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Mystery Jets 『A Hole to See the Sky Through』 ~ 熟成された英国ロック・バンドの誇り

    2005年のデビュー以来、幾度かのメンバーチェンジを経て現在も精力的に活動を続けるロンドン出身のロック・バンド、Mystery Jets。音楽シーンの主流からは常に距離を置いた場所にいて、良い意味で浮いた存在であり続ける彼らの伊達じゃないキャリアに今こそ目を向けていきたい。


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    (1)Mystery Jets 『A Hole to See the Sky Through』

    先ごろリリースされた通算7作目となるニュー・アルバム。前作『A Billion Heartbeats』から6年という長いインターバル、その間にはバンドの創設メンバーであるウィリアム・リース(G&Vo)の脱退もありました。

    ただ本作を聴くかぎり、パワーダウンは微塵も感じません。2024年ごろから現行のラインナップに落ち着き、一時は体調に不安を抱えていたブレイン・ハリソン(Vo&G)の健康状態も安定している模様。そんなバンドの充実ぶりが反映された会心の仕上がり。

    壮大なサウンドスケープを描いた前々作『Curve Of The Earth』から続く路線を踏襲しつつ、さらにもう一段高みへ上り詰めた印象。元来定評のあったブレインの歌と作曲は円熟を極め、アレンジ面においてはシンセを効果的に使うことでスケールの大きな世界を演出しています。

    The KinksやThe Who、あるいはPink Floydといった名だたるレジェンドの系譜。そのバトンを受け取った英国ロックの継承者としての誇りがひしひしと伝わってくる傑作。これがデビューから20年もの歳月を経てブレイン達が辿り着いた境地。あえて言おう、Mystery Jetsは今が旬だ。

    Mystery Jets "A Hole To See The Sky Through Part 1"


    Mystery Jets "Doomsday Waltz"




    (2)過去作振り返り


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    2006年発表の1stアルバム『Making Dens』。
    イール・パイ島出身のヘンリーとブレインのハリソン父子を中心に結成され、一過性に終わったテムズビートなるムーヴメントの流れで注目を集める存在に。そのボヘミアンな佇まい、そして独特のフォーキーでサイケデリックな味わいに魅了されるデビュー作。

    Mystery Jets "You Can't Fool Me Dennis"



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    2008年発表の2作目『Twenty One』。
    人気DJのエロール・アルカンをプロデューサーに起用し、80sポップのエッセンスを導入した大胆なモデルチェンジが物議を醸した。同郷のローラ・マーリングをフィーチャーしたシングル"Young Love"はラヴリーなMVも秀逸な名曲。

    Mystery Jets "Young Love"(featuring Laura Marling)



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    2010年発表の3作目『Serotonin』。
    数々の名作を手掛けてきた重鎮クリス・トーマスによるプロデュース。前作の方向性をさらに推し進めつつ、冴えわたるメロディにスタイリッシュなアレンジ、洗練されたプロダクションが三位一体となった名盤。

    Mystery Jets "Serotonin"



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    2012年発表の4作目『Radlands』。
    録音場所であるテキサス州オースティンの空気が反映された転換期の一枚。前2作に比べるとグッと落ち着いた雰囲気ながら、アーシーな風合いの楽曲は滋味豊かな味わい。

    Mystery Jets "Someone Purer"



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    2016年発表の5作目『Curve Of The Earth』。
    スティーヴ・ジョブズも愛読した雑誌『全地球カタログ』にインスパイアされたという触れ込みで、音のスケールが格段に広がった。現在に至る方向性を決定づけた一作で、壮大で深みのあるサウンドスケープに引き込まれること必至。

    Mystey Jets "Bubblegum"



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    2020年発表の6作目『A Billion Heartbeats』。
    過去最高にヘヴィなリード・トラック"Screwdriver"にまず圧倒される。リリースの前後にはブレインの病気療養やウィリアムの脱退といったトピックがあり、バンドの状態は不安定。その緊張感が逆に作品のクオリティを高みに押し上げたか。

    Mystery Jets "Screwdriver"



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