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"WITH THE BEATLES" 『ビートルズ名盤100』その3(Ⅱ-2)

    印象的なジャケ。ハーフシャドウと呼ばれ、アメリカ本格デビューと日本デビューもこのジャケが使われてるくらい、象徴的なデザインです。

    1stアルバムこそ既発のシングルを入れてましたが、今度は完全新曲オンリーです。

    オリジナル8曲、カバー6曲は変わりありません。
    ただ、なんなら前回みたいにシングル混ぜて良ければ、14曲全曲オリジナルのアルバムにもできたんです。

    1stアルバムと2ndアルバムの間に出たシングル、"From Me To You"と"She Loves You"、そしてこのアルバムの1週間後に出る"I Wanna Hold Your Hand"の各AB面で、全6曲になりますよね。

    カバー6曲の代わりにこの6曲を入れて、「全部オリジナルです」ってすることも可能ではありました。
    でもそうしなかった。

    理由はいろいろ言われてますが、おそらく単に
    「やりたい曲がたくさんあった」なんじゃないかと思います。
    そしてホントにできてしまった。しかも全部があるクオリティーに到達しているかたちで。

    アメリカ本格デビューのアルバムに関して言えば、この1枚から2枚作っちゃって、それで成り立っちゃったんだからもうとんでもないことです。

    さて、中身ですが、1stアルバム同様1曲目からノリノリです。

    1stアルバムでは、ポール曲からという感じでしたが、今回の"It Won't Be Long"は、ジョン曲ではありつつチームで作った感の強い曲でのスタートです。掛け合いコーラスもめちゃめちゃ効いてて、バンドとしての一体感に満ちています。
    最後に不思議な下降コード展開と、このノリノリ感からは予想外のメジャーセブンスコードでおしゃれに終わり。
    2曲目"All I've Got To Do"もジョン曲で、冒頭に1曲目最後と同じEの、だけど、これも不思議な和音からスタートして、まるでメドレーかのようなこの流れ!2枚目にして天才的です。

    そこからテンポよく、ポール曲、ジョージ曲、もう一度ジョン、ポールと来て、A面ラストの"Please Mister Postman"でもう一度掛け合いコーラスもののジョンボーカル曲にたどり着きます。

    B面にひっくり返すと、続きは私ですとばかりにジョージがチャックベリーを決めちゃいます。そこから先も怒涛の展開、3人とも歌う感強め。もちろんジョージも、そしてリンゴも歌います。最後はジョンが"Money"で、1stアルバムのエンディング、"Twist And Shout"に負けないシャウトをぶちかまします。ピアノの重低音もジョンの声と共鳴して、凄みをさらにぶ厚くしています。ポールのハイトーンコーラスも冴えまくりで、そこへジョンのボーカルはボディブローのように畳みかけます。最後のジョンオンリーの"  ♪That's what I want "は言うなればまるで、マットに沈む相手を見下ろす力石のような絶対感です。
    完全にやられました。

    冒頭で書いたシングル3枚("From Me To You"、"She Loves You"、"I Wanna Hold Your Hand")と、このアルバム1枚、これが1stアルバムと同じ年に出ています。

    なんだそれ、すげーな。

    この辺が、先ほど書いた「やりたい曲がたくさんあった」なんだろうと思うわけです。

    この年に制作したオリジナル曲が、

    1stアルバムで6曲(シングルLove Me Doは前の年なので)、
    シングルとして6曲、
    2ndアルバムで8曲、で、計20曲。

    カバー曲が、両アルバム6曲ずつで12曲。です。

    全部で32曲を1年で発表した、1963年のビートルズでした。

    <Ⅱ英公式アルバム >

    ビートルズ名盤100

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