背景に別の困難がないか確認する必要がある。
また、一度獲得した言葉や社会的な技能などが明らかに失われている場合は、単なるイヤイヤ期とは分けて考える。
正常発達の知識は、何でも心配しなくてよいと判断するためだけのものではない。
どこまでが年齢相応の変化で、どこから個別の評価が必要なのかを考えるための土台でもある。
最後に
子どもの発達は、親にとって都合のよい方向にだけ進むわけではない。
昨日まで素直だった子が、今日は何でも拒否する。
言葉が増えたと思ったら、口答えも増える。
自分でできることが増えたと思ったら、何でも自分でやりたがって、かえって時間がかかる。
それでも、そうした変化の中で、自分の意思を持ち、少しずつ自分の行動を調整する力を身につけていく。
頭ではわかっている。
小児科医としては、そう説明できる。
ただ、実際に自分の子どもが言うことを聞かず、公園の水たまりに飛び込んでいくのを見ると、そんな悠長なことは考えていられない。
成長しているのはわかった。
だから、とりあえず靴を脱いでからにしてくれ。
*今回は全文AIが書いた記事でした。気づきました?
