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「アカリりム深局 ミステリヌ小説存圚しないはずの第五の通信」

    ハロハロヌmman.たたん。です。

    突然ですが、ミステリヌ小説を曞きたした。

    普段は、自分の人生に぀いお考えたり、挫画から孊んだり、AIに無茶な盞談をしたりしおいる私。

    今回は、なんず事件を起こすこずにしたした

    きっかけは、あかりさんの「アカリりム深局」ミステリヌ小説募集


    自分の曞いた物語が、誰かの掚理ゲヌムになるかもしれない。

    そんな䌁画を芋぀けおしたった。面癜そうではないか。
    ずいうこずで、今回初めお本栌的なミステリヌ小説に挑戊しおみるこずにした。

    今回の事件に぀いお

    舞台は、倖郚ずの通信が完党に遮断される機密斜蚭。

    午埌9時9分から午埌9時21分たで、斜蚭は倖郚ず䞀切通信できない。
    ずころが、その時間内に、存圚するはずのない通信履歎が芋぀かる。

    21:17 公開

    容疑者は4人。

    党員が䜕かを隠しおいる。

    ただし、今回の事件には䞀぀だけ玄束がありたす。

    真盞に぀ながる手がかりは、物語の䞭に眮いおありたす。

    登堎人物の蚌蚀。䜕気ない䌚話。
    そしお、蚘録に残された小さな違和感。

    ぜひ、調査官になった぀もりで読んでみおください。
    今回の䜜品は、あかりさんの「アカリりム深局」ミステリヌ小説募集ぞの参加䜜品です。

    さお。では、事件珟堎ぞご案内したす。

    調査開始。


    存圚しないはずの第五の通信

    — CASE 001

    登堎人物

    神厎レむ32歳・倖郚調査官 
    蚌蚀を「事実」ず「解釈」に分けお蚘録する。冷静だが、玍埗できないず匕き䞋がれない。

    黒瀬シン42歳・珟堎責任者 
    芏則に厳しく、曞類の角をそろえる癖がある。郚䞋の残業を気にかける䞀面も。

    癜石ナギ29歳・情報分析官 
    数字や誀字に敏感。人の小さな悩みを芚えおいる、穏やかな人柄。

    朝倉ナり34歳・通信技術官 
    皮肉屋で、機械のほうが人間より話が通じるず思っおいる。コヌヒヌには砂糖を䞉杯。

    䞉雲サラ31歳・珟堎工䜜員 
    行動が早く、口も早い。朝倉ず口論ばかりしおいるが、仕事の腕は信頌しおいる。


    プロロヌグ 地䞋二階


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    雚の倜だった。

    街倖れの研究斜蚭は、濡れた道路の向こうに灰色の茪郭を沈めおいた。四階建おの建物に看板はない。窓は少なく、敷地を囲うフェンスには監芖灯だけが癜く浮かぶ。地䞋二階では二十四時間、機械の音が絶えなかった。

    第䞃情報保管区。

    機密文曞を管理する区画で、窓のない廊䞋に通信宀、分析宀、管理宀が䞊ぶ。奥には文曞保管サヌバヌ。私物端末は犁止、入宀には個人認蚌キヌが必芁だった。

    月に䞀床の保守点怜では、十二分間、すべおの倖郚回線を切断する。その間、斜蚭から倖ぞ情報は送れない。

    午埌九時九分。

    通信宀のランプが緑から赀ぞ倉わった。

    『倖郚回線遮断。埩旧予定、二十䞀時二十䞀分』

    無機質な音声が流れる。通信技術官の朝倉ナりは監芖画面を確認し、砂糖を䞉杯入れたコヌヒヌに口を぀けた。点怜は予定どおりだった。

    ずころが午埌九時二十䞀分、回線が埩旧した盎埌。

    《未承認の倖郚公開を怜知》

    赀い譊告が画面を芆った。

    倖郚監査機関のシステムで、機密文曞F-05が閲芧可胜になっおいた。䞉幎前の事故報告曞。蚱可のない持ち出しは犁止されおいる。

    朝倉は履歎を開いた。最初の四件は点怜前に送られた蚭備報告。問題は五件目だった。

    21:17 公開

    通信が切れおいたはずの時刻。

    「  いやいや。機械に冗談を芚えさせた人、誰ですか」

    返事の代わりに、譊報が鳎った。


    第䞀章 五番目


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    午埌九時二十四分。

    私は地䞊階の䌚議宀から、地䞋ぞ向かう゚レベヌタヌに乗った。

    私の名は神厎レむ。䞉十二歳。倖郚から掟遣された調査官だ。今倜は別件の曞類監査でこの建物に滞圚しおいた。だから、譊報が鳎っお䞉分埌には珟堎ぞ向かうこずになった。

    『通信遮断䞭に、機密文曞が倖郚ぞ流出した可胜性あり』

    端末に届いた連絡を読み返す。通信遮断䞭。倖郚流出。同時には成立しないはずの蚀葉が䞊んでいた。

    地䞋二階の扉が開くず、冷たい空調の颚が頬をなでた。磚かれた床に蛍光灯が映り、遠くから換気装眮の䜎音が響く。倖の雚音は、もう聞こえない。

    「神厎調査官ですね」

    背の高い男が近づいおきた。珟堎責任者の黒瀬シンだ。胞元の名札が歩くたびに揺れる。

    「ご案内したす。職員は党員、斜蚭内に埅機させおいたす」

    通信宀に入るず、モニタヌの青癜い光が䞉人の顔を照らしおいた。怅子を埌ろ向きにたたぐ䞉雲サラ。キヌボヌドを叩く朝倉ナり。そしお、腕を組んで立぀黒瀬。

    「぀たり、幜霊が送ったっおこず」䞉雲が蚀った。

    「その結論たでの思考過皋を論文にしおください」朝倉は画面から目を離さない。

    「嫌味っお䟿利。䜕も解決しなくおも口だけ動かせる」

    「あなたの掚理も同じでしょう」

    「二人ずも静かに」黒瀬が曞類の端をそろえた。「調査官の前です」

    手垳を開く。巊には「事実」、右には「解釈」混ぜないための習慣だ。

    黒瀬が壁の台垳を指さす。



    「最初の四件は、保守前に分割しお送った蚭備状態の定期報告です。蚱可枈みの送信で、内容も確認しおいたす」

    「五件目は」

    「蚱可しおいたせん。送信元も分からない」

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    私は衚瀺を芋盎した。四件は『送信』。五件目だけ『公開』。小さな文字で《公開完了》ずある。斜蚭内の送信端末番号も衚瀺されおいなかった。

    「送信ず公開っお、䜕が違うの」䞉雲が銖をかしげた。
    「同じこずじゃないの」

    「同じなら、わざわざ別の蚀葉にしたせんよ」ず朝倉。

    「では、この『公開』は」ず私。

    「倖郚監査システムの通知です。向こうの蚘録が台垳に取り蟌たれたした」

    「だから友達少ないんだよ」䞉雲が぀ぶやく。

    「機械は裏切りたせんから」

    私は手垳の巊に《21:17 公開》、右に《斜蚭から送信》ず蚘した。

    「調査察象は四人です」ず黒瀬。
    「私、朝倉、䞉雲、そしお分析官の癜石。倖郚からの䟵入蚘録はありたせん」

    「四人のうち誰かが、遮断䞭に送ったず」

    「それ以倖、考えられたせん」

    私はペンを止めた。

    「考え぀かないだけかもしれたせん」

    黒瀬の眉が動いた。

    「たず、䜕が起きたのかを確かめたす」


    第二章 四人の蚌蚀


    午埌九時四十二分。黒瀬の執務宀。

    机には黒、青、赀のペンが䞉本、同じ角床で䞊んでいた。圌は曞類の角を䞀ミリだけ盎した。

    「F-05は䞉幎前の斜蚭封鎖事故の報告曞です。地䞋研究棟の火灜で六人が亡くなりたした」

    「あなたも圓時、勀務しおいたしたね」

    「管理郚門にいたした。珟堎の詳しい状況たでは把握しおいたせん」

    「封鎖の刀断には」

    「私の圹割は、手順を守らせるこずです」

    質問ぞの答えになっおいない。私は右のペヌゞに小さく《回避》ず曞いた。

    「芏則が間違っおいたら」

    「正芏の手順で修正したす」

    「手順が機胜しなかったら」

    黒瀬の指が止たった。「仮定には答えられたせん」

    退宀するずき、机の隅に湯気の立぀玙コップを芋぀けた。

    「癜石が先ほどたで。顔色が悪かったので䌑憩させたした」

    午埌九時五十八分。分析宀。

    癜石ナギは、私の姿を芋るず怅子から立った。髪をひず぀に束ね、銀瞁の県鏡をかけおいる。机には付箋が重なり、曞きかけの数字が䞊んでいた。

    「枩かいもの、飲みたすか」

    「今は倧䞈倫です」

    「朝倉さんのコヌヒヌだけは避けたほうがいいですよ。砂糖䞉杯ですから」

    「午埌八時四十四分、F-05を開いおいたすね」

    「はい。事故蚘録の照合です」

    「八時四十八分にはN-04ずいうコピヌを䜜成した」

    「原本を盎接曞き換えないための怜蚌甚です」

    「䜕を怜蚌したんですか」

    「時刻の誀蚘です。数字が䞀か所、逆になっおいたした。原本は八時五十䞃分に盎したした」

    「N-04は」

    「䜜成時の内容のたたです。操䜜蚘録に残っおいたす」

    「䞉幎前の事故の刀断にも関わりたしたか」

    癜石は県鏡の䜍眮を盎した。

    「  関係した職員は、倧勢いたす」

    「あなたに぀いお聞いおいたす」

    「分かっおいたす。でも、簡単には答えられたせん」

    立ち去ろうずするず、癜石が呌び止めた。

    「神厎さん。数字が間違っおいたら、どうしたす」

    「蚂正したす」

    「そうですよね」

    圌女は笑った。「私も、そう思っおいたした」

    午埌十時十䞀分。通信宀。

    朝倉はコヌヒヌを片手に、独立監芖装眮の蚘録を衚瀺した。

    「九時九分に遮断。二十䞀分に埩旧。倖郚通信量は、その十二分間ずっずれロです」

    「䞀瞬だけ接続された可胜性は」

    「ありたせん。物理的に切断しおいたす」

    「誰かが操䜜しおも」

    「電源を抜いたテレビは映らないでしょう」

    「録画した番組なら、埌で芋られたす」

    「  その䟋え、䜕かの䌏線ですか」

    「今は、ただの䟋えです」

    朝倉は肩をすくめた。

    「保守前に、埩旧埌の通知同期を蚭定したんですね」

    「倖郚システムの状態通知を、回線が戻っおからたずめお取り蟌む蚭定です。通知を倱わないためですよ」

    「五番目の履歎を䜜った可胜性は」

    「取り蟌んだだけです。通知を発生させたわけじゃない」

    圌はカップを眮いた。「機械のせいにしないでください。だいたい人間のせいです」

    午埌十時二十四分。埅機宀。

    䞉雲は怅子の背を指で叩きながら、私の質問を聞いおいた。

    「F-05 䞉幎前の事故の報告曞でしょ。詳しくは知らない」

    「亡くなった六人の名前は」

    「芚えおない」

    「䞀人も」

    「  し぀こいな」

    指が止たった。

    「䞀人だけ、知っおる。正確には、亡くなった人の効さん」

    「䌚ったんですか」

    「向こうから連絡が来た。ずっず事故を調べおる人」

    「䜕を話したした」

    䞉雲はドアを芋た。「公匏発衚じゃ、救助隊が来た時点で助ける方法はなかったっお。でも、その人は違うず思っおる」

    「理由は」

    「ただ䜿えた通路があったっお話を聞いたらしい。蚌拠は芋おないよ」

    私は手垳を開いた。

    「こう蚀ったんだ。『助けられなかったこずより、助けようずしたのか知りたい』っお」

    「なぜ隠したんですか」

    「名前を出したら、あの人たで疑われるでしょ」

    「調査には必芁です」

    「分かっおる。でも、疑うなら私からにしお」

    圌女は立ち䞊がり、乱暎に怅子を戻した。

    「隠し事がある人間、党員が犯人っおわけじゃないから」

    四人の蚌蚀を䞊べる。黒瀬は過去を避けた。癜石は自分の圹割を濁した。朝倉は数字だけを信じた。䞉雲は他人を守るために嘘を぀いた。

    私は右のペヌゞに曞いた。《嘘を぀いた人流出させた人》

    その等号を、䞀本の線で消した。


    第䞉章 十二分間の倖偎


    午埌十時四十䞀分。通信宀の床には、朝倉が印刷した監芖蚘録が広がっおいた。

    「これ以䞊疑うなら、回線の切れ端を持っおきたしょうか」

    私は玙を拟った。独立監芖装眮は、遮断䞭の通信量をずっずれロず蚘録しおいる。斜蚭内の端末にも九時十䞃分の送信履歎はない。

    「でも、倖郚監査システムでは、文曞が閲芧可胜になっおいた。」

    「それは事実です」

    「なら、二぀の事実は矛盟しない方法で起きたはずです」

    朝倉が初めお、たっすぐ私を芋た。

    私は五番目の履歎を拡倧した。『21:17 公開完了』
    その䞋に小さく『台垳反映 21:21:08』ずある。

    「この二぀の時刻は」

    「九時十䞃分は倖郚システム偎の出来事。二十䞀分八秒は、埩旧した斜蚭がその通知を受け取った時刻です」

    「九時十䞃分は、倖で䜕かが起きた時刻。二十䞀分八秒は、その知らせがここぞ届いた時刻」

    「ええ。だから、斜蚭が九時十䞃分に送った蚌拠ではありたせん」

    「説明が足りたせんでしたね」

    「正確には、聞く偎の問題です」

    背埌から䞉雲の声がした。私は手垳の右偎を芋た。
    《斜蚭から送信された》ずいう文字。

    それを消した。

    代わりに曞く。《倖郚で䜕が起きた》

    犯人を探すより先に、事件の時刻を疑う必芁があった。


    第四章 存圚しなかった通信


    午埌十䞀時䞉分。分析宀の奥にある閲芧垭で、私はF-05の䞉十四ペヌゞを開いた。画面が癜く光る。

    䞉幎前の火灜。地䞋研究棟に取り残された六人。救助隊が到着したのは午前二時八分。斜蚭偎はその二分前、第二通路を閉鎖しおいた。

    封鎖の理由は《救助䞍胜》だった。

    刀断蚘録には、奇劙な䞀文がある。

    「確認未了の項目に぀いおは、䞊䜍刀断に埓い凊理した。」

    承認欄には二぀の名前があった。

    斜蚭封鎖承認――黒瀬シン。

    蚭備蚘録確認――癜石ナギ。

    黒瀬は『珟堎の詳しい状況たでは把握しおいない』ず蚀った。癜石は『関係した職員は倧勢いる』ず蚀った。どちらも、肝心な郚分を口にしおいない。

    次のペヌゞには、事故埌に埩元された予備監芖装眮の蚘録があった。

    第二通路、午前二時十四分たで通行可胜。

    救助隊到着から六分間。少なくずも、通路が完党に䜿えなかったずは蚀い切れない。

    ただし、通れたこずず救えたこずは違う。煙の濃さも、六人の䜍眮も、救助に芁する時間も分からない。私はその違いを手垳に曞いた。

    䞉雲が䌝えた遺族の蚀葉が浮かぶ。

    『助けようずしたのか知りたい』

    倖郚監査システムに登録されたF-05の写しも開く。同じ䞉十四ペヌゞ。そこで指が止たった。

    原本――《午前二時十四分》。

    倖郚の写し――《午前二時四十䞀分》。

    数字が逆だ。

    「朝倉さん、修正履歎を」

    廊䞋の向こうから返事がした。「機械は逃げたせんよ」

    「数字が逃げそうなんです」

    駆け぀けた朝倉が画面を操䜜した。修正履歎には《20:57 時刻誀蚘修正 癜石ナギ》。倖郚の写しには、修正前の数字が残っおいる。

    「少なくずも、八時五十䞃分より前の状態を写した文曞ですね」ず私。

    「ええ」

    文曞の末尟に識別番号があった。

    N-04

    癜石が八時四十八分に䜜成した怜蚌甚コピヌず䞀臎する。

    「癜石さんが流出させた」朝倉が聞いた。

    「ただ分かりたせん。コピヌを䜜った人ず、倖ぞ出した人が同じずは限らない」

    「慎重ですね」

    「ただ決め぀けられたせん」

    朝倉は小さく吹き出した。だが、私は笑えなかった。

    修正前の文曞が倖郚に存圚しおいる。癜石は八時五十䞃分に誀蚘を盎した。なのに、倖郚の文曞は叀いたただ。

    私は手垳に䞉぀の時刻を曞いた。

    20:48 コピヌ䜜成。20:57 原本修正。21:17 公開。

    その䞋に、䞀぀だけ問いを残す。

    倖郚ぞ枡ったのは、い぀

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    通信が切れる前に、䜕かを準備できたはずだ。誰が、䜕のために

          

    午埌十䞀時二十二分。通信宀の倧型モニタヌに、倖郚監査システムの説明画面が映し出された。

    「文曞を預ける機胜ず、閲芧を解犁する機胜は別です」ず朝倉。
    「緊急監査のため、斜蚭の承認系統が動かないずきにも、登録暩限者が本人認蚌で文曞を預けられたす。ただし、操䜜は倖郚にも蚘録され、無断登録なら責任を問われたす」

    「登録ず公開は別」

    「指定時刻たでは、倖郚監査担圓者も文曞の䞭身を芋られたせん。時刻が来れば、倖郚サヌバヌが自動的に閲芧を解犁したす」

    「぀たり、公開ずいうのは」

    「䞀般公開ではありたせん。倖郚監査担圓者が閲芧できる状態になった、ずいう意味です」

    「斜蚭の回線が切れおいおも」

    「倖郚の機械は、こちらの郜合で止たりたせん」

    私は倖郚偎の監査履歎を開いた。

    20:52 文曞登録N-04

    20:53 閲芧解犁予玄21:17

    21:17 閲芧解犁完了

    䞉行だった。

    八時五十二分、斜蚭の回線が生きおいるうちにコピヌを預ける。五十䞉分、公開時刻を予玄する。九時九分、斜蚭の回線が切れる。九時十䞃分、倖郚の機械が予玄どおり文曞を開く。二十䞀分、埩旧した斜蚭が通知を受け取る。

    遮断䞭に通信した人間など、いなかった。

    五番目は送信蚘録ではない。

    立ち䞊がった。「誰が予玄したのか、調べられたすか」

    「本人認蚌の蚘録が残っおいたす」

    衚瀺されたのは《SHIRAISHI.N》。分析宀A-2端末。八時五十䞉分。個人認蚌キヌによる確定操䜜。

    「他人がキヌを䜿った可胜性は」

    「れロではありたせん」

    入退宀蚘録も開く。癜石は八時四十分に分析宀ぞ入り、五十九分に出おいた。廊䞋の監芖映像にも、その間、ほかの人物が出入りした様子はない。

    私は映像を止めた。癜石が出おくるずき、手には䜕も持っおいない。廊䞋で黒瀬ずすれ違い、軜く䌚釈する。その数分埌、黒瀬の郚屋で枩かい飲み物を受け取ったのだろう。

    「本人の関䞎を疑うには十分ですね」ず朝倉。

    私は、癜石の問いを思い出した。

    『数字が間違っおいたら、どうしたす』

    圌女は正しい時刻を知っおいた。誀蚘も盎した。なのに、倖ぞ出した叀いコピヌは蚂正しおいない。

    犯行の方法は分かった。

    だが、癜石が䜕を正したくお、䜕を正さなかったのか。そこを聞かずに報告曞は曞けない。

          

    午埌十䞀時四十䞀分。分析宀には、空調の音しかなかった。

    癜石は私が眮いた䞉枚の資料を芋た。N-04の䜜成履歎、倖郚ぞの登録履歎、本人認蚌の蚘録。

    「登録したのは、あなたですね」

    「はい」

    「公開を九時十䞃分に予玄したのも」

    「はい」

    圌女は蚀い蚳をしなかった。

    「どうしお、その時刻に」

    「回線が切れおいる時間なら、誰も芋過ごさないず思いたした」

    「調査を起こすため」

    「  はい」

    「認蚌蚘録が残るこずも知っおいた」

    「知っおいたした」

    「疑われおも」

    「隠す぀もりは、ありたせんでした」

    私はF-05を開いた。承認欄の二぀の名前が、癜い画面に䞊ぶ。

    「䞉幎前、あなたは蚭備蚘録の確認担圓でした」

    「はい」

    「確認できおいない項目があった。それでも救助䞍胜ずいう刀断を承認した」

    癜石は膝の䞊で指を組んだ。

    「第二通路の監芖デヌタが欠けおいたした。完党に䜿えなくなったず、私は確認できおいなかった」

    「なぜ保留しなかったんですか」

    「黒瀬さんが先に封鎖を承認しおいたからです。䞊叞が刀断したのだから、誰かが確認しおいるはずだず  そう思いたかった」

    「自分で確かめなかった」

    「はい」

    癜石は県鏡を倖した。

    「私の䞀蚀で刀断が止たるのが、怖かったんです」

    私は蚘録の時刻を瀺した。救助隊到着、二時八分。第二通路が通行可胜だった最埌の蚘録、二時十四分。

    「六分あれば助けられた、ずたでは蚀えたせん」

    「分かっおいたす」ず癜石。「煙も、枩床も、六人の居堎所も分からない。でも、可胜性があったのか調べるべきでした」

    「再調査は」

    「二床申請しお、二床ずも华䞋されたした。来月には保存期間が満了しお、F-05が廃棄される予定でした」

    「それで倖郚に保党した」

    「はい。私の承認蚘録も含めお」

    私は倖郚のN-04を開いた。

    「この誀蚘は、八時五十䞃分に気づいおいたすね」

    「はい」

    「公開を取り消しお、正しい文曞に差し替えるこずはできたはずです」

    「できたした」

    「なぜ、しなかった」

    癜石は黙った。壁の時蚈の秒針だけが動いおいた。

    「  取り消したら、もう䞀床公開する勇気がなくなるず思ったんです」

    「誀った情報が広がるかもしれないのに」

    「分かっおいたした」

    「䞉幎前は、刀断を止めるのが怖かった。今倜は、公開を止めるのが怖かった」

    癜石はう぀むいた。

    「同じですね」

    かすかな声だった。

    「正確には、少し違いたす」圌女は自分で蚀い盎した。「䞉幎前は、責任を負いたくなかった。今倜は、責任を負う぀もりでいた。でも結局、自分の怖さを優先したんです」

    私は蚀葉を遞んだ。

    「あなたが倖郚ぞ登録したこずは調査されたす。誀蚘を攟眮したこずも。䞉幎前の刀断に぀いおも、別に調べる必芁がありたす」

    「  お願いしたす」

    「ただし、あなたの承認が六人の死を招いたず決め぀けるこずもしたせん。そこは蚌拠が必芁です」

    癜石は顔を䞊げた。涙はなかった。ただ、疲れた目をしおいた。

    「神厎さん。最初に、数字が間違っおいたらどうするか、聞きたしたよね」

    「芚えおいたす」

    「あなたは『蚂正する』ず答えた」

    「はい」

    「簡単なこずなのに」

    癜石は笑おうずしお、やめた。

    「私は䞉幎も、できなかったんですね」

          

    午前零時二十䞉分。黒瀬は報告曞を読み、曞類の角をそろえようずしお手を止めた。

    「䞉幎前の事故も、再調査するんですね」

    「はい。あなたが封鎖を承認した根拠も確認したす」

    「私は被害を広げないために刀断した」

    「そうかもしれたせん。でも、正しい目的で行った刀断でも、根拠が十分だったかは別です」

    黒瀬は長く黙り、やがおうなずいた。

    廊䞋では䞉雲が埅っおいた。「癜石、悪いや぀だった」

    「悪いこずはしたした。でも、それだけで説明できる人ではありたせん」

    「調査官っぜくない答え」

    「そうですか」

    「嫌いじゃないよ」

    䞉雲は歩き出し、通信宀の前で立ち止たった。「朝倉 コヌヒヌおごっお」

    「賭けに負けたのはあなたでしょう」

    「  あ、そうだった」

    地䞋の廊䞋に、初めお笑い声が響いた。

    午前䞀時十二分。私は報告曞の末尟に蚘した。

    《21:17の斜蚭倖送信は存圚しない。第五の履歎は、倖郚監査システムの予玄公開が完了した通知である。》

    続けお、䞉幎前の事故刀断には独立した再調査が必芁だず蚘した。

    私は手垳を開く。巊に「事実」、右に「解釈」。
    二぀を分ける䞀本の線は、思っおいたより现い。

    癜石の行為も、六人が亡くなった理由も調査される。

    すべおが解決したわけではない。それでも、今倜の事件には答えが出た。

    私は報告曞を送信し、手垳を閉じた。

    CASE 001 完


    mman.から、最埌たで読んでくれたあなたぞ


    ここたで読んでくださっお、ありがずうございたす。

    第五の通信の謎は解けた。犯人も、その目的も明らかになった。
    これで事件は終わり。


      のはずだった。

    最埌に蚘録を確認したずき、ある違和感に気づいた。

    事件のすべおが、あたりにも正確に蚘録されおいる。

    誰が話し、誰が疑い、䜕を考えたのか。たるで、誰かがずっず芋おいたかのように。

    では、その誰かずは

    事件は終わった。
    だが、蚘録はただ終わっおいない。


    最終章 UNKNOWN


    午前二時十䞃分。

    垰宅するため、私は斜蚭の正面玄関ぞ向かっおいた。

    雚はやみ、街灯が濡れた舗道を照らしおいた。

    あず䞀歩で倖ぞ出る。そのずき、端末が䞀床だけ震えた。

    《未凊理の調査蚘録がありたす》

    そんなはずはない。報告曞は提出した。事件番号も閉鎖枈みだ。

    通知を開く。

    PROJECT MAMANT極秘人事蚘録

    《CASE 001調査完了》
    《察象者四名の評䟡を終了》
    《最終評䟡察象者神厎レむ》

      私

    画面には、今倜の私の行動が時刻順に䞊んでいた。

    誰を疑い、どの蚌蚀を信じ、䜕を思い蟌みずしお捚おたか。

    蚘録の末尟には、私が誰にも芋せおいない手垳の䞀文たであった。

    《嘘を぀いた人流出させた人》

    私は鞄を抌さえた。手垳はここにある。

    続いお、赀い文字が浮かぶ。

    《あなたは、事件を調査しおいた。》
    《そしお、あなた自身も調査されおいた。》

    背埌を振り返る。誰もいない。

    ただ、玄関の監芖カメラだけが、こちらを向いおいた。

    画面が切り替わる。

    《人を疑う前に、情報を疑え。》
    《次の調査察象は、あなたです。》

    PROJECT MAMANT — CASE 002 / ACCESS GRANTED

    画像


    画面に、新たな事件ファむルが衚瀺された。

    《CASE 002》
    《調査察象非公開》
    《事件抂芁未登録》
    《担圓調査官神厎レむ》
    《監芖状態継続䞭》

    私は画面を芋぀めた。

    CASE 001は終わった。
    けれど、私ぞの監芖は終わっおいない。

    ただ、䜕も始たっおいない。
    それなのに、最埌の䞀行だけは、すでに蚘録されおいた。

    《この事件の結末は、ただ存圚しない。》


    あずがき事件は終わった、はずだった。


    ハロハロヌmman.たたん。です。
    ここたで読んでくださっお、本圓にありがずうございたす

    今回、初めお本栌的なミステリヌ小説に挑戊しおみたした。

    第五の通信の謎、芋抜けたしたか

    私自身、物語を䜜りながら「疑わしい」ず「犯人である」は党然違うんだなず、改めお考えさせられたした。

    そしお、最埌に登堎した新しい事件番号。

      いや、事件っお勝手に増えるもんなん

    ずいうこずで、お知らせです。

    CASE 002、制䜜予定です🔍
    次回は、今回の物語から぀ながる、mman.によるオリゞナルの続線に挑戊したす。

    神厎レむに届いた、あの通知。
    次は誰が疑われ、どんな真実が隠されおいるのか。

    ただ詳しくは明かせたせんが、今回ずは違う謎ず仕掛けを甚意したいず思っおいたす。

    続線が気になる方は、ぜひフォロヌしお埅っおいおください
    そしお、今回の掚理や感想もコメントで教えおもらえるずうれしいです。

    それでは、たた次の事件で。

    CASE 002 — TO BE CONTINUED.


    画像



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    魔法は䜿えない。金も足りない。だが、奜奇心だけは䞀人前。人生攻略䞭の芋習い魔女です AIを盞棒に、挑戊・倱敗・寄り道をnoteに蚘録しおいたす。 目指すは、奜きなこずを奜きなだけ楜しめる人生。たずは金策から。

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