
デビュー24年目の自分を振り返る②~人生最大の決断をした17歳の夏~
前回は、友人に誘われて受けたオーディションで受賞したおはなしでした。
賞状を抱きしめながら帰宅
オーディションからの帰り道。
賞状を抱きしめて電車に揺られながら、私は興奮していました。
どうしよう。
受賞した。
予想もしていない展開になった。
歌やダンス、音読は昔から大好きで、いろんな人から「上手だね」と言われてきました。
自分でも得意だと思っていました。
でも、それらを人生の中心に置こうと思ったことは一度もありません。
幼少期からいわゆる『優等生』だった私。
学校での勉強を基盤として、大学に進学し、そこから先の道を模索していく。
それが当たり前だと思っていました。
ところが。
ひょんなことから受けたオーディションで受賞し、三ツ矢さんからありがたいお言葉までいただいてしまったのです。
価値観がひっくり返ったような。
自分の本心に気付かせてもらえたような。
雷に打たれたような経験でした。
私は、私がチャレンジしたいと思う道に進んだほうがいいのではないか。
そう思いながら帰宅しました。
オーディションに誘ってくれた友人、現地で仲良くなった人たちと食事をしてから帰宅したので、家に帰るのはいつもよりかなり遅い時間になりました。
父は既に休んでいました。
起きて待っていてくれた母に報告すると、驚きつつも「おめでとう」と言ってくれました。
自分の部屋に行き、賞状を眺めて、受賞した喜びを噛みしめました。
そして、そこから先の自分のことを真剣に考えました。
代々木アニメーション学院のオーディションで受賞したので、代アニに入学すれば学費は免除。
在籍期間は1年で、その間に次に進む養成所等を決める。
人によっては在籍中から仕事をすることもあるようなので、まずはそれを目指していくのが良さそう。
代アニ在籍中に、しっかりと次に繋がる道を作らなくては――。
声優の道を目指そう。
私がチャレンジしたいと思うのは、大学進学ではなくて、これだ。
オーディションで受賞したその夜。
私は自分の進む道を決めました。
父の反対
翌日、私は両親に自分の思いを伝えました。
母は「なんとなくそんな気はしていた」と言い、私がそれを望むならと承諾してくれました。
父は怒りました。
大学進学を蹴ってまで今やることではないと。
父の気持ちもわかります。
親として当然のことです。
でもいくら怒られても、私は自分の意見を変えるつもりはありませんでした。
ここからしばらく、私と父の関係性はぎこちないものになりました。
母はそんな私たちをずっと見守ってくれていました。
両親への申し訳なさは、もちろんありました。
でもだからこそ、自分の決断は生半可なものではないと理解してもらうためにも、1年の間にしっかり頑張って結果を出さなくてはと思いました。
担任に「大学進学をやめる」と伝える
夏休み明け。
私はすぐに担任の先生に相談にいきました。
オーディションで思いがけず受賞したこと。
無謀と思われても、大学進学をやめてその道を目指したいと考えていること。
それらを正直に伝えました。
担任は目を見開いて絶句。
そりゃあそうです。
私が通っていた高校は進学校。
大学受験を蹴って、芸能の道を目指すだなんて。
高校側からはダブルスクールを勧められました。
大学に通いながら、土日や夜間のクラスがある養成所等に行く・・・というものです。
でも私はこう考えていました。
自分の性格的に、ダブルスクールはたぶんできるとは思う。
でも、本当にやりたいことがはっきりした今、同じ熱量で大学に通えるかはわからない。
中途半端になってしまう気がする。
それまで学んでいたことは、やる気があればまたいつでも再開できる。
でも新しいことを始めるならば、若さと勢いが絶対に必要。
1本の道に絞って進んだほうがいい。
自分でも驚くほどに固い決意でした。
こうして。
私は高校3年の夏休み明けに自分の進路を確定させ、センター試験の日は図書室で自習をし、高校を卒業。
代々木アニメーション学院・大阪校に通うことになりました。
次回は代アニに通っていた1年を振り返ります。
お楽しみに。