
【イタリアのインクルーシブ教育①】「どう一緒に学ぶか」を問い続ける学校~地域の学校で共に学ぶということ~
■最初に
こんにちは!サイボウズのもっちーです😊
今年行ってきた、イタリアの「社会的協働組合」でお聞きしたお話をnoteで公開してきましたが、実はイタリアの学校にも行っていました!
イタリアって、日本の学校の考え方と違う面がたくさんあって面白かったです。
2つの学校に行ってきたので、そこで聞いたこと、実際見てきたことをまとめました。
全8回のシリーズです!
■地域の学校で共に学ぶということ
○イタリアの学校は「学校群」という考え方
イタリアの学校の仕組みは、日本とは違います。
日本では、小学校、中学校、高校がそれぞれ独立した学校として運営されていることが一般的です。
イタリアでは複数の学校をひとつのまとまりとして運営する「学校群」
という考え方があります。
例えば、同じ学校群の中に幼稚園、小学校、中学校が含まれております。
中には高校が含まれている学校群もあるそうです。
建物は別々でも、校長先生は共通で、教育方針や学校運営も一体的に行われています。
そのため、子どもが進級した時にも情報が引き継がれやすく、
一人ひとりの成長を長い目で見守りやすい仕組みになっています。
私たちが視察した学校も、こうした学校群の一つでした。
今回の視察は、信州大学のみなさまとご一緒させていただきました。
インクルーシブ関係に力を入れている方達と
ご一緒させていただけたことで、より深く知ることができました。
信州大学教育学部附属 長野3校のインクルーシブについては下記よりご確認ください。
↓こちら↓
https://www.shinshu-u.ac.jp/faculty/education/naga-tokushi/inclusive/

○「どの学校で学ぶか」ではなく、「どう一緒に学ぶか」
イタリアの学校を語る上でもう一つ欠かせないのが、インクルーシブ教育です。
日本では、通常学級、特別支援学級、特別支援学校という複数の学びの場があります。
イタリアでは、障害のある子どももない子どもも、移民のお子さんも、まずは地域の学校で一緒に学ぶことを基本としています。
必要な支援があれば支援員や専門職が関わりますが、
「別の場所で学ぶ」のではなく、「同じ場所で学ぶために何が必要か」を考えることが出発点になっています。
そのため、
視察中も「障害のある子どものための特別な仕組み」というより、
「誰もが地域の中で学べる環境づくり」という考え方を何度も耳にしました。

○日本とは少し違う学校制度
イタリアの新学期は9月に始まります。
小学校は6歳頃から始まり、中学校を経て14歳頃に高校へ進学します。
義務教育は16歳までです。
そのため、日本の学年とは年齢の区切り方が少し異なります。
今回の記事では日本の感覚に合わせて「小学生」「中学生」「高校生」と表現していますが、実際には日本とは異なる学年構成になっています。
そんなイタリアの学校群の中で、実際にどのような学びが行われているのか、私たちが訪問した学校で見たこと、感じたことを紹介していきます。
今回訪問したのは、ローマ市にある「オッタヴィア(Octavia)」と呼ばれる学校群です。

○なぜインクルーシブ教育が必要なのか
まずインクルーシブ教育の定義が紹介されました。
インクルーシブ教育とは、障害のある子どもを、これまでの学校制度や授業のやり方に合わせることではありません。
子どもたちの多様なニーズに応えられるように、
教育方法や評価、カリキュラム、学校の組織そのものを見直していくことです。
対象となるのも、障害のある子どもだけではありません。
移民として暮らす子ども、
家庭や社会的な事情によって不利な状況にある子ども、
使われている言語を十分に理解できない子ども、
学習につまずきを抱える子どもなど、
学校にはさまざまな背景を持つ子どもたちがいます。
すべての子どもが学びに参加し、
それぞれの力を伸ばせる学校をつくること。
それが、ここで語られていたインクルーシブ教育でした。
インクルーシブ教育が必要とされる理由として、三つの視点が紹介されていました。
一つ目は、教育的な正当性です。
多様な子どもが共に学ぶためには、
学校の教育の質そのものを高める必要があります。
一部の子どもだけが理解できる授業ではなく、
それぞれの違いを前提に授業をつくることが、
すべての子どもの学びにつながります。
二つ目は、社会的な正当性です。
子どもの頃から異なる背景や特徴を持つ人と出会い、共に過ごすことは、より公正で平等な社会をつくることにもつながります。
三つ目は、経済的な正当性です。
子どもを属性や障害ごとに分け、それぞれ別の学校や制度をつくるよりも、同じ地域の学校の中に必要な支援を整える方が、限られた資源を有効に活用できるという考え方です。
インクルーシブ教育は、障害のある子どものためだけの取り組みではありません。教育の質、社会のあり方、そして限られた資源の使い方を含め、学校全体を問い直す考え方なのだと感じました。

■最後に
最後までありがとうございました。
イタリアの学校は、制度の違い以上に、「目の前の子どもが一緒に学ぶためには、何が必要だろう」と考える姿勢が素敵だなと思いました。
次回は、イタリアが歩んできたインクルージョンへの道についてです!
次回も見てもらえると嬉しいです😊