
食卓にモロッコがいた日
今日は少しだけ特別な一日だった。
特別といっても、大きな出来事があったわけじゃない。
ただ、畑から収穫して、家で料理して、最後にアイスを食べただけの一日だ。
でも、その一つひとつがちゃんと繋がっている感じがあった。
まずは、収穫。
庭から採れたのは、いんげんとモロッコいんげん。
どちらも新鮮で、手に取るとまだ“畑の気配”が残っている。
さっと茹でて、まずはそのまま味をみる。
次女はマヨネーズだけでシンプルに。
素材の味をそのまま楽しむ食べ方だ。
一方で他の家族には、にんにく醤油としょうがを加えて炒めたもの。
こちらは一気にご飯が進む味になる。
同じ野菜なのに、食べ方で表情が変わるのが面白い。
そしてメインは、ズッキーニの豚バラ巻き焼肉のタレ味。
短めにカットしたズッキーニを巻くと、ちょうどよく収まり、食べやすい。
焼いているうちに豚バラの脂とタレが絡み、シンプルなのに満足感のある一品になった。
採れたてのズッキーニは、やっぱり違う。
水分と甘みがしっかりしていて、火を入れると一気に存在感が出る。
食卓は、野菜と肉のバランスがちょうどよく整った。
脂のある豚バラと甘くてジューシーなズッキーニ。
そして細長くて食感の楽しいいんげんと、平たくてやわらかいモロッコいんげん。
それぞれが役割を持って並んでいた。
そして最後に、アイス。
これは少し特別で、副業の収入で買ったものだった。
選んだのはチョコミント。
好き嫌いが分かれる味だけれど、今日はなぜかこれが食べたかった。
焼肉のタレの濃い味のあとに、この清涼感はちょうどいい。
口の中がすっとリセットされて、今日の食事が静かに終わる。
収穫して、作って、食べて、最後に少しだけ自分を甘やかす。
たぶんこういう一日が、いちばん普通で、いちばん満足度が高いのかもしれない。