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"考察、テムの回路" ファーストガンダム半スピンオフ作戦『テムよ…』 SCENE 14

    さて、ここでひとつ疑問なのは、

    『今現在のテムさんが、どうやってあの回路を製作できたのか。』

    ということです。

    テムさんのいる部屋は図面を引く机はありますし、本はたくさん置いてありますが、機械を工作する道具が置いてあるようには一切見えません。

    一番最初、第1話のホワイトベース内でも、彼は図面を見ているだけで、工具を扱うシーンは出てきていません。

    この回路の図面を書くことはできたかもしれませんが、ではそれをどうやって組み立てたのか。

    ♪

    組み立てるには材料が必要です。どこから調達してきたのか。

    ジャンク屋で住み込みをしているとはいえ、中立サイドのジャンク屋に、モビルスーツに使えるパーツが集まってくるとは思えませんし、(建物の外にザクの頭が捨ててあるのもけっこうギリギリ、筐体だけならわからないことはない、中身があったとしても頭はカメラです。)分解して何かにすることはあったとしても、モビルスーツ用の工作機械があるとは思えません。それに、廃材の中から全てかき集めて何かを組み立てたところで、出来上がるものはたかが知れています。また、マジで住み込みだとして、その給料から全資材を自腹で買いそろえるなんて不可能です。こんな絶妙のシャーシをどうやって成型するのか。しかし、アムロはこの回路を見て、「こんな古いもの」と評価しています。決して「がらくただ」とか、「でたらめ」とか、「粗雑なもの」ということにはなってません。ただ、古い。今現在のガンダムに組み込むには古い、と。組み込めなくはないかもしれないけど、古い。または、組み込むには、今はパーツが違っているから、古い。いずれにしても、全く見当違いのものでもなさそうな評価の仕方でした。

    そして、古いとしても、製品としてはある程度成り立っていそうな言い方なんです。これをもし、この部屋の中で、全て揃えられたとしても、例えば脳に疾患がある状態で、いつからここにいるかは分かりませんが、少なくともサイド7からサイド6に移動してきてこの部屋に住むようになって今日までの間に、たった一人でこれを製作できているとしたら、それこそ驚異的です。少なくとも、古いけど、モビルスーツか何かには組み込めそうなものってことになるんですよ。基盤や配線の納め方も、絶妙にきっちり整えられてそうに見えますし。何者なんですか!!ってなります。

    そこでもう一度、先のアムロのセリフですが、

    「こんな古いものを…」には、続きがありません。こんな古いものを作ってるなんて、とは言ってない。この回路を父が最近作ったものと認識してるとは限らないセリフの作られ方です。(父も、「開発した」とは言ってるけど、「作った」とは言ってません。)

    ガンダムの整備もずっとし続けているアムロです。この回路を作るとしたら、どれだけの資材が必要かは、だいたいの見当ならすぐつきます。どのくらい日数がかかるとか、どんな職人がどのくらい必要かとか。

    プロトタイプ的なもので、民製品や量産品でもないとしたら、ますます一人でできる仕事じゃないはずです。仕事もせずに、そのことに掛かりっきりだったとしても、です。

    一人でできる仕事じゃない、イコール、スタッフが必要。スタッフがいるなら、これが今では古いものだって指摘はどこかから入るはずです。誰からもそうした指摘をもらえてない。現にアムロにしたって、自分がこれが一番いいやり方だって思っても、ブライトさんに叱られることはあります。そのブライトさんもときにはミライさんに、いらいらしないで!とか言われたりもする。もし今、こんなものをただただ黙って作ってくれる人が周りにいるとしたら、それはもう、お山の大将だ。つまり見限られてる。俺のオヤジが?技術士官大尉だったおやじが?

    ♪

    テムさんは、サイド7で、突然宇宙に放り出されてしまいました。

    直前まで図面と対峙していた。直前まで技術士官だった人です。

    当然、研究中のものは、たくさんあったでしょう。

    ホワイトベースがサイド7を出港する前、残っていたガンダムパーツとかはできる限りガンダムに運ばせていました。

    大きなものはガンダムが運びましたが、小さなものは別のやり方で運び込んだと思います。そして、ホワイトベースのどこかへ収納された。

    その中には、技術士官テム・レイ大尉が研究中だったものも、数々運ばれてきたでしょう。その中から、その後の研究につながったものもあれば、そうならなかったものもあったと思います。

    そうした、即戦力としては必要ないが、彼に見せれば何かにつながるのかもしれないと思えたいくつかが、このテムの部屋に送り込まれてきていた。テム氏の脳に刺激を与え、ある日いろいろとつながって、劇的な回復を迎えることを夢見て。

    あの回路は、過去のいつ頃かにテム博士が作った、そんな回路なのでしょう。実際にそれが作られた頃にはおそらく、最新式だったと思います。でも今となっては…古いものになってしまいました。その時間の感覚が、今のテム・レイには無い。そしてその回路を自分がいつ作ったのか、その時間感覚も今の彼には無い。(あくまでも私は、テムを悪いように扱いたくないことからこのような推測になっておりますこと、ご理解いただけますと幸いです。)

    例えば脳の疾患がなかったとしても、昏睡状態や絶対安静が何週間か、何か月か続いてしまうだけでも、「浦島太郎」のような状態になってしまいます。グフもドムも、アッガイもズゴックも、ビグロも、そして『ジム』でさえも、その登場の瞬間を知らずに今日を迎えているかもしれません。酸素欠乏症の疾患よりもこっちの方が、同じ職場に同じ立場で復帰するには問題です。

    「こんな古いものをまだ最新式だと思ってるなんて…」

    アムロの疑問は、こういうことだったと思います。

    ♪

    …だからアムロさん、

    投げ捨てちゃダメです。本気で大事にしてたものなので。

    そもそもゴミの投棄はよくない。

    だから、一度は投げ捨てたけど、さすがに一応拾って、でも誰にも見せずに仕舞い込んだとかかな。そうであってほしい!(またはテムさんの監視スタッフによって回収されたとかね。)

    SCENE 15 →

    『テムよ…』ファーストガンダム半スピンオフ作戦

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